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国内仮想通貨取引所のIEO銘柄一覧
2021年7月、コインチェックが国内暗号資産(仮想通貨)取引所としてIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)参入に先鞭をつけて以来、国内交換業者が相次いで参入しています。
すでに6つの仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトがIEOによる資金調達および国内取引所へのトークン上場を果たしたほか、IEO実施日程を発表し申し込み受付を行っているプロジェクトおよび取引所もあります。それ以外にも複数のプロジェクトが当局や業界団体も交えて実施の可否などを調整している状況です。
そこで本記事では、仮想通貨投資家が投資対象を比較・検討する手助けとなるよう、すでにIEOが実施されたプロジェクトに加え、実施が予定(検討)されているプロジェクト・銘柄をまとめました。国内では知名度がそれほど高くない取引所の事例も含め情報を網羅しているため、ぜひ最後までお読みください。
- IEOとは
- IEO銘柄一覧表
- 実施済みのIEOプロジェクト概要
- 3-1-1 パレットトークン(PLT):コインチェック
- 3-1-2 フィナンシェトークン(FNCT):コインチェック
- 3-1-3 ブリリアンクリプトトークン(BRIL):コインチェック
- 3-2-1 FCRコイン(FCR):GMOコイン
- 3-3-1 ニッポンアイドルトークン(NIDT):DMMビットコイン・coinbook
- 3-4-1 エルフトークン(ELF):bitFlyer
- 実施予定のIEOプロジェクト概要
- 4-1-1 Fanplaが発行するトークン:コインチェック
- 4-2-1 YAYトークン(YAY):bitFlyer
- 4-3-1 PLMトークン(PLM):GMOコイン
- 4-3-2 QYSコイン(QYS):GMOコイン
- 4-3-3 NOT A HOTEL COIN(NAC):GMOコイン
- 4-4-1 DM2P:DMMビットコイン?
- 4-5-1 Japan Open Chain(JOC):ビットトレード
- 4-6-1 ルーラトークン:Coin Estate
- 4-6-2 プラチナエッグ社が発行する自社トークン:Coin Estate
- IEOまとめ
目次
1.IEOとは
IEOとは、企業やプロジェクトなどが仮想通貨交換業者を通じて新規仮想通貨の販売及び市場流通を行うことで資金調達する仕組みを指します。
仮想通貨交換業者の審査を経るため、発行体や当該銘柄に対して信頼性が担保されやすいメリットがあります。
2017年~2018年頃にかけて、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)と呼ばれる企業が資金調達を目的に仮想通貨を発行・販売するスキームが流行しましたが、詐欺目的のプロジェクトもあり、多数の投資家が被害を受けました。
その後、規制されたICOに代わる新たな資金調達手段がIEOです。2021年にコインチェックが実施したのが初の事例であるためまだ歴史が浅い分、投資家の注目度は高いです。
2.IEO銘柄一覧表
国内仮想通貨取引所で、すでにIEOが実施された銘柄、実施が予定(検討)されている銘柄の一覧を以下の表にまとめました。
なお、2023年3月に国内仮想通貨交換業者CoinBestが発表したDART’s株式会社が発行するDARトークンのIEO実施に向けた取り組みについては、関東財務局によるCoinBestの業務監査が見通せない不測の事態を受け、海外取引所にてIEOが実施されたため記載していません。
加えて、掲載した多くのプロジェクトにおいて、当該取引所によるプロジェクトの審査や当局・業界団体との調整を経る必要があるためIEO実施が確定しているわけではないことは留意しましょう。下図の備考欄に記載したように、状況が不透明なプロジェクトもあります。
取引所 | IEO実施済み銘柄 | IEO予定銘柄 | IEO予定時期 | 備考 |
---|---|---|---|---|
コインチェック |
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未定 |
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GMOコイン |
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NAC:2024年12月7日 |
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DMMビットコイン |
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未定 |
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coinbook |
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– |
– |
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bitFlyer |
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ビットトレード |
– |
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Coin Estate |
– |
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IEOを行うとは明記されていない。 |
3.IEO実施済みのプロジェクト概要
各取引所ですでにIEOが実施された銘柄の概要を解説します。
3-1 コインチェック
コインチェックは国内で初めてIEOを実施した取引所です。3銘柄の上場を実施しています。
3-1-1 パレットトークン(PLT)
パレットトークン(PLT)は、コインチェックのIEO第一弾にして国内初のIEO実施事例となった仮想通貨(2021年7月実施)。株式会社HashPaletteが発行するNFT特化型ブロックチェーン「パレット」内で活用されます。
パレットは、ZOZO創業者の前澤友作氏が代表を務める仮想通貨・ブロックチェーン企業「MZ Cryptos」との提携やプライベートトレーニングジム大手「ライザップ」とのGameFiプロダクトの開発における協業を取り付けた他、複数のNFTゲームの基盤として採用されるなど勢いを増しています。
IEO実施時の調達額と上場後の価格動向の両面で成功したプロジェクトと言えます。IEOによる調達額や上場後の動向の詳細は下記の記事にて解説していますのでご覧ください。
追記:発行元のHashPaletteは同年10月、同社の株式をHashPortからAptos Labsに譲渡しAptosの子会社に移行する株式譲渡契約締結を発表。それに伴い、パレットチェーンは今後アプトスネットワークに移行し、PLTのAPTへの引き換えが実施される予定です。この発表により、PLTの価格は急落しました。
関連記事:コインチェックIEO第1弾「パレットトークン(PLT)」とは
3-1-2 フィナンシェトークン(FNCT)
フィナンシェトークン(FNCT)は、「コインチェックIEO」の第二弾銘柄に選定された銘柄で、2023年3月に同取引所に上場しました。
FNCTは、株式会社フィナンシェが提供するブロックチェーン技術を導入したトークン発行型クラウドファンディングプラットフォーム「FiNANCiE(フィナンシェ)」を利用して発行されます。
2019年にローンチされたFiNANCiEは、Jリーグプロサッカークラブや国内男子プロバスケットボールリーグ、国内卓球プロチームなどスポーツチームを中心に活用されてきており、2022年末時点で86チームがトークン発行した実績があります。
FiNANCiEで発行されるトークン同士を繋ぎ、トークンの価値を長期的に向上させるためのプラットフォームトークンとして機能するとされており、ガバナンス投票の参加権やステーキング、FiNANCiEユーザーへの報酬などのユースケースがあります。
上場からほどなくして販売価格の0.41円を割り、一時は約0.1円台をつけました。IEO実施直後は第一弾PLTの躍進に追随することはできず、多くの投資家の期待に応えることはできませんでしたが、2024年2月に急騰。執筆時点では0.7円付近を推移しています。詳細は、以下の記事にてご覧ください。
関連記事:コインチェックIEO第2弾「フィナンシェトークン(FNCT)」とは|次世代クラファンの仮想通貨
3-1-3 ブリリアンクリプトトークン(BRIL)
株式会社Brilliantcryptoが発行するブリリアンクリプトトークン(BRIL)は、コインチェックIEOの第3弾に選定された銘柄。Brilliantcryptoは東証プライム上場企業である株式会社コロプラの特定子会社で、上場企業子会社が実施する初のIEO事例でした。
同社が開発する日本発NFTゲーム『Brilliantcrypto』で使用されます。同タイトルは、ユーザーが採掘者となり、鉱山を採掘することで宝石やトークンの獲得を目指す内容です。ゲーム内マーケットでつるはしを購入し、探知機などのアイテムを活用して採掘することでNFTの宝石やトークンを入手可能。
同タイトルは世界的サッカークラブ「パリ・サン=ジェルマンFC」とグローバルパートナーとして契約するなどグローバル展開に力を入れています。
2024年5月27日にBRILの抽選購入申し込みを開始したところ、開始からわずか13分で調達目標金額の15億1200万円を突破。これは、国内IEOで過去最大金額を記録しました。
同年6月17日にコインチェックで上場を果たすと、直後に急騰し公募価格の21.6円から一時100円近くまで伸ばしました。しかし、高値を維持できず間もなく20円代に急落し、8月初旬に公募価格割れし10円台まで続落。その後も下落に歯止めがかからず執筆時点(2024年11月)は9円付近を推移しています。
同月、米国大統領選でのトランプ氏当選により仮想通貨が全面高となる中、BRILは下落基調が続いており逆行安の状態です。
3-2 GMOコイン
GMOコインではFCRコイン(FCR)のIEOが実施されました。
3-2-1 FCRコイン(FCR)
FCRコイン(FCR)は、Jリーグに加盟するプロサッカーチーム「FC琉球」を運営する琉球フィットボールクラブ株式会社が発行する暗号資産。
スポーツクラブとサポーターの関係性強化などを目的に発行されるファントークンとして機能し、保有者には限定グッズの配布、試合の招待、選手との交流イベントへの招待券などの特典が付与されます。また、ホルダーは運営に関与したり、応援する選手にFCRをチップとして送付したりすることも可能です。
上場からほどなくして販売価格の2.2円を割り込み1円台まで暴落。現在は0.4円台を推移しています。
FCRのIEOを巡っては、上場後にGMOコイン側が事前告知のなかった取引上限の条件(1日100万FCRの取引上限)を公表し、その後ほどなくして取引制限を2000万FCRに引き上げたことにより投資家の間に混乱を生み、批判が寄せられました。
IEOにかかわるGMOコイン側のオペレーションの不備が価格に影響を与えた可能性があります。
関連記事:GMOコインのIEO第1弾「FCRコイン(FCR)」とは|国内発ファントークンの将来性
3-3 DMMビットコイン・coinbook
DMMビットコイン・coinbookは、Nippon Idle Token(NIDT)のIEOを実施しました。
3-3-1 ニッポンアイドルトークン(NIDT)
ニッポンアイドルトークン(NIDT)は、新たなアイドルグループの創造を目的に設立された株式会社オーバースが発行する仮想通貨。
2023年4月にDMMビットコインとcoinbookにて実施されたIEOにて上場した銘柄で、所有者はNIDTを通じてオーバースが創造するアイドルの活動の応援・支援ができるほか、投票を通じてアイドルグループの活動方針の決定に関与することも可能。また、ホルダーには限定NFTやVIPイベントへの参加券などの特典も付与されます。
アイドルグループプロジェクトは「IDOL3.0 PROJECT」と名付けられ、従来のオフラインでのアイドル活動だけでなく、メタバースやNFTを駆使したオンラインでの活動の両軸で展開されます。
総合プロデューサーには、秋元康氏が就任しており、運営にはキングレコード株式会社をはじめとするAKB48、乃木坂46、IZ*ONE、といった人気アイドルグループの育成に携わったスタッフが参画。
IEOの販売価格は5円でしたが、上場直後に50%以上下落し、一時は1円台を付けました。さらに、上場翌日にDMMビットコインが在庫不足を理由に買い注文を一時的に制限したほか、極めて大きなスプレッド幅(売買価格の差)を提示するなど混乱が生じました。
しかし、その後は反騰し販売価格あたりまで価格を戻しました。IDOL3.0 PROJECTオーディションの候補者情報が発表されてから急騰し、最大で公募価格の16倍の80円付近に達しました。
NIDTのIEOに関しては、極短期間で暴落と暴騰を演じているため、現時点で成功裏に収めたと判断するのは早計かもしれません。NIDTやIDOL3.0 PROJECTの詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:国内IEO第4弾「NIDT(ニッポンアイドルトークン)」とは|秋元康監修アイドルGの仮想通貨
3-4 bitFlyer
bitFlyerは、エルフトークン(ELF)のIEOを実施しました。
3-4-1 エルフトークン(ELF)
同社は2022年9月、メタバース型ファーミングNFTゲーム『THE LAND ~エルフの森~』を運営するHashPaletteとIEO実施に向けた契約を締結しました。
ELFは、HashPaletteが開発するパレットチェーン(PLT)上で発行されるゲーム内トークン。アイテムNFTの売却により獲得できる他、ELFを使用してゲーム内の土地NFT「ランド」やアイテムNFTを購入可能。また、ステーキングすることで、「THE LAND」を快適に進められる特典機能が解放されます。
関連記事:bitFlyer IEO「エルフトークン(ELF)」とは|新作NFTゲームの仮想通貨の将来性
2024年2月にELFの抽選販売を実施。目標の12.5億円の調達に成功しましたが、抽選後にユーザーの資金をロックした状態でのトークン付与の延期や、事前に告知のなかったロックアップ条件の通知などにより投資家の不信を招きました。
また、ELFの取扱い開始発表の前日に、『The Land エルフの森』のローンチ初日から重大な不具合が発生していたこと、それらの不具合が解消済みであることを発表したことも投資家心理を悪化させました。
さらに、3月27日に上場予定とされていたにもかかわらず、当日になりiOS端末で注文できない不具合が発生し取扱い開始を延期。IEO後の上場が延期となる異例の事態を受け、それまでの運営の不備も合わさり、bitFlyerに対してSNSを中心に批判が殺到しました。
関連記事:bitFlyer、IEO実施のエルフトークン(ELF)の取扱い開始延期を発表
度重なるトラブルを経て同月29日に上場を果たしたELFは、直後に販売価格の12.5円を割り、一時7円台まで暴落。その後運営によるものと思われる大量の買い注文が入り12.5円付近まで戻すも、価格を維持できず執筆時点(2024年11月)で0.4円代を推移しています。
追記:発行元のHashPaletteは同年10月、同社の株式をHashPortからAptos Labsに譲渡しAptosの子会社に移行する株式譲渡契約締結を発表。それに伴い、パレットチェーンは今後アプトスネットワークに移行し、PLTのAPTへの引き換えや『The Land エルフの森』とELFのアプトスへの移行も実施される予定です。
ELFを取り扱うbitFlyerはAPTを取り扱っていないため、このままではアプトスチェーンへの移行をサポートできず、同取引所でELFが上場廃止となる可能性もあります。
4.IEO実施予定のプロジェクト概要
各取引所でIEOが予定(検討)されている銘柄の概要を解説します。
4-1 コインチェック
コインチェックでは以下のIEO実施が検討されています。
4-1-1 株式会社Fanplaが発行するトークン(名称未定)
2024年3月、コインチェックは株式会社FanplaとIEOに向けた契約を締結したことを発表しました。
東証プライム上場の株式会社エムアップホールディングスの100%子会社である株式会社Fanplusより、Fanpla社が新規仮想通貨の発行と販売業務を受託し、Fanpla社を発行体として進められます。Fanplus社が運営するファンクラブにて流通するトークンの発行を目指すといいます。
Fanplusは、あいみょん、UVERworld、コブクロなど300を超えるアーティストのファンクラブおよびファンサイトを運営しており、250万人超の有料会員がいます。
発行を目指す新規仮想通貨は、Fanplusがファンクラブ運営を担うアーティストやタレントのファン体験の媒介手段として活用される予定です。
関連記事:コインチェック、Fanplaと仮想通貨IEOに向けた契約締結を発表
4-2 bitFlyer
bitFlyerではYAYトークン(YAY)のIEO実施が検討されています。
4-2-1 YAYトークン(YAY)
bitFlyer社は2022年8月、メタバースを取り入れたSNS「Yay!」を手掛ける株式会社ナナメウエとIEO実施に向けた契約を締結。ナナメウエが発行する「Yay!」内で利用可能なトークン「YAY」をbitFlyerにて販売予定としています。
Yay!は、同世代の友人とコミュニケーションができるアプリで、タイムラインや通話機能、チャットなどの機能があります。コロナ禍で希薄化したリアルでのコミュニケーションに近い体験を提供するサービスとして急速に利用者数を伸ばしており、現在では800万人以上のユーザー数を誇ります。
Yayのプラットフォームには、以下の4つのトークンが使用される予定です。
- YAY : ガバナンストークン、イーサリアムで発行、発行上限100億枚
- EMPLE:ユーティリティトークン、Arbitrumで発行、発行上限なし
- Yay! Genesis(以下、Genesis):Yay! Palをミントする権利をもつNFT、イーサリアムで発行、発行上限5000枚
- Yay! Pal(以下、Pal):Play-to-EarnのためのNFT、Arbitrumで発行、発行上限なし
このうち、YAYとEMPLEはFT(ファンジブルトークン)、Yay! GenesisとYay! PalはNFT(非代替性トークン)として発行されます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:bitFlyerでIEO予定の仮想通貨「YAY」、ナナメウエ社がホワイトペーパーを公表
4-3 GMOコイン
GMOコインでは3銘柄のIEO実施が検討されています。
4-3-1 PLMトークン(PLM)
GMOコインは2022年7月、株式会社Lightとの間で、次世代型ライブ配信プラットフォーム「Palmu」の開発および独自トークン「PLM」の発行などを目的に、IEO実施に関する覚書締結を発表しました。
Palmuは、スマホで手軽にライブ配信や視聴ができるアプリ。「ライバー」と呼ばれる配信者は、配信の盛り上がりに応じて現金に還元できる報酬ポイントを獲得できるほか、Palmuで開催されるイベントで勝ち抜くとPalmuの広告などへの出演権が得られます。
視聴者も無料で利用でき、「ギフト」と呼ばれる配信を盛り上げる機能もあります。また、運営会社は「新しいことにチャレンジしていくことを重視」するとし、Web3、AIなどの最新技術を採用していく方針を示しています。
PLMのIEO実施時期は未定。ユースケースについては、ライバーに対して既存の報酬に加えてPalmuへの貢献度に応じて付与される報酬、リスナーへの報酬などが検討されています。
4-3-2 QYSコイン(QYS)
続いて同年10月、GMO株式会社と株式会社モバイルファクトリーの100%出資子会社である株式会社ビットファクトリーは、IEO実施などに関する覚書締結を発表。これに伴い、ビットファクトリーが発行する「QYSコイン」のIEOの検討開始を表明しました(その後、発行体はビットファクトリーからモバイルファクトリーに変更)。
QYSコインは、ビットファクトリーが2020年にリリースした位置情報連動型ブロックチェーンゲーム「駅メモ! Our Rails(略称:アワメモ!)」を、ゲームをプレイすることで稼ぐことができる「Play-to-Earn:P2E」モデルにするために実装されます。
アワメモ!は、端末の位置登録機能を利用して、実在する日本全国の9,000ヶ所以上の鉄道駅を集めてまわる駅収集位置ゲーム。トークン化された駅を購入することでユーザー自身が駅のオーナーになれる「ステーションオーナー機能」などブロックチェーン技術を駆使した報酬を獲得できるシステムが導入されています。
現時点でIEOの実施時期は未定です。
4-3-3 NOT A HOTEL COIN(NAC)
NOT A HOTEL株式会社は2023年11月、GMOコイン株式会社とIEOによる資金調達に向けた新規暗号資産販売検討に関する覚書締結を発表しました。
2024年10月31日には、同社が提供するホテルとしても運用できる住宅「NOT A HOTEL」を裏付とするRWAトークン「NOT A HOTEL COIN(NAC)」のIEO申し込み受付開始および、同年12月7日にIEOを実施する旨を発表。
NOT A HOTELは、「MEMBERSHIP」と呼ばれるNFTの保有者が利用できるハイエンドの別荘で、物件を自宅や別荘として利用するかホテルとして貸し出すかをアプリ上から切り替えられます。
また、暗号資産NACの発行により1日単位で宿泊できるようになるほか、トークンをレンディングすることにより毎年実質無料で宿泊できるスキームが確立されました。
IEOスケジュールやプロジェクトおよびNACのユーティリティなど詳細は以下の記事からご覧ください。
4-4 DMMビットコイン
DMMグループは、株式会社DM2C Studioが発行するトークン「DM2P」のIEO実施を検討しています。
同グループが運営するDMMビットコインでIEOを実施する可能性が高いと思われますが、どの取引所で実施予定かは明かされていません。
4-4-1 DM2P
DMMグループのweb3関連事業を手掛ける株式会社DM2C Studioは、web3プロジェクト「Seamoon Protocol(シームーン・プロトコル)」の開始に伴い、同プロジェクトの独自トークン「DM2P」のIEO実施を予定しています。
Seamoon Protocolは、DMMグループがエンタメ領域における持続可能な経済圏創出を目指して始動したプロジェクト。同グループがNFTゲームに特化したオアシスチェーン(OAS)上に構築した独自レイヤー2「DM2 Verse」を活用し、『かんぱに☆ガールズ RE:BLOOM』『コインムスメ』など多数のNFTゲームをローンチ予定です。
DM2Pの発行初期はイーサリアム(ETH)上でユーティリティトークンとして発行し、その後トークンの信用力や流動性を高めたうえでマルチチェーン展開を検討しています。究極的には円やドルなど法定通貨の代替としての決済手段をもたせることを目指すとしています。
4-5 ビットトレード(旧:フォビジャパン)
ビットトレードではJapan Open Chain(JOC)のIEO実施が検討されています。
4-5-1 Japan Open Chain(JOC)
ビットトレード社は2022年12月、G.U.Technologies社、日本ブロックチェーン基盤社と共同で「Japan Open Chain」の手数料トークン「JOC」のIEO実施に向けた取り組みについて覚書締結を発表。
2024年11月、JOCのIEOスケジュールが発表され、先行優先販売購入申込みは11月20日~12月3日に、一般販売購入申込み受付は12月4日~12月17日の期間に実施することとなりました。。
Japan Open Chainは、NTTや電通など14の企業および団体が参画するイーサリアム互換のブロックチェーン。「運営者ノードであるバリデータ・ノード・サーバのすべてを日本国内で運用することで、法的・技術的に安心して利用できるブロックチェーン・ネットワークの構築」を目的として開発され、22年4月にメインネットのβ版が公開されました。
「PoA」コンセンサスアルゴリズムを実装により、秒間数千のトランザクションを処理できる処理性能と安価な手数料を実現。また51%攻撃などハッキングリスクを大幅に低減できるとしています。
IEOスケジュールやプロジェクトおよびJOCトークンの詳細は以下の記事をご覧ください。
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4-6 Coin Estate(旧:Himalaya Exchange Japan)
Coin Estate(旧:Himalaya Exchange Japan)では、2銘柄のIEO実施が検討されています。
なお、Coin Estateの当初の商号はBitgate株式会社でサービス名も「Bitgate」でしたが、2022年8月に商号をHimalaya Japan、サービス名をHimalaya Exchange Japanに変更。2023年8月には商号をCoin Estate株式会社、サービス名をCoin Estateに変更しています。
4-6-1 ルーラトークン
Coin Estateは2022年7月、観光に特化したデジタル通貨「ルーラコイン」を展開する株式会社ルーラと、「Travel-to-Earn(旅行して稼ぐ)」をコンセプトにした仮想通貨「ルーラトークン」のIEO実現に向けたプロジェクト開始を発表しました。
すでに提供しているルーラコインは、全国の観光地や温泉地で使える観光に特化した地域デジタル通貨。スマホにチャージして、全国33の観光地に存在する加盟店での買い物や支払いに使えます。
今回プロジェクト開始が発表されたルーラトークンの保有者には全国の観光地で使える「VIPチケット」が付与され、そのチケットを使い観光地での特別な体験、限定の宿泊プランやツアーなど観光地支援に繋がる様々な体験を得ることができるといいます。
また、ルーラが運営する観光DAOへの参加も可能となり、収益分配だけでなく、ルーラコインの決済(決済金額の1%が自動で寄付される)で集まった観光支援予算を活用して、新しい観光商品の開発、観光プロモーションの実行など、様々な観光支援策を起案・投票ができます。
IEOの実施時期は未定です。
4-6-2 プラチナエッグ社が発行する自社トークン
株式会社プラチナエッグは2023年3月、同社が発行する自社トークンについて、Coin Estate株式会社と仮想通貨取引所への上場支援を行うための契約締結を発表しました。事実上のIEO実施に向けた取り組みと思われます。
プラチナエッグは、ブロックチェーンやNFTの開発を行う企業で、ステーブルコイン「JPYA」「USDA」の開発も手掛けています。
IEO対象となるプラチナエッグの「自社発行トークン」の詳細やIEO実施時期は現時点で定かではありませんが、同社は2023年10月にローンチした『Climbers』を含む複数のNFTゲームの開発実績があるため、同社が手掛けるNFTゲームのゲーム内トークンが対象となる可能性が高いのではないでしょうか。
関連記事:Himalaya Exchange Japan(現:Coin Estate)がIEO実施か プラチナエッグのトークン上場を支援
5.IEOまとめ
国内IEOの先行事例と予定されている銘柄の詳細などについて解説しました。
重要ポイントは以下の通りです。
- IEOは歴史が浅い新しい資金調達手段であるため、投資家の関心が高い
- 先行事例は6件あり、躍進した銘柄もあれば上場直後に下落した銘柄もある
- bitFlyer、コインチェック、GMOコインなど大手を含む多数の取引所がIEOを控える
- IEO実施が不透明なプロジェクトも存在する
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り