投資の心得を語る
実業家の田端信太郎氏は2023年3月、国内大手暗号資産(仮想通貨)取引所bitFlyerの創業者で日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事を務める加納裕三氏と対談した動画を自身のYouTubeチャンネルにて公開した。
両者が投資の心得について語る中で、加納氏が「ビットコインの重要な事実」に言及する一幕もあった。
田端氏はLINE株式会社の上級執行役員や株式会社ZOZOの執行役員などを歴任。現在はビジネス系YouTuberやコンサルティング、マーケティングなどを手掛ける実業家として活動する。過去にはビットコインを保有していたことを明かしている。
両者の対談のテーマは以下の通り。
今回公開された動画は後編で「5.顧客保護と資産保全」から「7.売る側の意図を考える」までが収録されている。本記事では2人の対談での発言を書き起こした。対談の前編については以下の記事を参照されたい。
5.顧客保護と資産保全
田端氏:仮想通貨の業界はまずそれを区別するために何をやっている。実は僕もJIAAと言われてるその日本インタラクティブ広告協会、ネット広告の媒介者と広告代理店の業界団体の理事もやっていたので、最初ね僕って理事やらないとかやってとか言われたときに業界団体とか正直馬鹿にしてたんですよ。なんか上がったクゾジジイがあれでしょうみたいな。弁当食いながらちんたら暇つぶしに何かやってるんでしょうみたいなで。
インターネットは原則自由なのにさ、全部役所や法律で規制すべてしないといけなくなって、これがまためちゃくちゃトンチンカンなことになりまくるから結局誰もハッピーにならない。生徒会がない底辺校の不良しかいない学校みたいになっていて普通のまじめな生徒とかも安心して勉強できないみたいな世界になったりもするので業界団体って大事なんですよ。業界団体作って具体的に共通で決められているルールみたいなものあるんですか?顧客保護のために。
加納氏:そうですね、まずこれ正確に言うと業界団体とJVCEAがあります。個々のルールと法律、この二段階で正確にはもうちょっとレイヤーがあるんですけども、まず自主規制団体でフレキシブルにルールを作りましょうと。それは何でかというと、法律作ると時間かかりますし、大変な作業ですのでまず自分たちでルールを決めてその規律を守ってくれって言います。
そこで定義されている顧客保護というのと、法律で定義されている顧客保護がありますと。特に重要なのはもう法律で顧客資産を必ず1対1で保護する。だから顧客預かり資産を100万円もっていたら100万円を必ずその形で保存してくださいとうのが法律の要件なんですね。
少し話を戻すと、顧客保護というのは顧客の利益を保護しろとは言っていないんですよ。そこはおっしゃる通り自己責任で、儲かった損したはそれも自己責任ですと。そのルールに基づいて粛々と所有してくださいと。ただし、預かったものに関しては絶対に守ってくださいねとうのが顧客保護なんですよ。なので預かったものが法律で仮想通貨の場合は分別保管といわれて自分の自社の資産とは別に現金だったら信託銀行に預けますし。
田端氏:ちなみになんですけども僕今聞いていて素朴に思ったんですけど、いわゆる仮想通貨とかそういったトークンでもいい、そういうものを世界に信託銀行的なものはやっぱりあるんですか?
加納氏:ないです。
田端氏:そこは僕あってもよさそうなのになって今思っちゃいました。
加納氏:会社として信託っぽいことをしている会社はあるんだけども、結局法律が追い付いてるわけじゃないんですよ。結局法律がクリプトの信託銀行に預けた場合は、倒産したときは必ずそこから返してくださいという風な法律がない限りはやっぱり意味をなさない状態ですよ。
そうすると今の日本の法律だったりアメリカの法律ではそこは手当てされていないので、実は今苦肉の策でFTX Japanがですねどうなるかという話で、日本円の方は信託銀行で確実に保護されていますよ、クリプトの場合は別の扱いになっていて優先弁済を受ける権利みたいな定義があって言いますと。なのでここはもうクリプトの部分はですね、法的手当てをしてクリプトの信託みたいなものがあるとより強固な扱いになると。
田端氏:細かいとこで言うと、僕なんかずっと気になっているもので言うと、ビットコインとかに代用されるような仮想通貨のETFが出てこないのも、ちゃんとした信託のスキルがないとうことをコインの裏表の話なのかという気もちょっとしたんですけど。
加納氏:実はETFはですね、先物ETFというものが出ているんですよアメリカで。デリバティブでビットコインと同じ値動きをするように設計されたETFというのがありますと。おっしゃる通り現物ETFというものがあります。
田端氏:ETFってちょっとマニアックな部分で申し訳ないんですけどいわゆるETFではなくてETNの扱いになるんですか?厳密に言うと。
加納氏:違います。それはノートとファンドの違いなので中身は別にどっちでもいいです。中身がデリバティブであったとしても。
田端氏:それは相手方とカウンターパートのリスクをどこかが取っているということですよね。
加納氏:いや、それも関係ないと思います。ETFというのは、Exchange Traded Fundsなので取引所で取引されるファンドです。ETNはTraded Noteだと思うのでノートの形で発行されているものというのがその中身が現物であるかデリバティブかというのはあまり関係がないです。発行主体がファンドであるかノートであるかという違いだと思います、おそらく。ETNというのはあまりあれだってミディアムタームノートというのがおそらくよくある形式なんですけど、ETNというのはあまり聞かない。
田端氏:僕ので言うとよくありがちなのが、もう正直先物なのか現物なのかあまり区別してないんですけど商品のコモディティのETF的なものをやるときに一番シンプルにやると原油が本当に何バーレルとかあってそれと紐づけてといって現引きもできるみたいなシンプルな世界なんだけど。
そうは言ったって昔は原油がマイナスだったみたいな話で誰も実は現引きしたくねえよみたいなところの中で言うとじゃあって言って、間にそれこそゴールドマンみたいな会社がそのゴールドマンの信用力をもってよくあるじゃない、WTIどこそこと取引所決めて個々の値段と同じように値動きするETNだからこれでもうそういうことにしようよという風に決めてやってるコモディティのETF的なものって割といっぱいあって、それはそれでよくできた仕組みだなと思っていて、それに近い感じなんですか?
加納氏:そうです。まさに現物の場合は最終的に現引きできるので例えばその発行体、ETFを組成した会社がつぶれたとしても中身が取り出せる。最悪金のETFだったら金を貰って終わり。デリバティブのETFはおっしゃる通りカウンターパーティリスクというんですけども、例えばゴールドマンだと僕らスワップカウンターパーティというんですけどね、そのファンドなり「ビークル」というのがあるんですけどに対してスワップを提供しているんですよ。
経済的には同じような動き方をするようにスワップというものを設計してそれをここに入れているんですね。そうするとゴールドマンが倒産してしまうと、これはちょっと勝手な例えですけど倒産するとは言ってませんよ、倒産はしないんですけど仮にスワップカウンターパーティが倒産してしまうと、これの資産価格がなくなるということがちゃんと説明されています。
田端氏:あくまで本質的にはだから所有権なのか契約なのかみたいな、物への所有権なのかみたいな。
加納氏:法律面でいうと所有権って違う意味になってしまうので。
田端氏:また意味が違うのか、すいません何か言葉が。やっぱりプロだから。僕なんかはすごい投信の話で最近のNFTのガバナンストークンの話とかも何かいつもうーんとなっちゃうのは、一時期僕REITが好きで、REITがリーマンショックの後めちゃくちゃ割安だなと思って色々調べたら現物のビルよりもREITの方がすごいディスカントされているみたいなアナリティクスのレポートがあってなるほどと思って。
皆さん例えば三井不動産が出しているREITのね、日本ビルファンドというREITを買うことと三井不動産の株を買うことと豊洲のららぽーとの土地を直接買うこと、買えるとして買うこと、この差みたいなのを考えてほしいんですけどREITの仕組みってよくできてるなと思ったけど、最後これ何やとずっこけたのは、REITにTOBをかけてそれを東証に上場されているREITのある銘柄を100%例えば買い占めていたとするじゃないですか。
そもそも買い占められるのかなと思ったんですよ。ETFを買い占めるということも実際はそういうことできないじゃないですか。それでまた無限に発行されちゃうから。僕が思ってるのは現物不動産とREITの差に価格差があるんだったらREITを買い占めて昔の村上ファンド方式みたいなアクティビストみたいに俺が100%買ったんだからこの信託受益権があるこの六本木ヒルズの何階とかこれ俺のものやという風に株で言うと現引きできるのかなと。
加納氏:できると思いますよ。
田端氏:いや、REITはできないです。
加納氏:そうなんですか?
田端氏:僕それは調べたんですよ。そうしたら結局REITって投資信託なんですよ。普通の投資信託と一緒なんですよ突き詰めると。だから信託受益権でしかないから、いわゆるREITの運用会社ってあるじゃないですか、ビルの。REITをどれだけ買ったところでお前らはポンコツだからもうクビってできないんですよ。そういう意味で言うとそこに支配できないんですよ。
加納氏:一般的なちょっとマニアックですけど、ファンドというのはこれLPとGPの関係なんですけどLPが普通は大半の信託受益権なりたくさん買った場合にGPを交代する権利を持っているはずなんですよ。
田端氏:それはそのファンドに対してじゃないですかね?その何号ファンドみたいに。
加納氏:そのファンドの運営会社を交代する権利を持っているはずなので過半なのか3分の2みたいにやると、GPを自分自身にしてしまえば解散して中の資産取り出せば。
田端氏:それはたぶん普通の資本のファンドかもしれない。だとしたらそうなのかもしれないですけど。僕結構調べたんですけどREITの場合、それはできないという理解なんだけどな。間違ってる可能性もわからない、何%かはあるかもしれない。だから何が言いたかったかというと、結局それだと現物との間でのアービトラージって絶対保証されているのかなと思ったら最後の最後でそこでリンク切れているんだと思って。それでね、うーんと思ったみたいなところがあったりもして。
加納氏:確かに現物が取り出す指示を最終的に持っていないとするとリンクは切れちゃいますよ。
田端氏:そうなんですよ。何かそこで弱いなと思ったみたいな記憶があったりして。
6.安心できる会社を見抜くには
田端氏:NFTのガバナンスの話とかも、結局ガバナンストークンどれだけ作ったところで、クビにしたところで似たようなプロジェクトをやっている奴が別にまた同じく立ち上げたら意味なくねとか。とにかくまず悪人じゃない安心して付き合える会社を見抜くにはまず30社くらいの登録、そして分別管理、何が他に大事ですかね。
加納氏:一般的には大きい会社の方が。
田端氏:でもFTXって大きかったんじゃないんですか?
加納氏:登録取ってないですよね。登録取ってたと言えるのかな。アメリカの一部のライセンスは取っていたので確かに登録はアメリカのやっぱり法律が非常に運営保護に関しては脆弱だったので日本に関して言うと、日本に関して言うとやっぱり登録っているというのが最低条件で財務諸表も公開してますから安全で自己資本が多くて体制がしっかりしている会社というのが安心だと思いますけどね。
田端氏:預かり資産というのは、預けているというのはいったら貸しているのと一緒ですもんね。ちなみになんですけど、FTXでいまいち僕はよく分からなかったのが分かっているようで分かっていなかったのが預けているあれに対してまた金利がついていたんですよ。
加納氏:トークンに対して8%とか「FTX Earn」という形でトークン保有者に何%かを返していたというところですね。
田端氏:それは貸し手が銀行みたいな別なとことに貸して利ざやを抜いていたということなんですか?
加納氏:そこは実態が明らかになっていなくて、自己資本から出していたのか利益から出していたのか、別に又貸ししたところの利益だったのか。
田端氏:それがもし自己資本というか、ただ顧客の分別管理がなくてもっと平たいこと言うとタコ足配当というんですけど、タコがお腹すいたから自分の足食うみたいな意味でタコ足配当なんですけど、配当で運用している結果ですよと言いながら100万円貰ったので年間5%で5%の配当払いますわといっても20年実はバレないですからかね。そういう意味でただ自己資本から払っただけの可能性もあるわけですよね?そこが今捜査中なのかな。
加納氏:会社はそれできないですよ。会社は利益剰余金からしか配当配れませんから。5%だったら。
田端氏:だからいわゆるちゃんとした普通の株の配当だとしたらそれができないというのはその通りだと思うんですけど、FTXがその仮想通貨に対してつけていた金利の払い方というののその金利が根源的にどこから来ていたんだろうというのは加納さんから見ても謎なんですか?
加納氏:今のところ分からないですね。本来であれば何かしらの利益から出すというのが株の発想にあるので。
田端氏:貸して例えば5%金利つけるんだったら10%で貸したものを5%取って5%お客さんに返すなら銀行がやってることですけど。加納さんが見て謎なんですか。断言すると詐欺です。加納さんから見てよくわからないメカニズムはほとんど詐欺的なことをやってたというかタコ足だったんじゃないかという僕は判断しちゃったんですけど。
加納氏:詳細がまだ公表されていないので解明が必要ですけど、EARNの原資が何かは今後調査して。
田端氏:僕結構ビジネスとかやっていると投資以外の普通の事業でもあれなんですけど、根源的に世の中って無から有が生まれるようないわゆる錬金術はないので何かのお金のリターンが返ってくるときには、根源的に何の価値がそこに生まれたからこれを自分はこの分け前に与っているのかということを1個立ち戻って考えるのが大事で、そうじゃないと逆に今みたいに一瞬それでワーッとめっちゃ儲かってるじゃんみたいに思っていたけど実はそれ儲かっているんじゃなくてただ自分の足を自分で食ってたみたいな。それで美味しい美味しいって食べてたみたいな阿保みたいな蓋開けてみたらですよ。
今日の本題なんですけどエクシアもうたぶんポンジーというんですけどいわゆる自転車操業とかネットで言うとチャリンカーとかも言われているちょっと近いようなものだったんじゃないかなとも今言われています。なので相手が本質的に何をやっているんだろうということをどんなに難しくても理解しようとしないとだめですよね。どう思います?
加納氏:僕はそうですね。僕は理解できないものには投資しないと習ってきたので。
田端氏:僕もそうなんですよ。なのでさっき言ったみたいにREITってふつうのいわゆる野村證券とか大和で売っているような投資信託とREITと株式会社に投資するって何が違うんだろうとか、怪しいけどまとも、僕が見たので言うと東京建物とかもたまにやっているのかな、ラブホファンドというのが昔あって、ラブホに投資すると。
これはlivedoorでも広告受けていたんですよ。広告受けたときに僕も広告営業ですから広告ほしいの山々ですけど、後々詐欺でユーザーが結局お金溶かしちゃってとなると法律論で言うと広告メディアは大体免責されることが多いんですけど、そうは言っても道義的な責任も感じるからうーんと思ってラブホファンドに関しては結構真剣に調べてやってこれはありだなと思ったんですよね。
利回り的にも5,6,7,8%くらい。利回りは高いやつはみんな釣られるじゃないですか。でも加納さんの目から見てこのパーセンテージ上回っているのを絶対確実に利回りとして保証すると言われたらほぼアウトという世界の数字あるじゃないですか。何%くらいですか?
加納氏:まずそもそも絶対確実にと言われている時点で相当怪しいですよね。やっぱり利回りが高いということは低くてもそうなんですけど何らかのリスクを取ったリターンとしてその利回りが表現されるわけですよね。なので絶対確実にというのを言うとやっぱり僕は金融マンですから
田端氏:その時点で絶対、例えば今で言うと円建てだとしましょうか。円建てで今の経済状況だと1%でも絶対確実に年利1%とかと言っても結構若干グレーというかリスクがそこそこあるなと認識すべきですかね?
加納氏:もちろん。絶対確実なのは一応国債。これもまた議論あります。国債の利回りを大幅に上回っているのであれば何かしらのリスクがあると考えているのでそれが絶対確実にと言われるとそれは何だろう、絶対確実にと言ってはいけないので金融機関というのは。まずそれを言っている時点で相当危ないと思います。
田端氏:ありますよね、元本保全、元本確保とか。あと予定利回りとか。いろんなニュアンスの言葉があって、予定利回りくらいのニュアンスの言葉だとしたときに気を付けるゾーンはどれくらいの?
加納氏:どうして国債の利回りを大幅に上回っている、その利益の源泉を僕は調べますね。たいていの場合はデリバティブで例えばだけど、専門用語ですけど「プットオプション」を売るというのがあって、例えばマーケットがクラッシュしたときには大やられしますと。その代わりクラッシュしない限りは利回りが大きいですよという。
7.売る側の意図を考える
田端氏:余談なんですけど、トークンだろうが仮想通貨だろうが、本当にこれから上がっていくんだったら売らなきゃいいんじゃんという風に発行体として僕は思いますけどね。
加納氏:だとするとすべての株のIPOの売り出しが否定されちゃうんですけど。
田端氏:それを買うなというんじゃなくて、買う方は売る方の事情を分かって納得できたら買っていいということなんですよ。
加納氏:結局おっしゃる通り、この人はどういう動機で売っているんだと自ら発行して錬金術によりできるものをなんで売りたいんだい?それは売り抜けたいからなの?それとも資本調達をして成長したいからなの?ちゃんと突き詰めて考えないとだまされやすいというのはその通りだと思います。
田端氏:だったらIPOだったら絶対、IPOを全部否定するつもりは全然ないんだけど、IPOで創業者持ち分の比率とニューマネーとして新株が発行されて会社にお金が行く比率なんていうのはIPOの投資家からしたら絶対見るべきですよ。これは基本中の基本じゃないですか、プロとしての。それはそうじゃないですか。だけど普通の人気にしないじゃん絶対。
加納氏:IPOで創業者が全部売りますと言ったらそれはさすがにおかしいやろってなるし、何やってたんだと思いますよ。
田端氏:全部じゃなくても創業者じゃなくても、例えば創業者の人が悪いんじゃなくて、IPOの株を買う人が気にしてほしいのは自分が買った時に払ったお金が向かう先が既存の株主の換金なのか、会社の新規投資なのかみたいなのはこれは絶対見た方がいい比率で、典型的によくないIPOというかあーっと思うIPOで言うと既存のベンチャーキャピタルだけがただ売り抜けていて、ニューマネーと言うけどね、ファイナンス風に言うと。
それがまた会社の方に入らないIPOなんていうのはこれは既存株主は売り抜けたいだけで、VCだって他人のお金預かっての商売だからそれはしょうがないけど、投資家目線から見ると魅力的な案件には見えない、みたいなところかな。
加納氏:売り出しと新発の比率というのは僕も重要だと思っていて、既存株主のイグジットだけで使われるようなIPOというのはまあだめだろう。
田端氏:僕最後にまとめで言うと、なんだかんだいって一番ビットコインが魅力的に思えているのは、ビットコインの場合アーキテクチャ的に、今なら株で言うと増資のような形で薄まる、増えるという部分が最後までのアーキテクチャが決まっているじゃないですか。あれに関しては散々、世の中の頭のいい人たちが「これなんとからならないの?」みたいなことをあの手この手で考えまくったけどたぶん無理ということだと思うんですよ。
というところになってることに関しての安心感、投資する側においての。それは僕ものすごいから。今の200万円前後が高いか低いかわからないんですけど、僕ビットコインに関してはいつか必ず戻るときがあるだろうなという気もするんですよ。その安心感はそこから来ている気はします。変な会社の株買ったり変な中央銀行から作ればいくらでも刷れるようなものに比べたらそっちの方が安心じゃないのというのは確かにそうだよなあという風にはめちゃくちゃ思うんですよ。
加納氏:僕は立場上ですね、どの仮想通貨を買えとか売れとか言わないですけど、ビットコインについてすごく重要な事実というのは2100万まで発行ができる設計をしましたと。半減期が来てどんどん2100万に近づいていくんですけど、マイナーが合意したらこれを変更することは可能なんですよ。
田端氏:え、そうなんですか。めちゃくちゃ大事な話聞きました。
加納氏:ところがやっていないんですよ。
田端氏:その合意というのはどういう合意なんですか?
加納氏:ソフトフォークなりハードフォークなりをしてソフトフォークでいいんですけど、その2100万という数字を書き換えたりとかする。
田端氏:僕ソフトフォークとハードフォークの違いがってそれもまた昔あったやつみたいに分岐ができるというやつじゃなくて?
加納氏:分岐しなくてもよくてソフトフォークで今の2100万という上限を増やすという新しいBIPというんですけど、プロポーザルがきてそれに皆が同意したら上限は変わっちゃいます。
田端氏:でもそれって単に株で言うと株式分割みたいなことじゃないんですか?増資ではなくて。
加納氏:増資、増発です。増資です。
田端氏:薄まるんですか?
加納氏:薄まる。
田端氏:逆に言うと新しく発行枠ができるじゃないですか。そこは誰に行くんですか?
加納氏:だから例えばマイナーにあげる「コインベース」というんですけど、専門用語で。コインベースにあるビットコインの量を増やしていって今まで新発で出ているのがあるわけですよ10分に1回。この量を増やしていけばペースが変わるので技術的には変えることは可能なんですよ。
ただ僕が言いたいのはそこじゃなくてそういった技術的に可能なこともちゃんとマイナーのガバナンスが効いていて、そういった決議をやらないというところが大事だということです。つまり規律を守っているんですよ。
田端氏:それだと誰が守っているんですか?
加納氏:マイナーが。そんなことをしたら得がないから。
田端氏:誰か少数派でもいいからそんなことしてもいいから額面の1ビットコインが増えすぎるからデノミカーみたいに変えようぜみたいな含めて。
加納氏:でも多数派を工作しないと、工作というと。
田端氏:それは単純に議決権のプロキシーファイト見たいな世界があるんですか?
加納氏:あります。
田端氏:すごい勉強になっているけど、なるほど。
加納氏:基本的には非常にわかりやすい形でいろんな視聴者に伝えたいというのあるし、日本の顧客はですね、ちゃんと守られているということがお伝えしたいことなので田端さんみたいなインフルエンサーを通じてですね、わかりやすい言葉で我々の業界のことを語っていただけるというのは本当にありがたいなと思っています。
田端氏:ありがとうございました。
加納氏:ありがとうございました。
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り