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初めての「MetaMask(メタマスク)」操作ガイド
Web3の世界への入り口として、多くのユーザーに選ばれている暗号資産(仮想通貨)ウォレット「MetaMask(メタマスク)」。
名前を聞いたことはあっても、「どんな特徴があるのか」「どうやって使えば良いのか」わからない方も多いのではないでしょうか? 世界トップクラスの利用者数を誇る同ウォレットは便利な機能を多数備え、使いこなすことで快適なユーザー体験が得られるでしょう。
本記事では、メタマスクの特徴や、用途ごとの使い方を図解付きでわかりやすく解説します。初心者でも安心して始められるよう、導入手順やセキュリティ対策についても丁寧に紹介します。
- 仮想通貨ウォレット「MetaMask(メタマスク)」とは?
- MetaMask(メタマスク)の主な用途
- MetaMask(メタマスク)は他と何が違う?8つの特徴
- 3-1 イーサリアム系チェーンに強い
- 3-2 ホットウォレットのためスムーズな取引が可能
- 3-3 イーサリアムを少額からステーキングできる
- 3-4 対応するDeFi・dAppsが多い
- 3-5 ガス代(ネットワーク手数料)をコントロールできる
- 3-6 エアドロップの確認機能
- 3-7 他チェーンや機能を追加できる「Snaps」
- 3-8 独自機能「スマート・トランザクション」
- MetaMask(メタマスク)の始め方
- MetaMask(メタマスク)の使い方
- 5-1 メタマスクに仮想通貨を入金
- 5-2 メタマスクをdAppsに接続
- 5-3 メタマスクから仮想通貨を送金
- MetaMask(メタマスク)の将来性
- MetaMask(メタマスク)の注意点
- MetaMask(メタマスク)のまとめ
目次
1.仮想通貨ウォレット「MetaMask(メタマスク)」とは

メタマスクは、米国のソフトウェア開発企業ConsenSysが手がけるイーサリアム(ETH)チェーンを基盤とした仮想通貨ウォレットです。
スマホアプリやChromeなどのブラウザ拡張機能をインストールすることで利用できます。対応するブラウザは以下の通り。
- Google Chrome
- Firefox
- Brave
- Edge
- Opera
ETHを含め、イーサリアムの規格に該当する仮想通貨やNFT(非代替性トークン)をまとめて管理できるほか、仮想通貨の送受信・スワップ(交換)・NFTマーケットプレイスやブロックチェーンゲーム等ブロックチェーンを基盤としたサービスへの接続など、多彩な機能が搭載されています。
メタマスクのユーザー数は全世界で数千万人に及び、仮想通貨ウォレットのなかで最多水準です。仮想通貨・ブロックチェーンを包括する概念である「Web3の入り口」として欠かせない存在となっています。
1-1 MetaMask(メタマスク)は「ホットウォレット」
仮想通貨ウォレットは「ホットウォレット」と「コールドウォレット」の2種類に大別されます。
前者はインターネットに接続された状態で利用するウォレット、後者はオフラインで仮想通貨を保管できるウォレットのことです。
メタマスクやTrustWalletに代表されるホットウォレットは、即座に送受信・取引ができるメリットがある反面、常時インターネットに接続されているためハッキングなどセキュリティリスクが比較的高いです。
一方、LedgerやTrezorなどのコールドウォレットは、利用時に端末接続が必要で手間がかかりますが、オフライン管理のためセキュリティが極めて高いです。

1-2 ソラナ(SOL)チェーンにも対応開始
メタマスクは、2025年5月よりソラナ(SOL)ブロックチェーンにも対応開始。
これまでイーサリアムの規格「ERC-20」に準拠したトークンにのみ対応していましたが、初めてイーサリアム系以外のチェーンも統合した格好です。
これにより、ソラナ基盤の仮想通貨の保管・送受信やスワップ、購入の他、ソラナ基盤のdApps(分散型アプリケーション)にも接続できるようになりました。
Solana is now live on MetaMask Extension! 🦊 pic.twitter.com/ekUY6sH2iD
— MetaMask.eth 🦊 (@MetaMask) May 27, 2025
2.MetaMask(メタマスク)の用途

メタマスクの概要を説明したところで、次は具体的にどのような用途があるのか、それぞれ解説します。
どのウォレットにも備わっている基本的な機能はもちろん、意外と知られていない機能もあります。
2-1 仮想通貨・NFTの保管
メタマスクは、イーサリアムをはじめとする複数のブロックチェーンに対応したプライベートウォレットです。
ユーザーは様々な仮想通貨やNFTをメタマスク上に安全に保管できます。秘密鍵はユーザー自身が管理するため、取引所のように倒産リスクなどの影響を受けません。
2-2 仮想通貨・NFTの送受信
仮想通貨やNFTを簡単な操作で送受信できます。
もちろん、メタマスク以外の仮想通貨ウォレットや仮想通貨取引所に送金することも可能です。
2-3 仮想通貨のステーキング
メタマスクを経由してイーサリアムなど一部のトークンをステーキングすることもできます。
メタマスクにて提供されるステーキングは、通常のステーキングに必要なトークンよりも少額で開始できるメリットがあります。詳しくは「3-3 イーサリアムを少額からステーキングできる」で解説。
2-4 仮想通貨のスワップ(交換)
メタマスクのスワップ機能を使えば、異なるトークン同士の交換を簡単に行えます。
分散型取引所(DEX)を横断的に比較して、最適なレートを提示してくれるため個別にサイトを使い分ける手間がかかりません。
ガス代込みで見積もり表示される点も便利です。
2-5 仮想通貨のブリッジ
異なるブロックチェーン間でトークンを移動できるブリッジ機能もあります。
これは、DeFiやマルチチェーン戦略を使う上で重要な機能です。一つのインターフェースで複数のチェーンに対応するほか、複数のブリッジプロバイダから最適なルートを自動提案してくれます。
2-6 DeFi・dAppsとの連携
メタマスクは、ブロックチェーンを基板とする様々なアプリケーションの総称であるdAppsと直接接続できます。
大手DEX「Uniswap」などのDEX、「Aave」などのレンディングプロトコル、「OpenSea」をはじめとしたNFTマーケットプレイスなど、さまざまなサービスに連携させて資産の操作や署名が可能です。
接続先は自分で選び、不要になったら解除も可能です。

2-7 専用デビッドカードの支払い

メタマスクはMastercardと提携したデビットカード「MetaMask Card」を一部地域で提供しています。このカードを使えば、メタマスクで保管する仮想通貨をそのままリアル店舗やオンラインで決済に使えます。
仮想カードと金属製の物理カードがあり、メタマスクウォレットと直接連動する点が特徴です。
3.MetaMask(メタマスク)は他と何が違う?8つの特徴

他の数あるウォレットの中と比較して、メタマスクにはどのような特徴があるのでしょうか。
この章では、他のウォレットとの比較に焦点を当てたうえで、メタマスクの8つの特徴をわかりやすく紹介します。
3-1 イーサリアム系チェーンに強い
メタマスクは元々イーサリアムのために設計されており、イーサリアムメインネットをはじめ、アービトラム(ARB)・オプティミズム(OP)・ポリゴン(POL)などのEVM互換チェーンに強みがあります。
現状はイーサリアム系の仮想通貨がメインですが、マルチチェーン対応を進めており、2025年にはソラナに対応開始。今後ビットコインなど他のチェーンへの対応も見込まれています。
3-2 ホットウォレットのためスムーズな取引が可能
仮想通貨ウォレットは、ホットウォレットとコールドウォレットに分けられると説明しました。
メタマスクは前者に分類され、常時インターネットに接続されているためスピーディな操作・取引が可能です。
3-3 イーサリアムを少額からステーキングできる

メタマスクを経由してLidoなどのDeFiのステーキングプロトコルと連携し、ETHなどの資産をスマートコントラクト経由でステーキングできるサービスを提供しています。
従来、イーサリアムのステーキングを行うには、32ETHをネットワークに預け入れる必要がありましたが、この機能により少額からのステーキングが可能となりました。
3-4 対応するDeFi・dAppsが多い
仮想通貨ウォレットの中でも多数のユーザーを抱えるメタマスクは、UniswapやAave、OpenSeaなど幅広いDeFiやdAppsに標準対応しています。
大半のWeb3サービスで「MetaMaskに接続」のボタンが設置されており、初期設定だけでそのまま使える利便性があります。
3-5 ガス代(ネットワーク手数料)をコントロールできる
MetaMaskでは、トランザクション実行時にガス代の上限を手動で設定できます。
一部のブロックチェーンでは、多くのガス代を必要とするトランザクションが優先的に承認されます。つまり、ガス代を多く支払うほど早く取引が完了するようになっています。
ガス代を手動で調節することにより、処理速度を優先して高めに設定するか、コストを抑えるかをユーザーが選べるため、戦略的な取引が可能です。
3-6 エアドロップの確認機能
通常、各仮想通貨プロジェクトのエアドロップは、ユーザーが個別のサイトにアクセスして情報収集する必要があります。
しかし、メタマスクでは受け取れるトークンのエアドロップを検出して表示する機能が実装されています。「メタマスクポートフォリオ」という資産の一覧表示ページにて、自身のメタマスクウォレットを接続することで利用できます。

見逃しがちなエアドロップも、簡単に把握できるほか、受け取りもワンクリックで完了します。
3-7 他チェーンや機能を追加できる「Snaps」

「Snaps」はメタマスクのプラグイン機能です。
ソラナなどの非EVMチェーンへの接続や、セキュリティ拡張、通知機能の追加などメタマスクの機能を自由に拡張できます。
3-8 独自機能「スマート・トランザクション」
「スマート・トランザクション」は、Consensysが開発した独自技術であり、オプションとして利用できる機能です。
すべてのトランザクションを事前にシミュレーションすることで取引の成功率の飛躍的な向上、ガス代の削減といった効果が見込まれます。
また、取引が承認されるまで非公開に保たれるため、セキュリティが向上し、ボットによるフロントランニングを防ぐ効果があります。
4.MetaMask(メタマスク)の始め方

ここまで、メタマスクの用途や特徴を解説してきました。
この章では、実際にメタマスクをインストールして使えるよう状態にする方法をわかりやすく図解します。
PCではWebブラウザの拡張機能を、スマホであれば専用アプリをダウンロードする必要がありますが、例としてGoogle Chromeの拡張機能を設定する方法を紹介します。
4-1 MetaMask公式サイトで「GET METAMASK」をクリック

まずはメタマスクの公式サイトにアクセスし、トップページの「GET METAMASK」をクリックします。
4-2 Google ChromeウェブストアでMetaMaskをダウンロード

遷移先のGoogle Chromeウェブストアのページで「Chromeに追加」をクリックすると、自身のGoogle Chromeの拡張機能にメタマスクが追加されます。
4-3 自動遷移したMetaMaskのページで「GET STARTED」をクリック

拡張機能にメタマスクが追加されると、自動的にメタマスクのページに遷移します。
ページ内の「GET STARTED」をクリックすると、利用規約が表示されるので、確認したら「Agree」をクリックします。
4-4 「新規ウォレットを作成」をクリック

メタマスクウォレットの作成ページに遷移するので、「新規ウォレットを作成」をクリックします。
4-5 パスワードを入力

パスワードの入力画面に遷移するので、8文字以上のパスワードを考えて入力します。
入力を終えたら「Create password」をクリックします。
4-6 「GET STARTED」をクリック

遷移先のページにて、リカバリーフレーズについて注記されています。
リカバリーフレーズとは、「シードフレーズ」とも呼ばれ、ウォレットを復元(リカバリー)するための一連の単語のこと。これらは資産の鍵そのものと言っても過言ではなく、決して他人に教えてはいけません。
また、忘れたり紛失したりしたら永久にウォレット内の資産を取り出せなくなるため、必ず紙などに控えた上で厳重に保管しましょう。
上記を理解した上で、「GET STARTED」をクリックし、リカバリフレーズの画面に進みましょう。
4-7 シードフレーズを確認し紙に控える

遷移先のページで「Tap to reveal」をクリックすると、それぞれ数字が割り振られた12個の英単語が表示されます。
数字とともにそれら全ての単語を紙にメモして保管しておきましょう。繰り返しますが、決して第三者にこれらのシードフレーズを教えたり、紛失したりしてはいけません。
メモできたら「続行」をクリックします。
4-8 シードフレーズのテスト

きちんとシードフレーズをメモできているか確認するためのテストが表示されます。
空欄に当てはまるフレーズを選択肢し、全て正解したらメタマスクウォレットの作成が完了します。
なお、スマホアプリでもダウンロード後の操作手順は基本的に変わりません。
5.MetaMask(メタマスク)の使い方

メタマスクウォレットの作成が完了したら、実際に使ってみましょう。
本章では、以下の3つの基本操作の手順をわかりやすく図解します。
- メタマスクに仮想通貨を入金
- メタマスクをdAppsに接続
- メタマスクから仮想通貨を送金
5-1 メタマスクに仮想通貨を入金
まずは、メタマスクに仮想通貨を入金する方法について。例として、国内仮想通貨取引所SBI VCトレードからイーサリアム(ETH)を送金する手順を紹介します。
同取引所は仮想通貨を1円~購入できるほか、送金手数料が無料のためコスト削減やお試しの送金にもうってつけです。
5-1-1 メタマスクのアドレスをコピー

最初に、メタマスクのイーサリアムアドレスを取得します。
上掲の画像①のネットワークで「Ethereum Mainnet」が選択されていることを確認。
その上で、②のアドレス部分にカーソルを合わせると「クリックボードにコピー」と表示されるので、クリックするとイーサリアムアドレスをコピーできます。
5-1-2 SBI VCトレードで送金先にメタマスクのイーサリアムアドレスを登録

自身のメタマスクウォレットのイーサリアムアドレスを取得したら、次はSBI VCトレードからETHを送金する手続きを行います。まずは送金先の登録からです。
SBI VCトレードの公式アプリを開き、「メニュー」→「資産 / 入出金」→「ETHを送る」を選択します(画像1枚目)。
その後、「アドレスを登録する」をタップし(画像2枚目)、ETHの送信先を登録します(画像3~4枚目)。
画像3枚目の「宛先ラベル」は覚えやすい任意の名称を記載、「ウォレットアドレスを入力」欄に先ほどコピーしたメタマスクウォレットのETHアドレスを貼り付けます。
その他の項目も入力(選択)し登録完了すると、「送信先アドレス一覧」に登録したアドレスが表示されます(画像5枚目)。
5-1-3 SBI VCトレードからETHを送金

アドレスの登録が完了したら、いよいよメタマスクウォレットにETHを送金します。
「送信先アドレス一覧」から、先ほど登録したメタマスクウォレットのイーサリアムアドレスを選択(画像1枚目)。
送金したいETHの数量を入力し、「イーサリアムを送る」をタップします(画像2枚目)。直後にSBI VCトレードから確認メールが届くので、メールに記載されたリンクをタップすれば送金予約完了です。
問題なければ、しばらくするとメタマスクにETHが着金します。なお、以下の記事では、仮想通貨取引所を利用した送金方法や送金時の注意点をまとめていますのでこちらもご覧ください。
5-2 メタマスクをdAppsに接続
メタマスクに仮想通貨を入金したら、ブロックチェーンを基盤としたサービスであるdAppsに接続することで、サービス内で仮想通貨を決済などに利用できるようになります。
多くのdAppsでは、メタマスクなどのウォレットを連携することで、個人情報の入力を必要とせずに自動的にアカウントが開設されサービスが利用できるようになっています。
ここでは、例として世界最大手NFTマーケットプレイス「OpenSea」にメタマスクを接続する方法を解説します。
5-2-1 OpenSeaの公式サイトで「ウォレットを接続」をクリック

まずOpenSeaの公式サイトにアクセスし、トップページ右上の「ウォレットを接続」をクリックします。
5-2-2 ウォレット一覧から「MetaMask」を選択

接続可能なウォレットの一覧が表示されるため、「MetaMask」を選択します。
5-2-3 「Ethereumと~」をクリック

接続するネットワークを選択する画面が表示されます。
ソラナ以外のブロックチェーンで接続する場合は、「Ethereumと~」をクリックします。
5-2-4 立ち上がったメタマスクの画面で「接続」をクリック

自動的にメタマスクウォレットが画面上に立ち上がるので、「接続」をクリックします。
5-2-5 メタマスクの署名要求画面で「確認」をクリック

OpenSeaの利用規約の確認画面が表示されます。確認した上でチェックボックスにチェックを入れたら「続行」をクリックします。
最後に、メタマスクの署名要求画面が表示されるので「確認」をクリック。これでメタマスクの接続が完了します。
5-3 メタマスクから仮想通貨を送金
日本円への換金などの目的でメタマスクから仮想通貨を送金することもあるでしょう。
ここでは例として、メタマスクからETHをSBI VCトレードに送金する手順を解説します。
5-3-1 SBI VCトレードでイーサリアムアドレスをコピー

最初に、SBI VCトレードのイーサリアムアドレスを取得します。
SBI VCトレードの公式アプリを開き、「資産/入出金」をタップすると、仮想通貨の一覧が表示されます。
画像①「ETH」を選択→画像②「ETHを受け取る」を選択。その後、「アドレスをコピー」をタップすると、ETHのアドレスをコピーできます。
5-3-2 メタマスクの画面で「Ethereum」をクリック

次に、メタマスクを開きETHの送金を行います。
トップ画面から「Ethereum」をクリック。
5-3-3 「送金」をクリック

表示された各種操作一覧の中から、「送金」をクリックします。
5-3-4 メタマスクにSBI VCトレードのETHアドレスをペースト

「移動先」の欄に先ほどコピーしたSBI VCトレードのETHアドレスをペーストします。
5-3-5 送金したいETHの量を入力

画像①の欄に送金したいETHの量を入力します。
なお、ETHを含め仮想通貨の送金にはガス代が発生します。この時、残高からETHが差し引かれるため、ガス代を考慮した送金額を入力する必要があります。
入力後は画面右下の「続行」をクリックします(画像②)。
5-3-6 ガス代と送金スピードを確認

現在のガス代と送金スピードが表示されます(画像①)。このまま右下の「確認」をクリックすると送金が行われます。
画像②のマークをクリックすると、ガス代を選択する画面に遷移します。
5-3-7 ガス代を選択

希望するガス代を選択できます。イーサリアムチェーンのネットワークでは、ガス代が高いほど優先的にトランザクションが処理されます。
コストと送金スピードのバランスを考慮して選択するようにしましょう。選択後は、直前の画面で「確認」をクリックします。
5-3-8 送金完了

送金が完了すると、画像のような画面が表示されます。
6.MetaMask(メタマスク)の将来性

メタマスクでは、ユーザー体験をさらに向上させるために、いくつものアップデートを計画しています。
ここでは、その中でも特に注目すべきものをピックアップし解説します。
6-1 ビットコインを含めたマルチチェーン対応
現状は対応するブロックチェーンチェーンはEVM互換チェーンが中心のメタマスクですが、2025年第3四半期にはビットコインにも対応予定としています。
ビットコインのエコシステムでは、BTCのほかビットコイン版NFTとも呼ばれる「Ordinals」やBRC20トークンの需要が高まっており、ユーザーの要望も増えていました。
ソラナ基盤のウォレットである「ファントム」や「マジックエデン」などビットコインに対応するウォレットが増加しつつある中で、メタマスクもユーザー基盤強化に向けて動いた格好です。
6-2 保有する任意のトークンでガス代支払いが可能に
ブロックチェーン上で仮想通貨の移転など処理の実行を行う際にはガス代が発生しますが、当該トークンの保有量が足りずに支払いができないという問題がしばしば発生します。
この問題を解決するため、メタマスクで保有する任意の仮想通貨を選択してガス代として使用できる機能の実装を予定しています。
現状では、スワップ対象の銘柄でガス代を支払える機能がすでに実装されていますが、上記機能により選択肢が飛躍的に増えることとなるため、利便性向上が見込まれます。
6-3 コールドウォレットレベルのセキュリティを実現
メタマスクは、従来の「EOA(外部所有アカウント)」からスマートコントラクト型アカウントへの移行を計画しています。
EOAとは、秘密鍵により直接操作するアカウントのこと。すべての操作を秘密鍵で行うため、秘密鍵が悪意のある第三者に流出してしまったら資産をすべて盗み出されるリスクがあります。
対するスマートコントラクト型アカウントは、アカウント自体が「スマートコントラクト」 でできているものです。ユーザーは自信のアカウントに「1日あたりの出金限度額」や「利用条件つきのアクセス権を発行」など任意でセキュリティに関わるルール・制限を設定できるようになる予定です。
さらに、「金額制限付きのホットウォレットを日常用に、残高は別に厳格管理」など、日常用の制限付きホットウォレットの使用とオフラインの資産管理とが同一アカウントで可能になるといいます。
7.MetaMask(メタマスク)の注意点
メタマスクは便利で多機能な仮想通貨ウォレットですが、使い方を誤ると資産を失うリスクもあります。
この章では、安全に利用するために知っておきたい注意点を解説します。リカバリーフレーズの管理やフィッシング詐欺への対策など、初心者がつまずきやすい落とし穴を事前に確認しておきましょう。
7-1 秘密鍵・リカバリーフレーズの管理が自己責任
メタマスクは「自己管理型ウォレット」のため、秘密鍵やリカバリーフレーズを紛失すると、ウォレットの中身(資産)に2度とアクセスできなくなります。
また、他人に教えたり流出してしまったりした場合は、資産をすべて盗まれるリスクもあります。決して紛失・流出しないように厳重に保管する必要があります。
メモをオンライン上で保存すると流出するリスクが高まるため、紙に書き出しての保存が推奨されます。
7-2 ネット接続によるリスク
メタマスクは常にインターネットに接続されたホットウォレットのため、ハッキングのリスクが完全には排除できません。
大量の資産はコールドウォレットで保管し、MetaMaskは「日常用財布」として使うのが安全です。
7-3 モバイル・拡張機能としての脆弱性
ブラウザ拡張機能やスマホアプリで利用するため、ウイルスやマルウェアに感染した端末での使用は非常に危険です。
信頼できるデバイス、最新のセキュリティソフトの使用が推奨されます。
7-4 詐欺サイトやフィッシングの危険
メタマスクはWebブラウザ上でdAppsと接続するため、偽サイトとの接続に注意が必要です。
インターネット上に多数存在する本物そっくりの詐欺サイトに接続・署名をしてしまうと、資産を抜き取られる可能性があります。
また、近年、シークレットリカバリーフレーズを盗み取るフィッシング詐欺も横行しているので注意しましょう。
7-5 「スキャムコイン」に注意
近年、XなどSNSを中心に「知らぬ間にスキャムコインがメタマスクに入金されている」という報告が多数上がっています。
スキャムコインとは、詐欺目的で発行された仮想通貨のこと。このようなトークンに接続許可(approve)を実行すると、自信のメタマスク上に保管されている資産が盗み出される可能性があります。
メタマスクに身に覚えのない仮想通貨の入金がされている場合、決して接続許可を実行せずに非表示設定にしましょう。
8.MetaMask(メタマスク)のまとめ
メタマスクは、その利便性により世界で仮想通貨ウォレットの標準としての地位を確立しています。
ホットウォレットのため大金を保管するのは避けるべきですが、各種注意点を守ったうえで適切に使えばWeb3の入り口として快適なユーザー体験が得られるでしょう。
また、今後はビットコインのネットワークへの対応をはじめとし、いくつものアップデートが予定されているため、さらなるUX向上が期待できます。

仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り