世界初「匂いNFT」販売へ　フレグランスのデジタル転送が実現

世界初「匂いNFT」

Horizon株式会社とAvalanch Tech IT Solutionは2022年12月31日、匂いのデジタル化とNFT（非代替性トークン）技術を用いて匂いデータをダウンロード再生できる「匂いNFT」の販売を行うことを発表した。

匂いや香りのNFT化は世界初とみられる。第一弾として元セクシー女優でタレントの明日花キララ氏を起用し、匂いNFTを1万枚限定で先行予約販売を開始。NFT1枚につき5回匂いを再生できる仕様だという。

メリークリスマス🎄

明日花キララのイメージフレグランスがNFTで販売します🎅🏻
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世界初「匂いのNFT」の先行予約開始しました
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— 明日花キララ🏰🐇 (@asukakiraran) December 25, 2022

匂いNFTの仕組み

匂いNFTの販売にあたっては、まずHorizonが匂いをデジタル伝送する統一規格（Digital Smell Format：以下、DSF）を開発。DSFは匂いを構成する情報、噴霧時間、再生可能回数などの情報が記録でき、DSFに対応したディフューザーはこれらの情報を読み取り香りを合成する。

今後、同社がDSFをデュフューザーメーカー各社に公開し、DSF対応のディフューザーを普及させるとした。

同社は匂いの作者や権利者から匂いのデジタル化の依頼を受けた際に、DSFを活用して匂いをデータ変換し依頼主に納品。変換された匂いのデータ（DSF）は、同社が開発するブロックチェーンプラットフォーム「Digital Smell Patentシステム（著作権管理システム）」に登録され著作権管理が行われる。

匂いのデータを受領した権利者は、Avalanch Tech IT Solutionが提供する匂いNFTのマーケットプレイス「Smell Mafia」に匂いのデータ（DSF）を出品し、同マーケットプレイスにてNFT化されたうえで取引可能になる。

Smell Mafiaでは、利用者は匂いデータNFTを購入・ダウンロードし、ブルートゥースに接続されたディフューザーで匂いを再生する。消費者が支払った匂いNFTの購入代金に含まれる著作権料はブロックチェーンのスマートコントラクトにより自動的に権利者に支払われる。

Horizonは、匂いNFTの想定される使途について次のように挙げた。

• 芸能人・著名人・アーテイスト・キャラクターのイメージフレグランスの制作、楽曲・動画作品に匂いをつけて販売
• メタバースを含めたゲームの世界の匂いを再現

また、Horizonは2023年1月4日、匂いNFTのアンバサダーに音楽プロデューサーの松田純一氏が就任したと発表した。松田氏はこれまで、浜崎あゆみ氏、倖田來未氏、乃木坂46など数々のアーティストの楽曲制作に携わった実績がある。

同氏は就任に際して次のように語った。

匂いをコンテンツ化させることは、私のいる音楽業界にとってもプラスです。

例えば、楽曲に匂いを付けて販売することもできますし、アーティストのイメージフレグランスを販売することもできます。匂いがエンターテイメントの一つとして音楽業界でも取り入れられ、インターネットからダウンロードができるようになれば、アーティストとファンとの距離がより縮まり、コミュニケーションの幅が広がることでしょう。ちなみに私は野焼きの匂いが好きです。ホライズンに作ってもらおうと思います。

匂いNFTマーケットプレイス「Smell Mafia」

NFTのマーケットプレイス「Smell Mafia」は、ドバイに拠点を置くAvalanch Tech IT Solutionが開発している。

同社はファンとのコミュニケーションに匂いを使用してエンゲージメントを向上させることを目指しており、コンサート会場の香りを元に作品ごとに香りをつけたり、メンバーごとに異なる香りにしたり、メンバーの香りをモデリングしたりなどしてコンテンツを制作することが可能と説明。「世界中の匂いのデジタルデバイスを展開するメーカーと業務提携を進め、SMELL MAFIAは匂いデータを販売する匂い版iTunesを目指す」と展望を語っている。

また、同プラットフォーム上では「スメルトークン（SML）」と呼ばれる仮想通貨が決済に活用されている。ホワイトペーパーには、一定のスメルトークン保有者にSMELL MAFIAコミュニティに参加への参加権、匂いデータの収集・登録やブロックチェーンの承認権限などが与えられるほか、コミュニティ参加者はプラットフォーム上で活動することで報酬としてスメルトークンが支払われるなど「Smell To Earn」が実現できるとの記載がある。

参考：公式発表

参考：スメルトークン（SML）のホワイトペーパー