初のオープン・メタバース基盤開発へ
株式会社ジェーシービー、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクを含む10社は27日、企業向けのオープン・メタバース基盤「リュウグウコク(仮)」の構築および「ジャパン・メタバース経済圏」の創出に向けて基本合意書を締結したと発表した。初夏を目途に、メディア発表会を予定する。
ジャパン・メタバース経済圏とは「オープン・メタバース基盤『リュウグウコク(仮)』を活用した、異なるメタバースサービス間およびメタバース・プラットフォーム間の相互運用によって形成されるエコシステム」を指す。「リュウグウコク」にはWeb3.0技術も導入される予定。
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同プロジェクトに参画する企業一覧は以下の通り。
- 株式会社ジェーシービー
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ
- 株式会社三井住友フィナンシャルグループ
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 株式会社りそなホールディングス
- 損害保険ジャパン株式会社
- 凸版印刷株式会社
- 富士通株式会社
- 三菱商事株式会社
- TBT Lab株式会社
TBT Labの田畑 端CEOが運営を担う。同氏は人気タイトル「ファイナルファンタジー15」などを手がけたクリエーターで、デジタル庁でWeb3.0アドバイザーを務める。
「リュウグウコク」について
企業や行政機関でメタバース技術を活用したDX(デジタル・トランスフォーメーション)需要の増加を背景に、「リュウグウコク(仮)」はゲーミフィケーション、FinTech、ICTなど各々のテクノロジーやサービスを統合して開発される。
同プラットフォーム内でのメタバース同士の連携や相互運用を可能にし、企業のマーケティングや働き方改革などのDXと消費者のEX(エクスペリエンス・トランスフォーメーション)の実現を図る。
「リュウグウコク」はそれ自体が独自のファンタジーな世界観を持つ、オンラインRPGの要素を取り入れているメタバースだ。プラットフォーム内の各メタバースやコンテンツはそれぞれが移動する「街」や「城」や「乗り物」となって世界を彷徨う。ユーザーはRPGの感覚で、様々なコンテンツやサービスとの出会いを楽しむことができるという。
また、大手金融機関や大企業との協業により、本人認証、各種決済、データ基盤、保険などを安心・安全に利用できるメタバース基盤を実現し、国外の企業や行政機関への提供によりグローバル展開も視野に入れる。
「リュウグウコク」の3つのソリューション
「リュウグウコク」は、TBT LabグループのJP GAMES株式会社が開発したメタバース構築フレームワーク「PEGASUS WORLD KIT(PWK)」を用いて開発されるが、PWKを含めた3つのソリューションが導入される。
- 「AUTO LEARNING AVATAR(ALA)」──アバターの行動を自動学習し、ヘルスケアや趣味などのパーソナライズされた情報提供を行う
- 「PEGASUS WORLD KIT(PWK)」──イベントを作成できる「RPGエディター」、写真からメタバースを作れる「RIV Technology」など拡張性に優れた機能を有する
- 「MULTI MAGIC PASSPORT(MMP)」──メタバースサービスを自由に行き来するための決済機能付き身分証明証が導入される
MMPには、ID認証・決済手段のほか、NFT(非代替性トークン)・アイテム類など、ユーザーが仮想世界で過ごすための有益な情報を登録できるほか、これらの情報は、現実世界の利便性向上にも活用されるという。
PWKおよびMMPの提供はTBT Labが行い、MMTの開発やノウハウ提供はジェーシービー、みずほフィナンシャルグループ、UFJフィナンシャル・グループが行う。また、詳細は定かでないが、みずほフィナンシャルグループは「メタバースコイン」の提供を行うとの記述も見られた。
加えて、富士通が提供するメタバースプラットフォーム「MiraVerse®」とアバター生成管理基盤「AVATECT®」の相互運用も実施されることがわかった。
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参考:公式発表