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金(ゴールド)で築く「ゆるがない資産戦略」

物価上昇や地政学リスクが続くいま、再び注目されているのが「金(ゴールド)」です。

かつては「守り」の資産とされてきた金も、現在は価格が力強く上昇し、投資対象としての存在感を強めています。株式や暗号資産(仮想通貨)と並ぶ選択肢として、資産形成のなかでその価値をどういかすかが問われる時代です。

本記事では、金の基礎知識から投資手段、ビットコイン(BTC)との比較、さらには両者のハイブリッド「ジパングコイン(ZPG)」まで、現代のゴールド投資をやさしく解説します。

株式やビットコイン一辺倒だった方も、金の可能性に目を向けてみてはいかがでしょうか?

    目次

  1. なぜ、今「金(ゴールド)」なのか
    1. 1-1 金(ゴールド)の価格推移
  2. 金(ゴールド)の基本
  3. 金(ゴールド)投資のメリット/デメリット
    1. 3-1 金(ゴールド)投資の5つのメリット
    2. 3-2 金(ゴールド)投資のデメリット
  4. 資産の守り神はどっち?金(ゴールド)vsビットコイン(BTC)
  5. 金(ゴールド)の将来性
    1. 5-6 将来的な価格形成の見通しと識者の価格予想
  6. ゴールド投資「7つの入り口」と始め方
    1. 6-1 地金(インゴット)・コイン
    2. 6-2 純金積立
    3. 6-3 投資信託・ETF
    4. 6-4 金鉱株投資
    5. 6-5 金価格に連動する仮想通貨
    6. 6-6 CFD取引
    7. 6-7 金先物取引
  7. 金(ゴールド)投資の注意点
  8. 金(ゴールド)と仮想通貨のハイブリッド「ジパングコイン」とは
    1. 8-1 ジパングコイン(ZPG)の6つの特徴
    2. 8-2 ジパングコイン(ZPG)取引はSBI VCトレードかコイントレードで
  9. まとめ:金(ゴールド)と仮想通貨、使いこなして「賢い分散」戦略を

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1.なぜ、今「金(ゴールド)」なのか

近年、金(ゴールド)への関心が急速に高まっている背景には、いくつかの世界的な潮流があります。

まず第一に挙げられるのが、物価上昇(インフレ)への懸念です。エネルギー価格の高騰、供給網の混乱、各国の財政出動などを背景に、世界的に物価が上昇傾向にあり、通貨の購買力が目減りするリスクが意識され始めています。このような中、金は価値を「実物」として保ち続ける資産として、インフレヘッジの役割が期待されています。

次に、地政学リスクの増大です。ロシア・ウクライナ戦争や中東の緊張、台湾有事の懸念など、国家間の対立が深まる中、安全資産への逃避需要が高まっています。こうした有事の局面では、法定通貨や株式よりも金が選好される傾向があります。

さらに、中央銀行の動きも無視できません。世界の中央銀行が外貨準備の一部として金を積極的に買い増しており、2022年〜2024年は過去最大級の金購入量を記録しました。これは「ドルへの依存度を下げる」という地政学的・金融的な動きとも連動しています。

加えて、金は仮想通貨や株式とは異なるリスクプロファイルを持つことから、ポートフォリオの分散先としても選ばれています。仮想通貨や株が短期的な価格変動にさらされやすい一方で、金はより安定した値動きを示す場面も多く、資産全体のボラティリティを抑える効果が期待されているのです。

このように、マクロ経済・地政学・金融政策など複合的な要因が重なり、金は「攻め」と「守り」の両面で重要な資産として注目されています。

1-1 金(ゴールド)の価格推移

出典:GOLDPARK

金価格の長期的な推移は、以下の3つの局面に分類できます。

  1. 1970年代半ば~1980年代初頭:急騰期
  2. 1980年代終盤~1990年代:長期低迷期
  3. 2000年代以降:長期上昇期

1-1-1 1970年代半ば~1980年代初頭:急騰期

1970年代半ば~の上昇局面に背景にあるのは、1973年10月に発生した第1次オイルショックです。

第四次中東戦争により引き起こされた第1次オイルショックにより、OPEC(石油輸出国機構)は原油の供給制限と輸出価格の大幅な引き上げを実施。これが石油関連製品の値上げに繋がり、世界に急激なインフレをもたらしました。

1979年にはイラン革命勃発により第2次オイルショックが発生。原油価格が再度急騰し、インフレを加速させました。こうした原油高騰がもたらしたインフレを背景にゴールドの需要を高めた格好です。

1979年9月末に315ドルだった金価格は、1980年1月には850ドルまで高騰。わずか4ヶ月で2.7倍上昇するバブルの様相を呈しました。ただし、このとき800ドル台を維持したのはわずか2営業日。数日後には約620ドルまで下げます。

1-1-2 1980年代終盤~1990年代:長期低迷期

第1次・第2次オイルショックで急騰した金相場ですが、移行は下落基調となり、2000年代初頭まで価格は低迷します。

これには複数の背景が横たわっています。まず、1980年に米FRBポール・ボルカー議長がインフレを抑制するために金利を急上昇させたことです。金は利子を生まないため、高金利の債券・預金の方が有利となり、資金が金から流出しました。

FRBの政策などが影響し、1980年代以降はインフレが徐々に沈静化。インフレヘッジの特徴を持つ金は魅力が減じて売られました。

中央銀行による金の大量売却も大きな要因です。1971年のニクソン・ショックで金とドルの交換が停止され、世界は金本位制から完全に脱却。以降、金は中央銀行にとって「貨幣制度上の裏付け資産」ではなくなり、「保有していても利息を生まない非生産的資産」と見なされるようになりました。

世界が金本位制から脱却した後は、米ドルが基軸通貨として覇権を握ることに。こうした複数の要因により、金は売りが加速。2000年には1980年につけた高値の4分の1の200ドル付近まで大幅下落しました。

1-1-3 2000年代以降:長期上昇期

歯止めのきかない金の下落に危機感を覚えた欧州各国の中央銀行は、1999年9月にIMF(国際通貨基金)の総会でワシントン協定を締結します。

金の売却や貸し出しを制限するこの協定により売り圧力が減退し、金価格は2000年初頭から上昇に転じます。2001年には300ドルを割り込んでいた価格は、2008年に1000ドルを突破。2011年には1900ドルを超えました。

2008年頃からの急激な上昇の背景に、同年発生したリーマン・ショックがあります。未曾有の金融危機に、米FRBはゼロ金利政策の実施で対応。大量のドルの供給により各国中央銀行は金の購入に動き出したのです。

その後も、2019年の中国武漢で確認された新型コロナウィルスの蔓延、2022年1月に始まったウクライナ戦争により世界的にインフレが引き起こされると、そのヘッジとして金が買われ最高値を幾度となく更新。「有事の金」として、資産の退避手段としての地位を不動のものにしています。

特に近年は終結の見通しが立たないウクライナ戦争に加え、2025年に誕生した米トランプ大統領による大胆な関税政策、中東情勢の緊迫化など不確実性が極限まで高まっており、金は類を見ない上昇を遂げています。

2.金(ゴールド)の基本

金(ゴールド)は、古来より「実物資産」としての価値を持ち続けてきた希少な金属です。

地球上のほぼ全ての物質と化学反応を起こさないため、酸化・腐食しにくく、何千年経っても状態が劣化しません。また、地球上に存在する金の総量は限られており、発見される新たな鉱山は年々減少。これが価値の下支えとなっています。

そして、投資の観点で見たときに最も重要なのは、金が「無国籍資産」である点です。紙幣のような信用通貨とは異なり、国家の財政状況や中央銀行の政策に左右されにくいことから、「価値の保存手段」として世界中で重宝されています。

金は利子や配当を生まない一方で、経済危機や通貨の信認低下といった局面では、株式や債券とは異なる値動きを見せ強さを発揮する傾向があります。そのため、資産全体の安定性を高める「守り」の役割として、一定の比率での保有が推奨されています

3.金(ゴールド)投資のメリット/デメリット

金(ゴールド)は「安全資産」として注目される一方で、他の資産とは異なる特性を持っています。

この章では、金投資の主なメリットとデメリットを整理し、投資判断に役立つ視点を提供します。リスクと魅力を正しく理解することが、後悔しない投資への第一歩です。

3-1 金(ゴールド)投資の5つのメリット

まずは、金投資のメリットを5つ解説します。

3-1-1 世界が認める価値の保存手段

金(ゴールド)は、数千年にわたり人類の間で「価値の基準」として扱われてきた特別な資産です。

通貨や株式と異なり、国や時代を超えて価値を維持してきた実績があり、現代においても「資産の避難先」として世界中で保有されています。

供給量が限られており、特定の国の信用や政策に左右されにくいことから、長期的に見て資産価値を保ちやすいとされています。

3-1-2 インフレヘッジができる

インフレが進行すると、現金や預金の価値は目減りし、購買力が低下します。

しかし、金は実物資産であり、インフレ時にはモノの価値とともに上昇しやすい特性があります。特に通貨の信認が揺らいだときに、金が買われやすくなる傾向があり、「インフレから資産を守る手段」として有効です。

3-1-3 戦争やパンデミックなどの有事に強い

地政学リスクや経済危機が高まる局面では、株や不動産などのリスク資産が売られる一方で、安全資産とされる金には資金が集まりやすくなります。

2020年のコロナショックや、戦争勃発時のような不確実性の高い局面で金価格が上昇したのはその典型です。「有事の金買い」と呼ばれる現象は、歴史的にも何度も確認されています。

3-1-4 資産の分散効果を高める

金は株式や債券と異なる値動きをすることが多く、ポートフォリオに組み込むことで資産全体のリスクを抑える効果が期待できます。

たとえば、株価が下落する局面でも金価格が上昇することがあり、バランスの取れた資産運用を目指す上で欠かせない存在です。分散投資の一角として金を保有することは、リスク管理の観点でも有効です。

3-1-5 世界経済が立体的に見えてくる

金の価格は、金利・為替・インフレ率・地政学リスクなど、複数の経済要因に影響されて動きます。

金投資を継続することで、自然と金融政策や国際情勢に関心が向き、経済ニュースの背景がより深く理解できるようになります。

断片的だった情報がつながり、世界経済を立体的に捉える力が養われるのも、金投資ならではの大きなメリットです。

3-2 金(ゴールド)投資のデメリット

一方で、金投資には以下のようなデメリットもあります。

3-2-1 利息や配当が得られない

金は株式や債券と異なり、保有していても金利がつかず、配当ももらえません。つまり、価格が上昇しなければ利益は得られず、投資成果は「売却益」に依存する形になります。

そのため、金利が高くなる局面では、利回りのある資産と比べて相対的に魅力が薄れることもあります。特に長期運用を前提とする場合、資産全体の成長性とのバランスを考慮する必要があります。

3-2-2 保管コストや手数料がかかる

現物の金(地金や金貨など)を保有する場合、保管にかかるコストが無視できません。

自宅での保管はリスクがあり、安全性を求めるなら銀行の貸金庫や専用の保管サービスを利用することになりますが、それには年間数千円〜数万円の費用がかかります。また、購入時や売却時にも手数料が発生するため、これらのコストを含めたトータルでの運用計画が重要です。

ただし、投資信託やETF(上場投資信託)であれば、コストを最小限に留めることができます(詳しくは「6.ゴールド投資”5つの入り口”と始め方」で解説)。

3-2-3 盗難・紛失のリスクがある

現物資産である金は、形がある分「盗まれる」「なくす」といったリスクも伴います。

自宅に保管していた金貨やインゴットが盗難被害に遭った事例も報告されており、特に高額になるほど保管方法の工夫や防犯対策が不可欠になります。

保険の活用や、管理の手間が少ないETFなど他の手段を検討することも一つの選択肢です。

4.資産の守り神はどっち?金(ゴールド)vsビットコイン(BTC)

近年、インフレや金融不安への備えとして金(ゴールド)と「デジタルゴールド」とも呼ばれるビットコイン(BTC)が並び称されるようになりました。

ともに「価値の保存手段」として注目されていますが、その特性は大きく異なります。ここでは、両者の強みとリスクを比較し、資産防衛の観点から考察します。

まずは、両者を比較した以下の表をご覧ください。

特徴/項目 金(ゴールド) ビットコイン
歴史・信頼性

数千年の実績があり、世界的に価値が認められている

誕生は2009年。歴史は浅いが、注目度は急上昇中

実体の有無

あり(現物資産)

なし(デジタル資産)

発行上限

あり(採掘可能量に限りがある)

あり(最大2100万BTC)

価格変動

比較的安定している

非常に大きい

市場の成熟度

非常に高い(中央銀行や政府も保有)

成長中。ETF承認などで徐々に成熟へ

流動性

高い(世界中で売買・換金可能)

高い(24時間取引可能、ネット環境があれば取引可能)

保管方法

現物の保管には物理的スペース・セキュリティが必要

デジタルウォレットで管理(セキュリティリスクも)

有事の強さ

強い(戦争・経済危機時の資金逃避先)

状況次第(規制やインフラ次第でリスクにもチャンスにも)

主な投資手段

現物、ETF、純金積立など

取引所での売買、ビットコインETF、ウォレット保有など

4-1 金(ゴールド)の強みとリスク

金は数千年の歴史を持つ実物資産であり、「実体がある」「信用リスクがない」「世界共通の価値基準」であることが最大の魅力です。

地政学リスクや金融危機が起きた際には、逃避先として資金が流入しやすく、「有事の金」とも呼ばれています。現物保有はもちろん、純金積立やETFなど多様な投資手段があり、流動性も高いのが特徴です。

一方で、金は配当や利子を生まないため、インカムゲイン(収益)を得ることができません。

また、現物で保有する場合は保管コストや盗難リスクも伴います。加えて、短期的には為替変動の影響も受けやすく、日本円建てでの価格は米ドルの動きによって左右されます。

4-2 ビットコイン(BTC)の強みとリスク

ビットコインは2009年に登場したデジタル資産で、「中央管理者が存在しない」「発行上限がある」「国境を超えて自由に保有・送金できる」といった新たな価値保存手段です。

機関投資家の参入やビットコインETFの上場によって、金と同様に「インフレヘッジ」として注目されつつあります。送金スピードや保管の柔軟性も、デジタルならではの利点です。

ただし、最大のリスクとして、価格のボラティリティ(変動幅)の大きさがあります。短期間で価格が2倍になることもあれば、半値になることもあります。

また、法規制やハッキング、ネットワーク障害など、テクノロジー特有の不安要素も抱えています。さらに、歴史が浅いため、長期的な信頼性という点では金に及びません。

4-3 比較と考察:どちらが「守り神」か?

「守り神」という観点で見たとき、ふさわしいのは金(ゴールド)です。

数千年にわたって世界中で価値を認められてきた金は、有事やインフレ、通貨の信用不安といった局面でも安定的に価値を保つことが多く、資産保全の手段として揺るぎない地位を築いています。

一方、ビットコインは「新しいデジタル資産」として注目されていますが、価格の急変動や法規制リスク、長期的な信頼性の不透明さを考慮すると、「守り神」としての役割にはまだ課題が残ります。

むしろ、将来的な成長や高リターンを見込んだ「攻めの資産」としての性格が強く、守り一辺倒では対応できない市場環境において、リスク分散の一環として取り入れるべき存在といえるでしょう。

5.金(ゴールド)の将来性

金(ゴールド)は古代から現代に至るまで価値を保ち続けてきた希少な資産ですが、その価格は常に一定ではなく、世界の動きとともに上下してきました。

今後の金価格を見通すうえで重要なのは、どのような事象が金に影響を与えるかを理解することです。ここでは主な要因を整理しながら、将来性について展望します。

5-1 中央銀行の動き(保有量の増減)

世界の中央銀行は、外貨準備の一部として金を保有しています。近年では、特に中国、ロシア、トルコなどがドル依存を減らす動きの中で金の保有量を積極的に増やしていることが注目されています。

これは金の需給を引き締め、価格を下支えする要因になります。反対に、大量に金を売却する国が現れれば、需給バランスが崩れ価格が下がることもありますが、長期的には「国家が買う資産」としての信頼性が価格形成を安定させる要因となります。

5-2 インフレ率と金利の変動

インフレが進行すると、紙幣の価値が目減りし、それを避けるために実物資産である金に資金が向かいやすくなります。特に注目すべきなのは「実質金利(名目金利−インフレ率)」です。

実質金利がマイナスになると、金は「持っていても利息がつかない」という欠点が相対的に気にならなくなり、買われやすくなります。反対に、インフレが落ち着き金利が高まれば、金の価格は抑えられる傾向にあります。

5-3 株式市場やドルの動き

株式市場が好調で投資家のリスク選好が高まると、金のような「守りの資産」には資金が流れにくくなります。一方、株価が不安定になると、安全資産としての金に資金が戻る傾向があります。

また、金は通常米ドル建てで取引されるため、ドル高になると割高感が出て金価格は下落しやすくなり、ドル安になると金は買われやすくなります。このように、金は他の資産との相対的な魅力によって影響を受けます。

5-4 地政学的リスクや戦争

戦争・テロ・国際対立・パンデミックといった「有事」が起きると、金融市場は混乱し、リスク資産から安全資産へと資金が移動します。これがいわゆる「有事の金買い」です。

たとえばロシア・ウクライナ戦争やイスラエル・イラン情勢の緊張など、国際秩序が不安定化するたびに、金価格は上昇傾向を示すことが多くあります。。

今後も、国際社会の緊張が続けば、金は「安全な避難先」として注目され続けるでしょう。

5-5 現物と金融の両面で影響する需給バランス

金の価格は、供給と需要のバランスによって大きく動きます。実物としての供給量と、金融市場を通じた投資需要の両面を見る必要があります。

まず、供給の面では、鉱山からの新規生産とリサイクルによる再供給が主な源です。金の鉱山生産は、資源の枯渇や環境規制、生産コストの上昇などにより、長期的には伸び悩む傾向にあります。加えて、リサイクル供給は市況に左右されやすく、価格が高いときに一時的に増える傾向があるものの、安定的な供給源とはいえません。

一方、需要側で近年存在感を増しているのが、金ETFを通じた投資マネーの流入・流出です。金ETFは、投資家からの資金流入に応じて裏付けとなる実物の金を購入・保管する仕組みのため、ETFの残高が増えるほど実需の圧力が高まり、価格上昇につながりやすくなります。反対に、資金が流出すれば、保有する金の売却が進み、価格の下押し要因にもなります。

このように、金の価格は鉱山やリサイクルといった供給の実態と、金融商品としての需要が複雑に絡み合って形成されています。供給が限定される一方で投資需要が高まれば、価格には中長期的な上昇圧力がかかることが予想されます。

5-6 将来的な価格形成の見通しと識者の価格予想

今後の金価格は、「高インフレの継続」「金融不安の再発」「地政学リスクの長期化」といった要因が続く限り、中長期的に底堅く推移する可能性が高いと見られています。

一時的な調整はあり得るものの、各国の中央銀行による実物保有の増加、通貨不安へのヘッジ手段としてのニーズの拡大により、金は引き続き「守りの資産」としての存在感を保つでしょう。

なお、日本貴金属マーケット協会代表理事の池水雄一氏はゴールドの価格について、「ゴールドの価格は永遠に上がると考えている。『ここまで』というリミットはなく、人間社会が続く限り上がっていく」「20230年には1トオロイオンス(約31g)あたり5000ドル(=1gあたり24000円)近くになる」と予想しています。

6.ゴールド投資「7つの入り口」と始め方

出典:GOLDPARK

金(ゴールド)に投資するといっても、その手段はひとつではありません。現物の購入から証券口座を使った商品、近年注目される仮想通貨まで、多様な選択肢が存在します。

自分の目的やライフスタイルに合った方法を選ぶことで、無理なく、効率よく金投資を始めることができます。

ここでは、ゴールド投資の「7つの入り口」と、それぞれの始め方について解説します。なお、初心者には難易度とリスクが高いため、CFD取引と金先物取引については簡単な紹介にとどめます。

6-1 地金(インゴット)・コイン

物理的な金である金塊や金貨を購入し、自己保管または安全な金庫で管理する直接的な投資方法です。

重量は1gから1kg以上まで様々。価格はスポット価格(国際市場の現在の金価格)に加工費やプレミアムが加算されます。長期的な資産保全やインフレヘッジに適しており、物理的に所有できる安心感を得られるでしょう。

6-1-1 地金(インゴット)・コインの買い方

田中貴金属や三菱マテリアルなど信頼できる貴金属商の店舗やオンラインショップで購入できます。

購入前に証明書(アッセイカード)や刻印を確認し、重量と純度をチェック。保管は自宅の安全な場所または銀行の貸金庫を利用。売却時は貴金属商やリサイクル業者に持ち込みます。

6-2 純金積立

純金積立は、毎月一定額を金に投資し、少しずつ金を購入していく積立型の投資方法です。

まとまった資金がなくとも1000円~など小額から始められるのが特徴。金価格の変動を平均化し、少額からコツコツ積み立てることでリスクを分散できます。

購入した金は利用した業者にて管理され、一定量以上購入したら自宅に配送してもらい現物を受け取ることもできます。その際は、配送手数料が発生します。

6-2-1 純金積立の始め方

SBI証券や楽天証券などの証券会社、田中貴金属や三菱マテリアルなどの貴金属商で純金積立サービスの利用を申し込みます。それぞれ手数料や最小引出単位などが異なります。

ネット証券は買付手数料が安く、スプレッドが狭い傾向があるものの、現物の引き出し手数料が高く設定されています。一方、貴金属商は前者が割高で後者が安く設定されています。

coindogのおすすめは、買付手数料・スプレッドともに最安帯でコストを最小限に抑えられ、かつ100g~引き出せるハードルの低さが魅力の楽天証券です。

6-3 投資信託・ETF

投資信託は、投資家から集めた資金を専門家が運用し、金価格に連動する商品(例:金ETFを組み込んだファンドや金鉱株など)に投資する仕組み。物理的な金を保有せず、間接的に金価格の変動メリットを得られます。運用会社が信託報酬を徴収します。

ただし、現物の金に投資するわけではないため、必ずしも金価格に連動しない点には注意が必要です。また、金鉱株の比率が高いファンドではハイリスクハイリターンになりやすいことも覚えおきましょう。

ETFは、株式市場で取引される投資信託の一種で、金の現物価格に連動します。物理的な金を裏付け資産として持ち、リアルタイムで取引可能。信託報酬は投資信託より低く、コスト面で最もおすすめできる投資方法です。

6-3-1 投資信託・ETFの買い方

投資信託やETFを購入するには、証券口座が必要です。証券会社で口座開設の手続きを済ませたら買付注文を行います。

おすすめ銘柄は、金ETFのなかでも世界最大の純資産総額を誇る「SPDRゴールド・シェア(東証コード:1326)」です。

なお、新NISAの「成長投資枠」では金関連ETFに投資可能です。NISAでは上限はあるものの投資で得られた利益が非課税になるため、積極的に活用したいところです。SBI証券楽天証券などでNISA口座を開くとよいでしょう。

新NISA徹底ガイド|ビットコイン(BTC)投資家のための活用戦略も

6-4 金鉱株投資

金鉱株投資は、金を採掘・生産する企業の株式への投資を指します。金価格の上昇や企業の業績に連動して価値が変動します。

金価格に連れ高する場合、金自体の上昇率よりも大きく上昇する局面も多いです。反対に、金に連れ安する場合はより大きく下げることも。金の現物への投資よりもハイリスクハイリターンになりやすいため注意です。

また、金そのもののみならず、企業の収益や生産能力に依存するため、金価格以外にも影響を受けます。

6-4-1 金鉱株投資の始め方

株式の購入は、投資信託やETFと同様に証券口座が必要なため、まだ口座を持っていない人は口座開設の手続きをする必要があります。口座を開いたら購入したい銘柄の買い付けを行います。

国内の代表的な金鉱株は「住友金属鉱山(5713)」が挙げられます。ただし、同社は一般的には金鉱株とみなされているものの、金の採掘事業による収益の事業全体に占める割合は微々たるものです。そのため、純粋な金鉱株とは言えず、金価格との相関は低いです。

6-5 金価格に連動する仮想通貨

金の価格に連動する仮想通貨(ステーブルコイン)もあり、ジパングコイン(ZPG)やKinka Coin(XNK)などが挙げられます。国内仮想通貨取引所では、三井物産の100%子会社が発行するZPGが取扱われています。

売買手数料や保管手数料がかからず、取引時のコストはスプレッドのみ。金の現物は最小買付単位が1g~(約17000円~)ですが、ZPGは1円単位から買い付けでき参入障壁を極限まで下げることができる点で優位性があります。

また、通常の金は金利が付きませんが、ジパングコインは仮想通貨取引所のレンディングサービスを活用することで金利を得ることができる点で画期的です。

ZPGの仕組みや特徴、買い方については「8.金(ゴールド)と仮想通貨のハイブリッド『ジパングコイン』とは」で詳しく解説します。

6-6 CFD取引

CFD取引(差金決済取引)は、金を実際に保有せずにその価格変動を利用して利益を狙うデリバティブ取引の一種です。

金の上昇局面だけでなく、「ショート(空売り)」により価格の下落時にも利益を狙えます。また、レバレッジをかけて少額の証拠金で大きな額の金額を動かすことができます。例えば10倍のレバレッジなら1万円で10万円分の取引が可能。

現物取引と比較すると資金管理が難しいうえ、ハイリスクハイリターンなため中上級者向けです。

6-7 金先物取引

金先物取引は、将来の特定の日(満期日)に金を特定の価格で売買する契約を現時点で結ぶ取引。金の将来価格を予測し、契約を結んで満期時に現物を受け渡すか、差金決済で清算します。

中・長期投資やヘッジに適しますが、契約サイズが大きく、初心者にはハードルが高いです。また、レバレッジを使うため、リスク管理と知識が必須です。CFD取引と同じく中上級者向けです。

7.金(ゴールド)投資の注意点

金(ゴールド)投資は、資産保全やインフレヘッジに有効ですが、注意すべき点がいくつかあります。

注意点を理解することで、リスクを抑えつつ金の魅力を最大限に活かした投資が可能になります。以下、具体的に見ていきます。

7-1 手数料とコスト

金投資には、購入や売却、保管に関連するさまざまな手数料とコストが発生します。

金地金や金貨を購入する場合、販売店やディーラーによって手数料(スプレッド)が加算されます。例えば、金地金の購入価格と売却価格には差があり、このスプレッドは通常3~5%程度ですが、販売店によっては10%を超える場合もあります。

また、金ETFや金投資信託では、信託報酬(年間0.1~1%程度)や売買手数料が発生します。これらのコストは投資リターンを圧迫するため、事前に複数の販売店や商品の手数料を比較し、トータルコストを把握することが重要です。

オンラインの取引所では手数料が低い場合もありますが、スプレッドや隠れたコスト(送料や保険料)にも注意が必要です。

7-2 金地金は買い付け時に消費税10%

金地金を購入する際、日本では「物品」として扱われるため、消費税10%が課されます。例えば、金1gの価格が17000円の時に1g買った場合は消費税として1700円が追加され、支払金額の合計は18800円となります。

ただし、売却時には消費税が課されないだけでなく、10%分が還付されます。たとえば、金1gの価格が17000円のときに買い、評価額が20000円になった時に売ろうとすると、2000円分が上乗せされ22000円で売れるのです。

また、仮に売却時の消費税率が購入時よりも上がっている場合は、上がった分だけ得をすることとなります。

日本は財政がひっ迫しており、消費税引き上げの議論が今後も続く見通しです。いまのうちに金地金を購入しておけば、消費税引き上げの恩恵に与れる可能性もあります。

7-3 偽造品や詐欺のリスク

金地金や金貨の購入では、偽造品が市場に出回るリスクがありますが、素人では判別が難しいです。信頼できる販売店(例:田中貴金属、三菱マテリアルなど)を選び、鑑定証明書を確認することが重要です。

個人間取引や非公式のプラットフォームは偽造リスクが高いため避けましょう。高リターンを謳う詐欺的な投資話にも注意が必要です。

2022年には金投資詐欺で数億円の被害が報告されました。販売元の信頼性や取引実績を確認し、怪しい勧誘には応じないでください。

7-4 保管リスク(金地金の場合)

金地金の物理的保有では、盗難や紛失のリスクがあります。自宅で厳重に保管するには金庫に入れたり、保険に加入したりすることも選択肢に入るでしょう。

また、自然災害もリスクとなります。銀行の貸金庫や販売店の預かりサービスの利用も考えられますが、アクセスや破綻リスク、コストを考慮する必要があります。コストと安全性のバランスを慎重に判断しましょう。

7-5 為替リスク

金価格は米ドル建てのため、為替変動が円建てリターンに影響します。2020~2025年の円安で金価格は上昇傾向でしたが、今後、円高局面となれば下落リスクがあります。

円建て金ETFやジパングコイン、為替ヘッジ商品、長期保有によってリスクを軽減できるでしょう。

8.金(ゴールド)と仮想通貨のハイブリッド「ジパングコイン」とは

出典:ジパングコイン公式サイト

ジパングコイン(ZPG)は、金の価値と仮想通貨の利便性を融合させた日本発のステーブルコインです。三井物産の子会社である三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が発行しています。

ジパングコインは、1ZPGが概ね金1gの価格となるように設計されています。伝統的な金投資の安定性と、ブロックチェーン技術による高い利便性・堅牢なセキュリティとを兼ね備え、日本初の商品担保型ステーブルコインとして認可されました。

同社はジパングコインを「デジタル化による利便性と小口化を実現した国内初のデジタルゴールドといえる暗号資産」と呼んでいます。ZPGは、インフレヘッジや資産保全を目指す投資家にとって、新たな選択肢として注目されています。

8-1 ジパングコイン(ZPG)の6つの特徴

ジパングコイン(ZPG)の特徴は、以下の6点です。

8-1-1 金価格との連動

金価格との連動については先述した通りで、1ZPG=1gのため、執筆時点で1g=約17000円。1ZPGの価格も概ね同じ価格で推移しています。

8-1-2 レンディングで金利が得られる

ジパングコインは一部の仮想通貨取引所が提供するレンディングサービスで預けることで金利収入が得られます。

「3-2 金(ゴールド)投資のデメリット」にて、金は金利が付かない点をデメリットとして紹介しましたが、この弱点を補うスキームという意味でも、ジパングコインは注目されているのです。

ZPGのレンディングサービスを提供する取引所については、「8-2 ジパングコイン(ZPG)の取引におすすめの仮想通貨取引所」で紹介しています。

8-1-3 独自ブロックチェーン「miyabi」を活用

出典:miyabi公式サイト

ジパングコインの基盤となるブロックチェーンは、bitFlyer Blockchain社が開発する独自ブロックチェーン「miyabi」です。

miyabiは、毎秒4000件という高速なトランザクション処理と、高いセキュリティ性能を両立するプライベートブロックチェーン。パブリックブロックチェーンとは異なり、中央管理者を置くことにより信頼性と処理速度を高めています。

8-1-4 1円単位の小口投資が可能

ジパングコインの利便性の最たるは、1円単位の小口投資が可能な点でしょう。

田中貴金属や三菱マテリアルなどの地金商で現物を購入する際の最低購入単位は1gや5gのケースが多いです。金価格が大幅に上昇している昨今、最低購入単位ですら購入のハードルが高くなっています。

ZPGであれば、現物の金よりもはるかに小額から投資を始めることができます。

8-1-5 高い信頼性

出典:ジパングコイン公式サイト

発行元の三井物産デジタルコモディティーズは、三井物産の100%子会社。東証プライムに上場する総合商社の支援を受けているため経営基盤は盤石と言えます。

金融庁の厳しい審査を通過している点でも高い信頼性を有していると言えるでしょう。

また万一、発行元が破綻した場合でも、三井物産傘下の暗号資産交換業者であるデジタルアセットマーケッツ(DAMS)に対して、ZPGの時価相当額が支払われる銀行保証があります。保証金はDAMSからZPGの全保有者に支払われるため、発行元の破綻により資産を失うリスクは軽減されています。

8-1-6 将来的に現物と交換可能に

現状ではZPGを保有していても金の現物と交換することはできませんが、将来的に交換可能にする予定だといいます。

実現すれば、極めて低コストで間接的に金を積み立てつつ、いずれ現物を手に入れることができるようになります。

8-2 ジパングコイン(ZPG)取引はSBI VCトレードかコイントレードで

ジパングコインは複数の国内仮想通貨取引所に上場しています。

中でも、おすすめはSBI VCトレードとコイントレードです。

8-2-1 レンディングで金利収入が得られるSBI VCトレード

SBIホールディングス傘下のSBI VCトレードは、ZPGのレンディングサービスを提供する希有な取引所。ゴールドへの間接投資で金利がつくスキームを国内で初めて提供開始しました。

利息は高くないものの、運用して複利で少しずつZPGを増やしていける点で、他の取引所に対して優位性があります。

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仮想通貨取引所SBI VCトレードとは|ステーキングなど資産運用サービスに強み

8-2-2 金・銀・プラチナに投資できるコイントレード

東証プライム上場セレスの傘下企業が運営するコイントレードは、金・銀・プラチナに連動する全3種のジパングコインを取扱っています。

3種の代表的な貴金属投資へのアクセスが得られる強みがあります。なお、この3種はレンディングサービスにも対応。

さらに、コイントレードはポイ活サービス大手「モッピー」で貯めたポイントを取り扱う全ての仮想通貨と無料で交換することができます。つまり、実質無料で3種の貴金属への投資が可能ということです。

コイントレードの無料口座開設はこちら

仮想通貨取引所コイントレードとは|モッピー連携やステーキングサービスに強み

9.まとめ:時代を超えて選ばれる資産、金(ゴールド)を賢くいかす

金(ゴールド)は、戦争や経済危機、インフレといった混乱の時代を何度も乗り越え、価値を守り続けてきた実物資産です。国家や通貨の枠にとらわれず、長期的に安定した価値を持つことから、「資産の避難先」として今も世界中の投資家に選ばれています。

一方で、金には利息がつかず、保管コストもかかるという弱点もあるため、その特性を理解し、自分の資産戦略にどう組み込むかが重要です。最近では、金の価値を裏付けとした仮想通貨「ジパングコイン」のような新たな投資手段も登場しており、より柔軟な運用が可能になってきています。

大切なのは、金を単なる「守りの資産」として保有するだけでなく、時代に応じた形で賢く活用していくこと。変化の激しい現代だからこそ、普遍的な価値を持つ金を味方にした資産形成が、将来への安心につながるはずです。

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参考①:亀井幸一郎著:『今こそ「金(ゴールド)」』

参考②:池水雄一・大橋ひろこ共著:『今こそ、ゴールド投資』

参考③:ジパングコイン公式サイト

coindog編集長
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り

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