「S.BLOX(エスブロックス)」始動など3つの発表
ソニーグループは14日、傘下の暗号資産(仮想通貨)取引所WhaleFinの「S.BLOX(エスブロックス)」へのリニューアル、独自ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」のメインネットの一般公開および、NFT関連サービス「Fan Marketing Platform」の提供予定を発表した。
WhaleFinは当初はディーカレットという取引であったが、グローバルに仮想通貨取引プラットフォームを提供するAmberグループによる買収の後、日本法人Amber Japanが設立されWhaleFinにリブランディングされた。
その後、ソニーグループの100%子会社であるQuetta Web株式会社がAmber Japanを買収し、「S.BLOX株式会社」に商号変更された経緯がある。
ソニーグループと渡辺創太氏が創業したスターテイル・ラボの合弁会社であるソニーブロックソリューションズ・ラボは2024年8月、イーサリアム(ETH)のレイヤー2「Soneium(ソニューム)」を発表している。
S.BLOX(エスブロックス)の展望と取扱い銘柄
リニューアル後のS.BLOXは、UIのデザイン刷新が行われており、今後モバイルアプリのリリースや取扱い銘柄の拡充により、使いやすいサービスの提供を予定。
また、Soneiumのメインネット公開に伴い、S.BLOXでは仮想通貨の取引からSoneiumでのアプリ利用の体験までを一気通貫で提供することを目指すとした。
現状、取扱い銘柄に変更はなく以下の8銘柄が取り扱われている。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- XRP(リップル)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ライトコイン(LTC)
- オントロジー(ONT)
- クアンタム(QTUM)
- ダイ(DAI)
Soneiumメインネットの一般公開
2024年8月にSoneiumが発表された後、テストネット(開発環境)の「Soneium Minato(ソニュームミナト)」を一般公開し、誰でもアクセス可能なテスト環境を提供してきた。
ソニュームミナトでは、インキュベーションプログラム「Soneium Spark(ソニュームスパーク)」で選抜された32のプロジェクトを含めたクリエイターによる多数のアプリが展開されている。
アプリのカテゴリはゲーム・NFT・エンタメ・金融など多岐に渡り、1400万を超えるアカウント登録、4700万を超えるトランザクションを記録しているという。
「Realize the Open Internet that Transcends Boundaries」をミッションに掲げ、開発者やクリエイターが操作がしやすく、迅速で効率的、かつ費用対効果に優れたツールと環境を提供し、誰もがクリエイターとなれるインターネットの構築を目指す。
14日に公開されたメインネットでは、ソニュームミナトを踏襲し各アプリ内の決済で仮想通貨を使用可能になる。
「開発者やクリエイターは自身のアプリ内の決済を通して収益を上げることができることに加え、エンドユーザーはお気に入りのアプリ上の活動を通じて、クリエイターの応援・支援をするファンコミュニティを築くことができる」と強調した。
NFT活用の「Fan Marketing Platform」をローンチへ
Soneiumに対応したアプリの一つとして、ソニーグループ傘下のSNFT株式会社は、2025年2月以降にNFT関連サービス「Fan Marketing Platform」をローンチする。
NFT施策を実行する企業向けのプラットフォームで、NFTを活用したファンエンゲージメント施策の実行から分析までワンストップで支援する。
企業は同サービスを活用してキャンペーンなどにおいてNFTを簡単に発行し、そのNFTを通じたユーザーとの新たな接点創出ができるほか、NFTを取得したユーザーへ特別なコンテンツを提供することで、エンゲージメント強化を図ることができると説明している。
通常、NFTの受け取りには仮想通貨ウォレットが必要だが、同サービスではWeb上のウォレット機能を備えるため、初心者でも簡単に受け取り可能だという。
ソニーグループは現在、Fan Marketing Platformを使用しSoneiumのネットワーク上でNFTを発行する以下のような施策を企画している。
- 株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント:Prime Videoの対象作品の限定チャネルへのアクセス権プレゼント(日本国内)
- 株式会社ソニー・ミュージックパブリッシング:アーティストのファン創出におけるNFTの活用(日本国内)
- Sony Music Entertainment France:ミュージック&Web3コミュニティ 『Sunny B. 1991』へのNFT配布
Web3技術を活用した各IPのファンへの価値提供とエンゲージメント拡大を目指すとした。各企画は2025年1月中旬から2月にかけて順次開始予定とした。
参考:公式発表
参考:公式サイト
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り