全国の障害者福祉施設にNFTゲームを
株式会社WAVE3は2日、BCG株式会社と共同で開発した障害者の就労支援サポートを目的としたNFT(非代替性トークン)ゲーム活用型の工賃作業システム「RevelApp」の全国展開を開始したと発表した。
NFTゲーム各社のマーケティングに協力する形で「工賃捻出の座組みを実現させた日本初のサービス」として、障害者就労支援事業所の課題解決を目指す。
「RevelApp」の仕組み
WAVE3は同サービスについて、「遊ぶように、働く。」をコンセプトとするNFTゲーム活用型の工賃作業であり、同時にアセスメント補助システムの機能を兼ねていると説明。次のような特徴があるとした。
- ゲーム型工賃作業:NFTゲームを手軽にプレイできる環境を提供し、工賃作業として活用
- セルフモニタリングシート:体調記録表とゲームプレイ記録表から自動生成されるセルフモニタリングシートを提供
- データの可視化:記録したデータは自動的にグラフ化し、利用者の体調や通所可否の傾向を視覚的に把握
- 充実したサポート体制:導入から運用まで、福祉とブロックチェーンそれぞれの専門スタッフが丁寧にサポート
- 安定した工賃:ゲームプレイによる報酬は、仮想通貨の価格変動に影響されず、固定相場の工賃として日本円で毎月支給
プレイするNFTゲームは、各利用者の特性に合わせて複数のゲームを難易度別(レベル1~4)に用意し、ゲームプレイを通じて基礎的なPCスキル、金銭管理、時間管理などの就労準備に必要なスキルを楽しみながら訓練できるという。
セルフモニタリングシートは、各利用者が日々の体調や気分、生活リズム、ゲームでの成果を自身で記録することで、自己理解を促進し、支援者の効率的なアセスメントに繋がるとした。
データの可視化により、支援者は個別面談の準備時間を短縮でき、より質の高い支援に時間を割くことができると説明。連携機関への提供データとしても活用できるという。
利用者に支払う工賃はゲームの難易度に応じて設定されており、NFTゲーム各社のマーケティングに協力する形で工賃を捻出しているという。
RevelAppの導入により期待できる効果として、以下のような点を挙げた。
- 通所率の向上:魅力的な工賃作業として機能し、利用者様の通所モチベーション向上に貢献
- 新規利用者の獲得:ゲームを活用した特徴的なサービスとして、施設の差別化が図れる
- 就職率の向上:PCスキルや時間管理能力の向上により、就労への準備の一歩目へ
- 支援員の業務負荷軽減:アセスメント補助機能により、直接支援や面談時間を確保
- 利用者の自己理解促進:セルフモニタリングを通じて、自身の状態を客観的に把握する力が養われる
また、今後の展開として、RevelAppを継続的に実施すた施設を対象としたゲーム関連工賃作業・事務作業などの斡旋、ゲーム企業やその他特例子会社等から障害者雇用のオファーが得られる仕組みの提供、工賃作業のあり方を学ぶ機会の提供などを予定しているという。
日本には約21000件の就労支援施設があるが、多くの施設が利用者の通所率やモチベーションの維持に課題を抱えている。BCGの豊田光COOは、RevelAppがそのような現状の課題に対する解決策になると述べた。
WAVE3とBCGについて
WAVE3は、国内暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンメディア「CoinPost」を運営する株式会社CoinPostと、Web特化型の福祉就労支援施設を運営するWellsTech株式会社が、福祉領域に特化したWeb3およびAIサービス開発を目的に2022年7月に設立した合弁会社。BCG株式会社は、2024年に設立されたブロックチェーンゲームの開発企業だ。
両社は2月に業務提携を発表し、ブロックチェーンゲームを活用した就労支援モデルの構築を目指し、WellsTechが運営する就労継続支援B型施設「GIF-TECH’s(ギフテックス)」にて、NFTゲーム「My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)」を活用した実証実験を開始した。
そのほか、5月にはNFTゲーム「Crypto Spells」「NFTWars」との提携を発表し、提携先のゲームを拡充している。
参考:公式発表
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り