TOEICにブロックチェーン導入

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は1月31日、同協会が運営する英語技能検定「TOEIC® Program(以下、TOEIC)」に、ブロックチェーン技術を活用したデジタル公式認定証を導入することを発表した。

大規模検定試験におけるデジタル公式認定証の発行は日本初とみられる。デジタル公式認定証は2023年4月の公開テストのテスト結果より発行される。

TOEICは、英語能力全般を測定するための世界共通のテストで、世界160ヵ国、約14,000の企業・団体で活用される。

改ざんできないデジタル認定証

認定証のデジタル化には、東証プライム上場の株式会社サイバーリンクスが提供するブロックチェーンを利用したデジタル証明書発行サービス「CloudCerts®(クラウドサーツ)」を活用している。

CloudCerts®は、書類が改ざんされていないことを担保する「完全性」および書類の発行元が正しいことを担保する「真正性」の双方に優れたブロックチェーン証明書の世界標準規格「Blockcerts」に準拠する。同サービスの活用により、暗号化された公式認定証がブロックチェーン上に記録され、改ざんできないデジタル公式認定証の付与が可能となるという。

また、印刷・送付にかかるコスト削減に寄与し、テスト結果を早く届けられるため受験者や学校などの利便性向上につながるとした。なお、デジタル公式認定証の導入に伴い、2023年11月の公開テストより紙の公式認定証は廃止する予定(必要な人は有料で再発行可能)だという。

デジタル公式認定証は、登録メールアドレスに通知される専用URLをクリックすれば確認できる。受験者や受領側(企業・大学など)でも発行元の確認や改ざんがないかを検証できる仕組み。以下がデジタル公式認定証のイメージだ。

デジタル公式認定証イメージ 出典:IIBC

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンメディア「あたらしい経済」によれば、同サービスのブロックチェーンはイーサリアム(ETH)が使用されている。

導入の背景

ブロックチェーン活用のデジタル公式認定証導入の背景について、IIBCは以下のように説明する。

入試や就職などのシーンにおいてもWEBでの出願やエントリーが主流となり、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により様々なサービスのデジタル化が加速しています。こうした中、当協会では従来紙で発行してきた公式認定証のデジタル化を検討してまいりました。

デジタル化にあたっては、紙の公式認定証の偽造防止と同等の改ざん防止が求められますが、ブロックチェーン技術を活用することで、TOEIC Programのテスト結果を改ざんできない形でデジタル化することが可能となります。

デジタル公式認定証の導入によりスコア提出がオンラインで完結でき、TOEIC Programの利便性向上につながることが期待されます。

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参考:公式発表

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