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GMOコインのIEO第1弾を解説

2022年4月、暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するGMOコインが初のIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)を実施しました。

IEOとは、企業やプロジェクト暗号資産産を活用した資金調達を行うことを目的とし、発行したトークンの販売を仮想通貨交換業者に委託する仕組みのこと。仮想通貨交換業者が主導しトークン販売や上場を実施します。

国内取引所で初めてIEOを実施したコインチェックに続くGMOコインによるIEO第1弾プロジェクトに選定されたのは、琉球フットボールクラブ株式会社が発行する「FCRコイン(FCR)」。同社が運営しており日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に所属する「FC琉球OKINAWA(以下、FC琉球)」の活動において活用されるトークンです。

本記事では、GMOコインによるIEOの概要、第1弾FCRのIEOとその振り返り、プロジェクト詳細およびFC琉球について解説します。

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以下は、国内取引所のIEO銘柄を実施予定のものを含め網羅した記事です。併せてご覧ください。

国内取引所のIEO予定銘柄まとめ、躍進する仮想通貨はどれ?

    目次

  1. FCRコイン(FCR)のIEOを行ったGMOコイン
  2. GMOコインIEO第1弾:FCRコイン(FCR)のIEO結果は
  3. GMOコインIEO第1弾:FCRコイン(FCR)とは
  4. FCRコイン(FCR)のカギを握るFC琉球
  5. GMOコインIEO第1弾:FCRコイン(FCR)まとめ

1.FCRコイン(FCR)のIEOを行ったGMOコイン

GMOコインは、東証プライム上場のGMOインターネットグループ傘下の企業です。

ネット証券・ネット銀行などを運営するグループ企業群を傘下に置くGMOフィナンシャルホールディングスで培われた金融サービスのノウハウが活かされており、ユーザー数やサービスの質において国内屈指の暗号資産取引所と言えます。

同社によるIEOは、基本的にこれまでに実施された他の暗号資産交換業者によるIEOと同様の運用です。

参加の流れとしては、アプリや公式サイト上から申し込みを行い、申込受付終了後に資金拘束、抽選を実施し、当選者にトークンの割当てが行われます。ただし、割当て後、40日間は当選したトークンの送付ができない点は注意が必要です。

GMOコインのIEOに参加するには、口座開設する必要があります。

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GMOコインとは|大手「最優良」暗号資産取引所と言える理由

同社初のIEO対象プロジェクトにFCRコイン(FCR)が選定された背景として、同社は2018年にFC琉球を運営する琉球フットボールクラブ社とクラブパートナー契約を締結、2019年には琉球フットボールクラブ社とブロックチェーン活用のファンクラブサービス「FC琉球コイン(FCR)」の開発方針を発表していました。

1-1 FCRコイン(FCR)発行体の琉球フットボールクラブとは

琉球フットボールクラブ株式会社は、沖縄市をホームタウンとするプロサッカークラブ「FC琉球」を運営する企業です。2013年に株式会社沖縄ドリームファクトリーからクラブの運営権が譲渡されました。

同社はクラブ運営の他、小学生までを対象としたサッカースクール「FC琉球サッカースクール」やアスリート育成を中心に行う高等学校「FC琉球高等学院鹿島朝日高等学校」の運営も行っています。

なお、同社は2024年3月、東証マザーズに上場する株式会社カヤックと資本業務契約を締結しています。カヤックは琉球フットボールクラブの株式を取得し、筆頭株主になりました。

カヤックは広告やゲームなどのデジタルコンテンツ領域を軸とした多角的な事業展開を行う企業。両社は、ファンやサポーター、パートナーや行政関係者、選手などあらゆる人と協力し、FC琉球のスポーツエンターテイメント性を高めるとともに、ブランド力向上とJ2やJ1への昇格を目指しています。

2.GMOコインIEO第1弾:FCRコイン(FCR)のIEO結果は

2022年4月に販売申し込み受付が開始されたFCRコイン(FCR)のIEOは、目標としていた約10億円の調達に成功しました。

当時は暗号資産市場は弱気相場の最中であったにもかかわらず、目標調達額を達成したのは新しい資金調達手段であるIEOに対する投資家の関心の高さの表れであると言えます。

FCRは同年5月に同取引所の取引所サービス(板取引)に上場を果たします。上場後は一時約2.6円まで高騰しましたが、程なくして販売価格の2.2円を割り込み1円台まで暴落。その後は低調なまま推移し、現在は0.4円台をつけています

出典:GMOコイン

FCRのIEOを巡っては、上場後にGMOコイン側が事前に告知していなかった取引上限(1日100万FCRまで)を公表したことにより、大量保有する投資家は売却に数日かかることが判明。その後しばらくして取引制限を2000万FCRに引き上げましたが、一連の対応が投資家の間で混乱を生み、批判が寄せられました

IEOにかかわるGMOコイン側のオペレーションの不備が価格に影響を与えた可能性が指摘されています

なお、FCRはGMOコインの他に、国内ではDMMビットコインに上場しています。

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3.GMOコインIEO第1弾:FCRコイン(FCR)とは

FCRコイン(FCR)は、2022年5月にIEOを経てGMOコインに上場した暗号資産で、イーサリアム(ETH)上で発行される「ERC-20」規格のトークンです。

近年、サッカーなど欧米のプロスポーツチームを中心に、チームとサポーターの関係性強化を目的にファントークンと呼ばれる暗号資産を発行する動きが活発化していますが、FCRはこのファントークンの一種。

琉球フットボールクラブ社が運営するJ3所属のプロサッカーチーム「FC琉球」とそのサポーターの関係性および現代のサッカークラブ経営をアップデートすることで、日本とアジアのサッカーを欧州や南米のそれと並ぶ水準に押し上げることを目指すプロジェクトです。

FCR発行の背景には、FC琉球を含む地域サッカークラブが抱える以下のような課題があります。

  • 運営資金の確保──地域サッカークラブにIPOの基準を満たすのは難しく、資金調達方法がクラウドファンディングなどに限定される
  • サポーターが支援する仕組み──多くのファンや資金力のあるファンを獲得したとしても、IPOができなければ支援を受けるのは難しい
  • サッカークラブの構造的な課題──SNSや動画アプリが普及した現代では、Jリーグによる地域密着型のクラブ運営をアップデートする必要がある

上記課題を解決するべく構築されたのが、後述するFCRを発行・流通させる「FC RYUKYU SOCIO」プラットフォームです。

3-1 FCRコインの(FCR)ユースケース

ここでは、FCRのユースケースを解説します。

3-1-1 保有数量に応じて各種権利を獲得

約6カ月間、一定数以上のFCRを保有した場合、「トークンパートナー」に認定されます。

トークンパートナーは、試合時の紹介、公式サイトでのロゴ掲載、インタビューボードへのロゴ掲載など、FCRの保有数量に応じて様々な権利を獲得できます。

これにより、FC琉球に国内外のサッカーファンからの注目がクラブと活動拠点である沖縄に集まり、沖縄の活性化につながると琉球フットボールクラブ社は考えています。

出典:FCRコイン(FCR)公式サイト

3-1-2 決済手段や応援する選手にFCRで投げ銭

試合のチケットなどの購入にあたり、FCRが決済手段として活用されています。

また、FC RYUKYU SOCIOを通じてサポーターから選手にFCRを送ることができます。これにより、サポーターと選手の関係性強化や選手のモチベーション向上が期待できます。

出典:FC RYUKYU SOCIO公式サイト

3-1-3 クラブ運営における投票議決への参加権利

FCRの保有者は、サッカークラブ運営、グッズ選定などFC琉球の運営に関して自らの意思を伝えることができます。

FC RYUKYU SOCIOとFCRコインを軸として、国内やアジアからステークホルダーの意見を広く吸い上げていかす仕組みを構築するとしています。

3-1-4 NFTの提供や地域経済におけるFCRコインの活用

トークンパートナーとなった企業・加盟店は、FCRを決済手段に活用できるようになり、新規顧客獲得の機会創出に寄与します。また、企業はパートナーレベルを上げることでFC琉球を通した露出を広げることができます。

また、今後はNFTを発行して、NFT保有者にFCRのエアドロップ(無料配布)、FC RYUKYU SOCIO内でのみ購入できる画像や動画などのデジタルコンテンツの配信、スタジアムでの特別なイベントやオンラインイベントへの参加チケットなどを購入できる仕組みが検討されています。

3-2 FCRコイン(FCR)が流通するFC RYUKYU SOCIOとは

出典:FCRコイン(FCR)公式サイト

前述の地域サッカークラブが抱える諸課題の解決および日本を含むアジアのサッカーの水準の底上げを目指して構築されたプラットフォームが「FC RYUKYU SOCIO」です。

同プラットフォーム上でFCRを通じたクラブ運営の投票議決への参加、クラブや応援する選手への投げ銭、チケットやシーズンパスの購入などができます

また、FC RYUKYU SOCIOでは、独自の指標でFCRの保有者を評価し、そのアクティブ率に応じて一定数のFCRコインが無償で付与されます。アクティブ率における指標としては「FCR保有数」「 FCR送付(投げ銭)」「試合観戦」「グッズ購入」「投票回数」が挙げられています。

つまり、FCRコインを多く保有し、かつFC RYUKYU SOCIOをアクティブに活用するユーザーに対してFCRがボーナスとして無償で付与されるということです。

同社はFC RYUKYU SOCIOと同様のプラットフォームをアジア中に拡張するために導入をサポートしていく方針です。導入するプラットフォームはFC RYUKYU SOCIOの基本設計を踏襲しつつ、必要に応じてカスタマイズし、独自トークンの発行サポートやその他ノウハウ提供を行うとしています。

出典:FCRコイン(FCR)ホワイトペーパー

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4.FCRコイン(FCR)のカギを握るFC琉球

FC琉球がJ1への昇格など目覚ましい発展を見せれば、大手のスポンサー獲得によりFCRの価値向上が期待できます。そのため、FCRのホルダーはFC琉球の動向を注視する必要があるでしょう。

琉球フットボールクラブ社が運営するFC琉球は、2003年に沖縄初のJリーグ参入を目指すサッカークラブとして発足。2014年に日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)加盟を果たします。

2018年には、J3リーグ史上最速優勝を実現しJ2昇格を果たしました(現在はJ3所属)。

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4-1 戦績

FC琉球のトップ戦績は以下の通り。2018年にJ3リーグ優勝を果たし、J2リーグに昇格しました。

出典:FCRコイン(FCR)ホワイトペーパー

その後、3年間J2リーグに残留しましたが、2023年にJ3リーグに降格しました。2023年は12勝7分19敗17位という結果でシーズンを終えました。

4-2 取り組み

FC琉球は沖縄を拠点とするサッカークラブとして成長しアジアでの存在感を高めていくため、チームのJ1昇格達成に向けて以下のような積極的な活動を行っています。

出典:FCRコイン(FCR)ホワイトペーパー

なお、沖縄県は、那覇市中心市街地にJ1規格スタジアムの設立計画を発表しており、サッカーを通したさらなる経済発展が期待されています。

出典:沖縄県「Jリーグ規格スタジアム整備基本計画」

5.GMOコインIEO第1弾:FCRコイン(FCR)まとめ

GMOコインのIEO第1弾プロジェクト「FCRコイン(FCR)」について、IEOの結果やプロジェクト概要、サッカークラブFC琉球の動向などを含めて解説しました。

重要ポイントをまとめると、以下の通りです。

  • GMOコインが2022年4月に初めてIEOを実施したプロジェクトが「FCRコイン(FCR)」
  • IEOの抽選申し込みに参加するには、GMOコインでの口座開設が必要
  • FCRのIEOでは、目標としていた10億円の調達に成功した
  • 上場後は一時約2.6円まで高騰したが、程なくして販売価格の2.2円を割り込み1円台まで暴落。その後は低調なまま推移し、現在は0.4円台をつける
  • 上場後のGMOコイン側のオペレーションの不備が価格に影響を与えた可能性があり、投資家から批判の的になった
  • FCRはプロサッカーチーム「FC琉球」とそのサポーターの関係性強化を目的として発行され、投げ銭や各種権利の獲得などの機能がある

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参考:FCRコイン(FCR)公式サイト

参考:FCRコイン(FCR)ホワイトペーパー

coindog編集長
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り

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