仮想通貨取引所CoinBestに行政処分

金融庁は14日、国内暗号資産(仮想通貨)交換業者であるCoinBest株式会社に行政処分を行ったことを発表した。

経営管理態勢・内部管理態勢・マネロン・テロ資金供与リスク管理態勢などについて重大な問題が認められたため、半年間のIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)業務の停止および、各種管理体制の改善命令を発出した。

処分内容

同社への行政処分は、業務停止命令と業務改善命令とに分けられる。

前者の内容は、2024年6月14日から12月13日までの間、IEO業務を停止することを命じた

IEOとは、仮想通貨交換業者が、仮想通貨の発行体に代わってトークンの販売を行うこと。一般的に金融庁に認可された交換業者による審査を経るため発行体及びトークンの信頼性が担保されやすいメリットがある。

後者は、管理体制に重大な問題が認められた以下の事項に対するものだ。

  1. 経営管理態勢
  2. 内部管理態勢(含む新規仮想通貨の販売態勢:IEO)
  3. 内部監査態勢
  4. マネロン・テロ資金供与リスク管理態勢

IEO業務など新規仮想通貨の取扱い体制の整備・人材確保を含めた各種管理体制の改善・強化を促したうえで、7月16日までに業務改善計画を提出および、実施完了までの間、3か月毎の進捗・実施状況の報告を義務づけた。

処分理由

今回のCoinBestへの行政処分は、関東財務局による立入検査および同社からの報告により、上記4つの管理体制に重大な問題が認められたことによるものだ。

経営管理体制について、同社はIEO業務において早期実現による収益獲得を優先し、経営上優先されるべきIEO参入や取締役の利益相反取引、内部管理責任者などの選任についての取締役会への付議、経営資源の配分や経営上のリスクに関する議論を行わなかった。

さらにその上で、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)への新規仮想通貨の販売に関する審査の申請を承認しており、取締役会は形骸化していたという。

また、内部管理・監査体制については、担当役員等が相次いで退職・休職したことにより、IEO審査担当役員やマネロン・テロ資金供与対策の統括管理者が不在となる中でIEOを実施しようとしていたほか、業務開始以降、規則に則った内部監査やマネロン・テロ資金供与やなりすましの疑いのある取引についての適切なモニタリングが実施されていないと指摘されている。

さらに、本来IEOにおいて、交換業者は発行体および事業内容を審査する立場にあるにもかかわらず、発行体と一体となってIEOに関するJVCEAへの審査の申請を行っており、退職した役員を担当役員とした事実と異なる記載をして申請を行うといった不適切な実態が認められたという。

IEO業務を適正かつ確実に遂行するための内部管理態勢に「著しい不備が認められる」とした。

IEOは頓挫

CoinBestは仮想通貨交換業の他、法人向けのマイニング代行事業などを手掛ける企業。

同社は2023年3月、DART’s株式会社が発行するDARトークンのIEO実施に向けた取り組みについて発表していた。

しかし、DART’s社は「関東財務局によるCoinBestの業務監査が見通せない不測の事態を受け、海外取引所にてIEOを実施」する旨の発表があり、実際に海外取引所で同トークンが上場したため、CoinBestでのIEOは頓挫した経緯がある。

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参考:金融庁

coindog編集長
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り

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