Japan Open Chainの近藤氏が内情を暴露
Japan Open Chainの共同創設者である近藤秀和氏は4日、国内暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードが、2024年12月に行われたIEO後のJOCトークン上場時に発生したシステム障害により日本の投資家が損失を被ったことについて、「(同取引所が)誠実に対応する意思がないことが明らかになった」と述べた。
BitTrade社に関するご報告
これまで、投資家の皆様への適切な補償を行うよう、1月末までの対応を強く求めてまいりました。当初は一定の前向きな対応が見られる場面もありましたが、本日、残念ながら実際には誠実に対応する意思がないことが明らかとなりました。…
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) February 4, 2025
また、2024年11月~12月に実施したIEOの申し込み受付時に、受付システムのセキュリティ上の脆弱性が発覚したにもかかわらず、同取引所が公表していなかったことなどを明らかにした。
加えて、まだ公表していない重大な事実があり、当局を含め関係各所と連携して対応を進めていることも明かした。インシデントなど騒動の詳細な経緯については、こちらのnoteにまとめているのでご覧いただきたい。
騒動の経緯
ことの発端は2024年12月、ビットトレードがJapan Open Chainの手数料トークンJOCのIEOを行った後、同取引所にて取り扱い開始する直前から上場後数十分間、アクセス過多によりシステム障害が発生し一部ユーザーがログインできない、あるいは取引サービスを利用できない事態が発生したことだ。
JOCはビットトレードの他、複数の海外取引所に同時上場したが、ビットトレードでのみインシデントが発生したことで、日本の投資家のみ上場直後の最も乱高下するタイミングでの投資機会を逃し損失を被った格好だ。
これを受け、近藤氏はこれまでビットトレードに対し、再三にわたり投資家への補償を要求し、同取引所の対応の遅さを非難する投稿を繰り返してきた経緯がある。プロジェクトとしても大きな損失を被ったとし、ビットトレード社への損害賠償請求も示唆していた。
なお、JOCのIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)による事前販売では、目標調達額の12.6億円を大幅に超える90億円以上の申し込みを記録した。
暴露された騒動の内情
近藤氏はIEOの実施過程において、ビットトレードが用意した受付システムは認証機能は「単なるお問い合わせフォーム」だったと明かした。先着順としていた一口500万円の申し込みに関して誤入力が多発していたという。
さらに、この申込フォームにはセキュリティ上の脆弱性があり、第三者の資産を誤ってロックしてしまう可能性があることが判明したにもかかわらず、この問題について公表していなかった。近藤氏は「不都合な情報を意図的に伏せようとしている状況がうかがえる」と述べている。
同氏は、今日に至るまでビットトレード社と、投資家への補償を求め度々協議し、その内容を発信してきたが、「残念ながら、交渉による解決は困難であると判断せざるを得ない」との認識を示したうえで「より高いレベルでの対応」を進める方針とした。
そのほか、まだ公表していない重大な問題があるとし、当局を含めた関係各所と水面下で対応を進めているという。「解決に至らない場合には、適切なタイミングで公表を検討」すると述べた。
ビットトレードの投資家への補償については協議を継続し、補償の対応を強く求めていくとしている。
Japan Open Chainの施策
近藤氏はJapan Open Chainの施策として、近日レンディングプログラム(貸暗号資産)を検討していると明かした。
JOCの売り圧の発生を避けるため、レンディングの報酬にはステーブルコインを付与することを検討しているという。
同プロジェクトは「そのエコシステムの性質上、バリデータからのフィアットの収入があるため、そちらを投資家に還元できる仕組みをそなえておりますため、他のチェーンプロジェクトと異なりこのようなことが実現できる」と優位性を強調した。
また、1月には検討中の施策として、JOCの他社への上場、JOCのステーキングサービス提供、および仮想通貨交換業の取得を挙げていた。
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り