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大手DEX「Uniswap(ユニスワップ)」を使いこなす
Uniswap(ユニスワップ)は、中央管理者を介さずに暗号資産(仮想通貨)を取引できる「分散型取引所(DEX)」の代表格です。
口座開設は不要ですが、ウォレットの接続やガス代(ネットワーク手数料)の仕組みなど、使いこなすにはある程度の知識が求められます。
本記事では、これからDeFi(分散型金融)やDEXに触れてみたい初心者の方に向けて、まずUniswapの基本的な仕組みや特徴を解説して理解を深めていただいた上で、始める前の準備や実際の使い方を解説します。
- Uniswap(ユニスワップ)とは
- Uniswap(ユニスワップ)の独自トークン「UNI」とは
- Uniswap(ユニスワップ)の5つの特徴
- 3-1 AMM型のDEX
- 3-2 独自トークンUNIを活用
- 3-3 イーサリアム独自L2「Unichain」とのシナジー
- 3-4 多数のブロックチェーンに対応
- 3-5 取引高・ユーザー数ともに全DEXで最多水準
- Uniswap(ユニスワップ)の始め方
- Uniswap(ユニスワップ)の使い方
- 5-1 ウォレット連携のやり方
- 5-2 スワップ(仮想通貨の交換)のやり方
- 5-3 流動性マイニングのやり方
- Uniswap(ユニスワップ)の将来性
- Uniswap(ユニスワップ)のリスク
- まとめ:進化を続けるDEX「Uniswap(ユニスワップ)」の現在地とこれから
目次
DEXを含めたDeFiプロトコルを利用するなら、親和性の高いSBI VCトレードでの仮想通貨購入がおすすめです。
国内で唯一メジャーなステーブルコインの「USDC」を取扱うほか、口座開設者はDeFi市場の詳細な分析が特徴のWeb3リサーチメディア「HashHubリサーチ」の記事を無料で読める特典もあります。
1.Uniswap(ユニスワップ)とは

Uniswapは、ブロックチェーン上で動作する分散型取引所(DEX:Decentralized Exchange)のひとつ。中央管理者を介さずに仮想通貨の交換(スワップ)を可能にするサービスです。
2018年にイーサリアム(ETH)上でローンチされ、現在では取引高・ユーザー数ともにDEXのなかで最大規模を誇ります。

従来の仮想通貨取引所は、取引所がユーザーの資産を管理し、売買注文をマッチングする中央集権型(CEX:Centralized Exchange)が主流でした。一方Uniswapは、ユーザー自身のウォレットを接続し、スマートコントラクトによって直接取引を行う非中央集権型で、より透明性と自由度の高い取引が可能です。
また、Uniswapでは「AMM(自動マーケットメイカー)」という仕組みを採用しており、取引相手がいなくてもスムーズに仮想通貨を交換できるほか、独自トークン「UNI」を活用したエコシステムが展開されています。
今やDeFiの中核を担うプロジェクトのひとつとして、Uniswapは世界中の投資家・開発者から注目されています。
2.Uniswap(ユニスワップ)の独自トークン「UNI」とは

Uniswapの独自トークン「UNI」は、Uniswapのガバナンストークンとして2020年9月に発行されました。
執筆時点で価格は約10.6ドル、仮想通貨の全銘柄の中で時価総額は23位と上位に位置しています。

UNIの保有者は、Uniswapの手数料の分配方法など将来的な開発・運営方針に対する投票権を得ることができ、プロジェクトの運営にユーザー自身が関与できる仕組みとなっています。
Uniswapは中央管理者のいない分散型取引所であるため、意思決定はこのUNIトークンを通じて行われる「コミュニティ主導のガバナンス」が基本です。トークンを多く保有しているほど、提案や投票において影響力が大きくなります。
また、UNIはUniswapの「流動性マイニング」というサービスのリワード(報酬)としても活用されています。同サービスは、プラットフォーム内に用意された「プール」に2種類の仮想通貨を預け入れることで、流動性を提供したユーザーに報酬として預け入れた仮想通貨に加えてUNIを付与するというもの。
UNIは、Uniswapの流動性確保のためのインセンティブとしても機能しているのです。
3.Uniswap(ユニスワップ)の5つの特徴

この章では、Uniswapを理解するうえで欠かせない基本的な特徴や仕組みについて、全体像がつかめるように整理して紹介します。
3-1 AMM型のDEX
Uniswapは、オーダーブック(板情報)を使わず、「AMM(自動マーケットメイカー)」という仕組みを採用したDEXです。
ユーザーは取引相手を必要とせず、プールされた資産との交換によって取引を成立させます。価格は数式に基づき自動で変動し、シンプルかつスピーディな取引が可能です。
誰でも簡単に流動性を提供し、トークンの付与という形でプラットフォーム内で発生した取引手数料を報酬として得ることができるのも特徴のひとつです。
3-2 独自トークンUNIを活用
Uniswapでは、ガバナンストークン「UNI」を発行しており、保有者はプロトコルの運営方針やアップデートに対する投票に参加できます。
ガバナンスを通じてプロジェクトに参加できる点は、分散型の理念を体現しています。
また、Uniswapの「流動性マイニング」というサービスでは、仮想通貨を預け入れて流動性を提供することで、報酬としてUNIが付与されます。
3-3 イーサリアム独自L2「Unichain」とのシナジー

Uniswapの開発を主導する企業Uniswap Labsは、2025年5月に独自ブロックチェーン「Unichain」のメインネットをローンチしました。
Unichainはイーサリアムのレイヤー2(L2)として、イーサリアムが抱えるガス代高騰やトランザクション処理の遅延といった課題の解決、およびDeFiの発展を目指し開発されておりUniswapの運営に最適化された構造となっています。
Unichainは同じくイーサリアムのL2プロジェクト「Optimism」のSuperchain(スーパーチェーン)の一部となります。スーパーチェーンは、イーサリアムの性能を拡張させるために構想されたもので、コインベースの「Base」や、OKXの「X Layer」、Synthetixの「SNAXchain」などが参加しています。
同チェーンではUniswapはもちろん、ステーブルコイン「USDC」、リキッドステーキングプロトコル「Lido」など100以上のプロダクトが構築されています。
3-4 多数のブロックチェーンに対応
Uniswapは当初イーサリアム上で始まりましたが、現在ではポリゴン(POL)、アービトラム(ARB)、オプティミズム(OP)、Base、BNB Chain(BNB)など、10を超えるチェーンに対応しています。
これにより、ユーザーはそれぞれのネットワークの特性(ガス代や速度)に応じて取引先を柔軟に選ぶことができます。
マルチチェーン展開により、Uniswapは多様なユーザー層に対応可能なグローバルなDEXへと進化しています。
We live in a multichain world ✨
That’s why we support 12+ networks across Uniswap Web and Wallet
What chains should we add next? pic.twitter.com/YiZXxWAVi2
— Uniswap Labs 🦄 (@Uniswap) December 23, 2024
3-5 取引高・ユーザー数ともに全DEXで最多水準
Uniswapは、取引高・ユーザー数ともに最高水準の老舗のDEXです。
スマートコントラクトを搭載したブロックチェーンの本流であるイーサリアムを基盤とするほか、取扱銘柄は主要なステーブルコインからマイナーな銘柄まで幅広くサポートすることから、DEXを利用する多くのユーザーの玄関口となっています。
取引の透明性や自由度が高く、ボラティリティの高いトークンを早期に取扱える点も評価されています。
4.Uniswap(ユニスワップ)の始め方

Uniswapを使い始めるには、いくつか準備しておくことがあります。
この章では、必要な準備を順を追って紹介していきます。
4-1 取引所で口座開設し暗号資産を購入
Uniswapで仮想通貨の取引をするには、事前に仮想通貨を保有している必要があります。購入するためには、まず取引所で口座開設をしましょう。
このとき注意したいのですが、購入した後に送金を行う必要があるため、送金手数料が高い取引所だと損失が大きくなってしまいます。そのため、なるべく以下のような送金手数料無料の取引所を選ぶことをおすすめします。
なかでも、SBI VCトレードは国内で唯一USDCを取扱うほか、DeFi市場を中心とした詳細なレポートを配信するリサーチメディア「HashHub Research」の記事を無料で読める明確な強みがあります。
UniswapはEVM(イーサリアム仮想マシン)互換チェーンに対応するDEXのため、取引できるのはETHやUSDCなど「ERC-20」規格の仮想通貨に限られます。
USDCは米ドルに価格が連動するため、通常の仮想通貨と比較してボラティリティが小さく初心者がリスクを抑えてDeFiを利用する際におすすめできます。
4-2 MetaMaskやLedgerなどのプライベートウォレットを用意
取引所で仮想通貨を購入したら、仮想通貨を自身で管理するためのツールである「プライベートウォレット」に送金する必要があります。大まかな流れは以下の通りです。
- ウォレットをインストール
- ウォレットを起動し初期設定を行う
- ウォレットのアドレスを取得する
以下の記事では、代表的なプライベートウォレットであるMetaMask(メタマスク)およびLedger(レジャー)のインストール、初期設定、操作方法を図解していますので参考にしてください。
なお、各記事では操作時の注意点を解説していますので、資産を失うことのないように必ず確認しておきましょう。
4-3 仮想通貨取引所からウォレットに仮想通貨を送金
ウォレットのインストールおよび初期設定を行いアドレスを取得できたら、仮想通貨取引所からウォレットに仮想通貨を送金します。
以下の記事では、仮想通貨の送金時の注意点や、SBI VCトレードで実際に送金を行う方法をわかりやすく図解していますので是非ご覧ください。
5.Uniswap(ユニスワップ)の使い方

メタマスクなどのウォレットに仮想通貨を入金し準備が整ったら、実際にUniswapを使ってみましょう。
ここでは、各種操作の前に必要なUniswapにウォレットを連携する方法、および代表的な機能である「スワップ(仮想通貨の交換)」と「流動性マイニング」の操作手順をわかりやすく図解していきます。
5-1 ウォレット連携のやり方
まずはUniswapの公式サイトにアクセスし、画面右上の「接続」をクリックします。すると、接続可能なウォレットが表示されます。

「その他のウォレット」をクリックするとMetaMaskやTrust Walletなどメジャーなウォレットも含めて表示されるため、自身が利用するウォレットを選択しましょう。

選択した後は、ウォレットのパスワードを入力し「接続」などのボタンをクリックすれば連携完了。これで、Uniswapの各種機能を使う準備ができました。
5-2 スワップ(仮想通貨の交換)のやり方
仮想通貨のスワップ(交換)の操作手順を紹介します。
自身が保有する仮想通貨を選択し(画像①)、「トークンを選択」をクリックし(画像②)、交換したい仮想通貨を選択します。

保有する仮想通貨の交換したい数量を入力すると(画像①)、その時の相場に応じて自動的に交換可能な数量が表示されます(画像②)。
下の画像では、自身がMetaMask上で保有する0.001ETHを、Uniswapにプールされている0.35666UNI(Uniswapの独自トークン)と交換することを意味します。

問題がなければ「レビュー」をクリックします。すると、下の画像のような確認画面が表示されるので、ガス代(ネットワーク手数料)などを確認し、「スワップ」をクリックします。

その後、自動的に自身が接続したウォレットが立ち上がり、取引内容の確認を求められます。この時、「ネットワーク手数料」の右側のアイコン(画像①)をクリックすると、ガス代の選択画面に遷移します。

ガス代のオプションが3種類提示されます。支払うガス代が高いほどトランザクションが早く処理されます。
相場の急変時など急ぎでないならば初心者はガス代の低いオプションを選択すると良いでしょう。

ガス代を選択したら、先ほどの画面に戻り「確認」(画像②)をクリック。これでスワップの操作は完了です。
ネットワーク上でトランザクションの処理が行われればスワップが行われ、自身のウォレット上に反映されます。
5-3 流動性マイニングのやり方
続いて、仮想通貨をプールに預けることで利回り収入を得ることができる「流動性マイニング」の操作手順を紹介します。
画面上部の「プール」(画像①)をクリックした後、「新しいポジション」(画像②)をクリックします。

以下のような画面が表示されるので、まず利用するUniswapのバージョンをプルダウンの選択肢からクリック。以下の画像では、最新版の「v4」を選択しています(画像①)。
なお、v4は従来のバージョンと比較してガス代が安くUIが一部改善されているためおすすめです。
次に、流動性を提供したい通貨のペアを選択します(画像②)。Uniswapに限らず、DEXの流動性マイニングでは2種類の通貨を預け入れる必要があります。
ちなみに、以下の画像②の赤枠部下にある「フック」とは、プール・手数料・流動性ポジションなどをカスタマイズできるプラグインのことで、Uniswapの最新バージョン「v4」にて導入された新機能です。今回は使用せずに預け入れをを行います。

続いて、4種類の手数料率から希望するものを選択します(画像①)。ここで選択する手数料は、自身が支払うものではありません。当該プールにて他のユーザーが取引して発生した手数料のうち、自身に報酬として還元される手数料割合を指します。
高い手数料を選択した方が、一回の取引からより多くの報酬が得られますが、ユーザーに利用されにくくなります。通貨ペアごとに推奨される手数料がデフォルトで選択されているため、初心者は初期設定のままでも良いでしょう。
選択したら、「続行」をクリックします(画像②)。

次に、価格範囲を設定します(画像①)。ここで指定した価格範囲内の取引が行われた場合に、手数料報酬が発生する仕組みです。
まず全範囲を指定する「フル範囲」か、任意の範囲を指定できる「カスタム範囲」のどちらかを選択します。
範囲が広ければ広いほど幅広い相場に対応できるようになりますが、その分手数料報酬は減少します。反対に、範囲を狭くすればより多くの報酬を獲得できるチャンスがありますが、指定した範囲外の取引では全く報酬が発生しないため適切に範囲指定する必要があります。これらの点を考慮して設定しましょう。
例えば以下の画像では、「ETH/UNI」のプールにて、カスタム範囲を選択した上で、1ETHあたりのUNIの枚数が229.45988~500.54085枚のときに流動性を提供するように指定しています(画像②)。

続いて、預け入れるトークンの数量をウォレットの残高の範囲内で入力します(画像①)。ペアのうちどちらか一方の数量を入力すると、もう片方は自動的に入力されます。
入力したら「レビュー」をクリック(画像②)。

内容の確認を求められるので、ネットワーク手数料なども含めて確認し問題なければ「作成」をクリック。

その後、連携済みのウォレットが自動的に立ち上がるので、「確認」などのボタンをクリックして取引を承認します。
なお、「5-2 スワップ(仮想通貨の交換)のやり方」でも解説しましたが、確認をクリックする前に「ネットワーク手数料」の右側のアイコンをクリックすると、処理速度とガス代の異なる3種類のオプションの中から選択できます(MetaMaskの場合)。
確認をクリック後は、ネットワーク上でトランザクションが承認されれば、預け入れが完了します。完了するとポジション画面に一覧が表示されます(画像①)。
なお、画面上部(画像②)には、あらかじめリワードが設定されたプールに流動性を提供した場合や、先述のフック機能を活用して報酬を設定した場合に付与されるUNIの枚数が表示されます。今回はリワードなしのプールのため、表示されていません。

ポジションをクリックすると、詳細な情報の表示や報酬の受け取りを行う画面に遷移します。
ポジションの右側に貯まった報酬額が表示されます(画像①)。上部の「手数料を回収」を都度クリックし(画像②)、立ち上がったウォレットで承認の操作をすれば報酬を受け取れます。
「手数料を回収」の横にある「流動性を追加」および「流動性を削除」をクリックするとそれぞれポジションの増額、減額ができます。

以上が、Uniswapにおける流動性マイニングの一連の手順です。
6.Uniswap(ユニスワップ)の将来性

Uniswapは分散型取引所の先駆者として進化を続けていますが、その将来性を見極めるには、技術革新や規制動向、競合環境、トークン設計など多角的な視点が欠かせません。
この章では、成長の可能性とリスクの両面から、Uniswapおよび独自トークンUNIの今後を展望します。
6-1 技術的な進化:Uniswap v4と新機能
Uniswapでは、2025年に「v4」という最新のバージョンが導入され、柔軟性と効率性が大幅に向上しました。
最大の特徴は「Hooks(フック)」機能により、流動性プールやスワップの挙動を自由にカスタマイズできる点です。これにより、動的手数料や自動運用、オンチェーンの指値注文など、革新的な取引機能の実装が可能となりました。
また、新アーキテクチャの採用とガス代(ネットワーク手数料)の削減技術により、取引の手数料負担も大幅に軽減されています。さらに、フックを活用したKYC対応プールの構築も視野に入り、規制対応力も高まりました。
今後は、これらの拡張性を活かした新たなサービスやユースケースの誕生が期待されており、Uniswapはより強力なDeFiプラットフォームへと進化を遂げようとしています。
Uniswap v4 is here🦄
Users can LP on v4 through the Uniswap web app and swapping is rolling out over the coming days on web and wallet as liquidity migrates to v4
Live on Ethereum, Polygon, Arbitrum, OP Mainnet, Base, BNB Chain, Blast, World Chain, Avalanche, and Zora Network pic.twitter.com/fXC9GHEsaL
— Uniswap Labs 🦄 (@Uniswap) January 31, 2025
6-2 規制動向とDeFiへの影響
米規制当局はUniswapに対して複数の動きを見せています。
2024年9月、CFTC(米国商品先物取引委員会)はUniswap Labsに対し、レバレッジ型トークン取引の提供について、17.5万ドルの罰金を科しました。一方、2025年2月には同国SECがUniswapに対する調査を終了し、提訴を見送っています。
この流れは、DeFiプロトコルにとって規制のグレーゾーンが依然存在する一方、Uniswapの非カストディアルな性質や問題に対処する姿勢などが一定の評価を受けたことを示しています。
ただし、今後SECや州当局による規制強化の可能性があり、DEXを含むDeFiプロトコルが法的にどう位置づけられるかは、今なお不透明です。
6-3 プロダクト開発とエコシステム拡大
Uniswapはプロトコルの進化に加え、関連プロダクトの開発にも注力しています。
注目は独自のL2チェーン「Unichain」で、取引の高速化やガス代削減を実現。将来的にはUNIトークンをステーキングすることで報酬が得られる設計が予定されており、トークンのユーティリティ拡充にもつながります。
さらに、複数チェーンを横断するシームレスなスワップ機能の導入や、公式ウォレット・UniswapXといった周辺サービスの拡充により、Uniswapは単なるDEXを超えた包括的なDeFiプラットフォームへと成長を遂げつつあります。

6-4 競合環境:シェア争いと差別化
Uniswapは依然としてDEX市場の中心的存在ですが、近年は新興DEXの台頭により市場シェアが低下傾向にあります。
一方で、Uniswapはv4の革新性やマルチチェーン展開、開発者によるフック活用などを通じて差別化を図っており、エコシステム全体の強みも健在です。
今後は、流動性維持とユーザー体験向上が鍵となり、競合との差別化をいかに継続できるかが将来性を左右する重要な要素となります。
6-5 DeFi市場全体の成長とUniswap
DeFi市場は急成長を続けており、2025年第2四半期のDEX(分散型取引所)取引高は約8,763億ドル、前期比25%増となり過去最高を記録しました。
これにより、DEXがCEX(中央集権取引所)に占める取引比率は約23~25%に達し、史上最大の水準となっています。
この傾向は、FTX破綻以降のCEXへの不信や手数料コストへの警戒感が重なった結果、「オンチェーン取引」へと資金が移動している証拠です。また、DEX取引の増加は、アクティブユーザーの拡大とともにDeFiの成熟を示しています。
中央集権取引所への依存度が低下する中、Uniswapには大きな成長機会があります。
6-6 UNIトークンのガバナンスとユーティリティの変化
ガバナンストークンとして2020年に導入されたUNIは、プロトコル変更への投票権を付与する形で分散的な意思決定を担っています。しかし現状では投票率の低迷や投票権集中が課題で、DAO運営(自立分散型組織)の効率や公平性が問われています。
また、Uniswapのv3(バージョン3)まではUNI自体に収益機能がないため、実需が乏しいという指摘も見られました。
しかし、2025年にローンチされたv4では、独自チェーンUnichain上でのUNIによるステーキング報酬導入など新たなユーティリティが検討されています。
さらに、「Fee Switch(手数料スイッチ)」の議論も継続中で、実現すればUNIホルダーに手数料収益の一部が還元され、ガバナンス参加を促す可能性があります。
7.Uniswap(ユニスワップ)のリスク
分散型取引所Uniswapは、その利便性と革新性から多くのユーザーに利用されていますが、安全に活用するには特有のリスクを正しく理解しておく必要があります。
この章では、Uniswapを使う際に知っておきたい注意点を整理します。
7-1 価格変動とスリッページ
UniswapはAMM(自動マーケットメイカー)方式を採用しており、取引時の価格はプール内の資産比率によって自動的に決定される仕組みになっています。
DeFi市場は価格変動が激しいため、注文時と約定時の価格に差(スリッページ)が出ることがあります。特に流動性の低いトークンで起こりやすく、意図しない価格で約定してしまうことも。
例えば、大口取引で想定以上に価格が変動し、割高・割安な取引になってしまうなどのリスクがあります。
7-2 詐欺トークンの存在
Uniswapでは誰でもトークンを発行してプールを作成できるため、スキャム(詐欺)トークンも多数存在します。トークン名やティッカーが本物と酷似していても、全くの偽物である可能性があります。
有名なプロジェクト名を騙る偽トークンを購入してしまい資金を失ってしまった事例などもあるため、注意が必要です。
7-3 ハッキングのリスク
Uniswapはブロックチェーンのスマートコントラクト上で動作しており、コードにバグや脆弱性があるとハッキングされるリスクがあります。
実際にUniswapの初期のバージョンにおいて脆弱性を突かれる形で資産が流出する事件が発生しています。
なお、v2(バージョン2)以降はプロトコル自体の脆弱性に起因するハッキングは起こっていないものの、偽のサイトに誘導されてウォレットを接続した際に資金を盗み取られるフィッシング被害などは報告されています。
7-4 価格操作のリスク
DEXではトレーダーの注文情報がブロックチェーンに公開されるため、「フロントランニング」が可能になります。
フロントランニングは、取引者が他のユーザーの未実行のトランザクションをブロックチェーン上で確認し、その情報を利用して自身の取引を優先的に実行することで利益を得る行為のこと。
取引情報を誰でも閲覧できるという透明性が悪用されることがあります。
7-5 規制の不確実性
Uniswapは非中央集権的で運営主体が曖昧なため、各国の規制当局からの圧力や規制強化の対象になる可能性があります。特にAML(マネーロンダリング対策)やKYC(本人確認)に関する懸念があります。
実際、開発を主導する企業Uniswap Labsは2024年4月、米国のSEC(証券取引委員会)より、未登録の証券取引所やブローカーとしての運営、あるいは未登録の証券の発行に関して訴訟を起こす可能性があると警告されました。
その後、仮想通貨に友好的なトランプ氏が大統領となり、同政権下のSECに変わってからはUniswapに対する調査を終了。法的措置を講じない方針を表明しています。
しかし、各国でDeFiやDEXに関する明確な法的枠組みが依然として確立されていないため、今後も規制のリスクが燻り続けるでしょう。
8.まとめ:進化を続けるDEX「Uniswap(ユニスワップ)」の現在地とこれから
UniswapはDEXの先駆者として、AMMモデルを用いた効率的な取引と、誰でも流動性を提供できる開かれた設計で急速に普及してきました。
独自トークンUNIの存在や、イーサリアムのレイヤー2として開発された「Unichain」をはじめとした技術革新により、利便性と拡張性を高め続けています。また、ユーザー主導のガバナンスや規制対応の柔軟性など、長期的な信頼性も備えています。
一方で、フィッシング詐欺や競合プロジェクトの台頭、規制の不確実性といったリスクにも注意を払う必要があります。
今後はv4や独自L2の進展、UNIのユーティリティ強化などを通じて、さらなる成長が期待されるUniswap。DeFiの中心的存在として、今後の動向にも注目が集まります。
参考:Uniswap公式サイト

仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り