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知らないと仮想通貨投資で損する「板取引」とは?
ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)取引を始めたばかりの初心者にとって、「板取引」という言葉は少し難しそうに聞こえるかもしれません。
しかし、これは取引の基本中の基本であり、仕組みを理解することで無駄なコストや思わぬ損失を防ぐことができます。実際、板取引を正しく活用することで、自分に有利な価格で仮想通貨を売買できます。
この記事では、板取引の仕組みを初心者にも分かりやすく解説し、そのやり方や注意点を詳しくご紹介します。「知らなかったせいで損をしてしまった!」という事態を避けるために、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 板取引とは:販売所と取引所の違い
- 1-1 仮想通貨の販売所とは
- 1-2 仮想通貨の取引所(板取引)とは
- 板取引の注文方法とメリデメ
- 板取引の手数料に関わるメイカーとテイカー
- 3-1 手数料が優遇される「メイカー」
- 3-2 すぐに約定する「テイカー」
- 板取引におすすめの仮想通貨取引所
- 板取引のやり方
- 板取引のまとめ
目次
1.板取引とは:販売所と取引所の違い
板取引について解説する前に、仮想通貨取引における「販売所」と「取引所」について押さえておきましょう。
各仮想通貨取引所は、「販売所サービス」と「取引所サービス(板取引)」という2種類の取引サービスを提供しています。両者の違いを知らずに取引を行うと、知らぬ間に投資で損することになりかねません。
1-1 仮想通貨の販売所とは
販売所は、利用者が仮想通貨取引所を相手に仮想通貨を売買するサービスです。
注文した瞬間に取引が成立するため、価格変動する前に即座に売買したい場合やある程度まとまった量の仮想通貨を売買したい場合に適しています。
また、操作方法も希望する枚数(もしくは日本円相当額)を入力し「購入」または「売却」ボタンを押すだけのため、簡単で初心者向けといえます。
ただし、販売所サービスでの取引では「スプレッド」と呼ばれる、売買価格の差が存在するため注意が必要です。例えば、1BTC=1500万円の時に1BTCを販売所で売買しようとした際に買値が1550万円、売値が1450万円と提示された場合は、その差額の100万円がスプレッドです。
この「買値-売値」で算出されるスプレッドが大きいほど投資で損することは念頭に入れておきましょう。買いたいときは実際の価格より高額で、売りたいときは低額で提示されるため、実質的に取引手数料を支払っているのと同じです。
このスプレッドの比率は取引所や銘柄によって異なりますが、最大で十数%の開きがある場合もあります。販売所サービスは操作が簡単で初心者向けではありますが、コインドッグとしてはなるべく次に紹介する取引所サービスの利用を推奨しています。
1-2 仮想通貨の取引所(板取引)とは
取引所サービス(=板取引)は、仮想通貨取引所のユーザー同士が仮想通貨を取引します。運営会社が提供する、取引を仲介する「板」と呼ばれる取引サービス上で行われます。
以下は、コインチェックの板取引画面です(コインチェックの板取引はブラウザ版のみ利用可能)。注文が出された価格の一覧が表示されている画像右上の赤枠部分が板です。
投資家はこの板を利用して買い注文や売り注文を出し、それに対応する注文が別の投資家により出されている場合に取引が成立する(約定する)仕組みです。
販売所とは異なり、自分が希望する価格で取引を行うことができます。また、板取引の手数料はごく少額なためお得に取引ができます。
2.板取引の注文方法とメリデメ
先述の通り、板取引は注文板を使って取引所のユーザー同士で注文をマッチングさせる取引ですが、多数の注文方法があります。
ここでは、覚えておくべき以下の3種類の注文方法の概要とそれぞれのメリット/デメリットを解説します。
- 成行注文
- 指値注文
- 逆指値注文
2-1 成行注文
成行注文は、現在の市場価格で即座に注文を執行する取引方法を指します。
仮想通貨取引において、価格を指定せずに現時点で板に表示されている最も条件の良い買いまたは売り注文とマッチングさせて取引を成立させます。
現在の市場価格に納得している場合やそこまで価格を気にしない場合などは成行注文が適しています。
2-1-1 成行注文のメリット/デメリット
成行注文のメリットは、価格を指定する必要がないため、特に初心者にとってはわかりやすくスムーズに注文を出せる点が挙げられます。また、瞬時に取引が成立するため急な価格変動に対応する際などは便利です。
デメリットは、値動きが激しく取引が盛んに行われるタイミングなどにおいて、想定外の価格で約定する可能性がある点です。
また、良くも悪くも現在の市場価格で約定するため、約定後に大きな値動きがあった際などは「もう少し待ってから取引すればよかった」と後悔することもあるかもしれません。
2-2 指値注文
一方で、指値注文は仮想通貨をあらかじめ指定した価格で売買する注文方法を指します。
買い注文の場合は「指定した価格以下で買う」、売り注文の場合は「指定した価格以上で売る」という条件を設定し、他のユーザーの出した注文とマッチングした場合に取引が成立します。
例えば、現在のBTC価格が1500万円の場合、「1480万円で買いたい」あるいは「1550万円で売りたい」などといった具体的な価格を設定します。
自分が出した注文が他のユーザーの注文とマッチングしない場合は、未約定のまま約定するまで残ります。
2-2-1 指値注文のメリット/デメリット
指値注文のメリットは、自分が希望する価格で取引できるため、予期せぬ価格で取引が成立するリスクを回避できるほか、利益確定や損失回避を含めた戦略的な取引が可能な点です。
一方でデメリットは、反対注文(自分が「買い」注文を出している場合、その反対の「売り」注文のこと)を出す投資家がいなければ約定しない点です。特に急な市場変動がある場合、機会損失につながることがあります。
利用者が多い仮想通貨取引所であれば反対注文が出ている可能性が高まりますが、あまりメジャーでない取引所の場合は約定しにくいと言えます。
2-3 逆指値注文
逆指値注文とは、文字通り指値注文の反対の注文を指します。
買い注文の場合は「指定した価格以上で買う」、売り注文の場合は「指定した価格以下で売る」という条件を設定し、他のユーザーの出した注文とマッチングした場合に取引が成立します。
例えば、現在のBTC価格が1500万円の場合、「1511万円で買いたい」あるいは「1490万円で売りたい」のように価格を設定します。
これでは損しているように思われるかもしれませんが、価格の上昇・下降トレンドに合わせて取引したい時などに使われる中・上級者向けの注文方法です。
2-3-1 逆指値注文のメリット/デメリット
逆指値注文のメリットは、上昇・下降トレンドに乗れる点が挙げられます。
例えばBTC価格が一定期間1500万円~1510万円と一定の幅で推移しているときに、「1BTC=1511万円で買う」といった逆指値注文をします。実際にBTCが1511万円に達すればそれまでの幅(レンジ)を抜けたことになるため上昇トレンドに乗ることができます。
同様に、指定した価格以下に下がった場合に売るという注文を出すことにより、損失を最小限に抑えること(損切り)もできます。
デメリットとしては、買い注文では利益が少なくなる、あるいは損失が出る可能性がある点、売り注文では将来的に得られた可能性のあった利益を逃す可能性がある点が挙げられます。
3.板取引の手数料に関わるメイカーとテイカー
板取引における注文は、メイカーとテイカーの2つに大別されます。
メイカーとテイカーでは取引に発生する手数料が変わるので覚えておきましょう。
3-1 手数料が優遇される「メイカー」
メイカーは現時点で注文板にない価格での買い注文や売り注文のこと。「板に流動性を提供する注文」という言い方もします。板に新しい注文を「作る(make)」ため、メイカーと呼ばれるわけです。
新しく注文を出すため、注文後はすぐに約定せず板に残ります。他のユーザーが対応する注文を出すと取引が成立します。なお、先述の指値注文や逆指値注文で、板にない価格で出された注文はメイカーに分類されます。
また、板に出された注文が多いほど流動性が増し、買いたい時に買えて売りたい時に売れる快適な取引環境に近づくため、メイカーの注文は手数料が優遇される取引所が多いです。
テイカーより手数料が安いケースだけでなく、GMOコインやbitbankなどはメイカーに「マイナス手数料」が設定されています。約定時に、ユーザーが約定金額に応じた手数料を受け取れます。
3-2 すぐに約定する「テイカー」
テイカーとは、注文板にすでにある価格での買い注文や売り注文を指します。「板の流動性を取り除く注文」という言い方もします。
板にすでに出ている注文を「取る(take)」ため、テイカーと呼ばれています。メイカーがすでに出した注文に対応した注文のため、瞬時に約定します。
先述の成行注文は、全てテイカーに分類されます。メイカーより手数料が高めに設定されているケースが多いですが、それでも販売所と比較すれば格段に安い手数料で取引できます。
4.板取引におすすめの仮想通貨取引所
ここでは、板取引におすすめの国内仮想通貨取引所を紹介します。
主に流動性(板の厚み)・取扱い銘柄数・手数料の観点で選定しています。
4-1 コインチェック
国内最大手取引所の一つであるコインチェックは、ユーザー数が多い分、流動性が高く取引が成立しやすい快適な環境が整っています。
板取引の取扱い銘柄も20種類と豊富で時価総額上位の人気の銘柄を含め多様な銘柄への投資機会が提供されています。また、メイカーとテイカーのいずれも取引手数料が無料(一部銘柄を除く)のため、投資の利益を最大化できるでしょう。
なお、コインチェックの板取引はアプリでは提供されておらずブラウザ版でのみ利用可能のため注意しましょう。
コインチェックの全取扱い銘柄やメリット/デメリットなどを以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
4-2 ビットポイント
大手金融SBIグループが運営する取引所のビットポイントも板取引に力を入れており、流動性は申し分ありません。
板取引の取扱い銘柄も急速に拡充しており、時価総額上位銘柄はもちろん、ユニークな銘柄も含め20銘柄の取引が可能。取引手数料も全銘柄でメイカー・テイカー共に無料のためおすすめできます。
なお、ビットポイントの板取引サービス「BITPOINT PRO」はアプリでは提供されておらず、ブラウザ版でのみ利用可能のため注意しましょう。
ビットポイントの全取扱い銘柄やメリット/デメリットなどを以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
4-3 bitbank
国内上場企業MIXIやセレスからも出資を受け運営される取引所bitbankは、最も板取引に注力している取引所との呼び声が高いです(アプリでもブラウザ版でも板取引が可能)。
全取扱い銘柄(40種類)が板取引に対応している点を特徴とすることから投資家の間で人気を博しており、特にアルトコインの取引量や流動性は国内随一です。
取引手数料は、テイカー注文は0.12%、流動性を提供するメイカー注文は「‐0.02%」とマイナス手数料(約定後にユーザーが手数料を受け取れる)が設定されています。
bitbankの全取扱い銘柄やメリット/デメリットなどを以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
5.板取引のやり方
ここからは、実践として板取引の実際の手順を見ていきましょう。
板取引が最も充実しておりアプリから手軽に利用できるbitbankを例に、指値でビットコイン(BTC)の買い注文を行う手順を解説します。手順は以下の通りです。
- bitbankのアプリの画面下「取引所」→「BTC」をタップ
- 注文方法を選択
- 希望するレートを入力、または買い板からレートを選択
- BTCの注文数量を入力
- 「注文」をタップ
5-1 bitbankのアプリの画面下「取引所」→「BTC」をタップ
bitbankのアプリにログイン後、画面下の板取引を意味する「取引所」をタップします。
取引所(板取引)の取扱い銘柄の一覧が表示されるため、「BTC/JPY」をタップしましょう。
5-2 注文方法を選択
注文板の画面に遷移しますので、上図の赤枠部分「買い」をタップ。
その下のプルダウンから「指値」を選択します。
5-3 希望するレートを入力、または買い板からレートを選択
次に、希望するBTCのレート(価格)を指定します。
希望するレートが売り板にあればタップすることで自動入力されます。画面左側に表示されている板の上半分の赤色の数値が「売り板」、下半分の緑色の数値が「買い板」です。
売り板に希望するレートがない場合、画面右側の「指値価格」の欄に希望するレートを入力します。ちなみに、先述の通りbitbankではマイナス手数料が設定されているため、ここで板にない価格を入力して約定すれば手数料を受け取ることができます。
なお、レートから大きく乖離した値を入力すると取引が成立しなかったり損失が大きくなったりするリスクがあるため注意しましょう。
5-4 BTCの注文数量を入力
レートの入力後は、購入を希望するBTCの数量を入力します。注文数量を入力すると、レートと注文数量をかけ合わせた日本円の概算額が表示されます。
上図にように日本円の預け入れ額が不足していると、注文ボタンの下部に注文できない旨が表示されるため、その際はレートや注文数量を調整しましょう。
5-5 「注文」をタップ
注文数量まで入力したら、最後に「注文」をタップします。
買い板からレートを選んだ際は通常、瞬時に約定します。板にない価格を指定した場合はすぐには約定せず、約定まで時間がかかる場合が多いです。
6.板取引のまとめ
ここまで、板取引の概要・販売所と取引所(板取引)の違い・メイカーとテイカーの違い・おすすめの取引所・板取引のやり方を解説してきました。
重要な点をまとめると以下の通りです。
- 各仮想通貨取引所は「販売所」と「取引所(板取引)」を提供
- 販売所は瞬時に取引成立するがスプレッド(実質的な手数料)が広い
- 取引所(板取引)は、他のユーザーと取引をマッチングさせる
- 「成功注文」「指値注文」「逆指値注文」など目的に応じて注文方法を選べる
- 「メイカー」は手数料が優遇され、「テイカー」は手数料は高いが瞬時に約定する
- 板取引では「流動性」「取扱い銘柄」「手数料」の観点で取引所を選ぶとよい
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り