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仮想通貨・Web3.0市場の発展に向けて
金融庁は27日、2024事務年度金融行政方針の「実績と作業計画」を公表した。
AIを含むフィンテックの利活用や暗号資産(仮想通貨)取引、Web3.0市場の発展に関する計画も記載された。仮想通貨やWeb3.0の項目では、関連制度の再点検やIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)などに言及している。
金融庁のWeb3.0関連方針
金融庁は、AIやブロックチェーンなどデジタル技術を用いた金融サービスの急速な広がりに伴い、社会経済全体に大きな影響を及ぼしつつあるとの認識を示す。
「暗号資産取引等やWeb3.0の健全な発展」の項目では、国内仮想通貨取引所の口座数が1000万口座を超えるなど市場の成長に伴い、交換業者の適切な業務遂行と利用者保護の重要性が高まっていることを背景とした業界の発展を促すための作業計画が記されている。
具体的には、以下のような項目が挙げられた。
- 仮想通貨交換業者の仮想通貨管理に関するセキュリティ高度化の促進
- ステーブルコインの円滑な発行・流通に向けた環境整備
- 仮想通貨交換業の売買に関する媒介の業該当性の明確化
- IEO銘柄や国内初の銘柄取扱いの迅速化
- 仮想通貨関連制度のあり方の再点検
- ブロックチェーン国際共同研究プロジェクトを通じた関連ビジネスの発展
仮想通貨交換業者の仮想通貨管理に関するセキュリティ高度化の促進
5月に仮想通貨取引所DMMビットコインを運営する株式会社DMM Bitcoinにて顧客からの預かり分を含む482億円相当のビットコイン(BTC)が不正流出した事件を念頭に、利用者保護の観点から自主規制機関と連携し、各交換業者の仮想通貨管理におけるセキュリティ高度化を促すとした。
同社においては26日に財務省の関東財務局から業務改善命令が発出されたばかり。仮想通貨の保管やガバナンスに関して杜撰な管理体制が指摘され、事件の真相究明やシステム管理体制の強化などが命じられた。
ステーブルコインの円滑な発行・流通に向けた環境整備
ステーブルコインについて、円滑な発行・流通に向け、ステーブルコイン仲介者に対して迅速な登録審査を行うための取り組みを進めるとした。
ステーブルコインを巡っては、2023年6月に改正資金決済法が施行され、法定通貨を裏付けとするステーブルコインの国内での発行が解禁された。これを受け、銀行や企業が次々に日本円に価値が連動するステーブルコインの発行事業に参入表明している状況だ。
仮想通貨交換業の売買に関する媒介の業該当性の明確化
2つ目の項目について、金融庁は9月に仮想通貨交換業者の事務ガイドラインの一部改正を公表。ガイドラインの「暗号資産交換業の該当性の判断基準」では、仮想通貨売買の媒介にあたる条件について、具体例の提示とともに基準の明確化を図っている。
【オンランプに関する暗号資産交換業該当性】
9月6日に公表された事務ガイドライン(暗号資産交換業者関係)の一部改正によると、暗号資産交換業(売買の媒介)ではなく「紹介」に留まる行為として、「当該業者のウェブサイト上等において、暗号資産交換業者のサイトへの単なるリンクの設定や
— 成本治男|TMI総合法律事務所 パートナー弁護士 (@narimotoharuo) September 13, 2024
IEO銘柄や国内初の銘柄取扱いの迅速化
IEOを含む国内初の銘柄の迅速な取り扱い実現の項目については、審査を行うJVCEA(一般社団法人 日本暗号資産取引業協会)とさらなる改善策に関し検討を行うとした。
特にIEOに関しては、2021年にコインチェックがパレットトークン(PLT)のIEOを国内取引所として初めて実施して以来、現在までに上場したIEO銘柄は未だ6つに留まっている。IEOの検討が発表されている国内プロジェクトは多数存在するものの、煩雑な審査が実施を阻害している側面は否めない。
なお、直近では国内取引所ビットトード(旧フォビジャパン)にて、Japan Open Chain(JOC)のIEOについてJVCEAによる審査完了および今秋のIEO実施予定が発表されている。
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仮想通貨関連制度のあり方の再点検
仮想通貨関連制度のあり方の再点検については、具体例は記載されていないものの、先日金融庁はNFT(非代替性トークン)ゲームを提供する事業者によるゲーム内仮想通貨の取扱いに関して、規制緩和を行う方針であることが一部で報じられている。
ブロックチェーン国際共同研究プロジェクトを通じた関連ビジネスの発展
また、金融庁はブロックチェーンやWeb3.0領域の健全なビジネス発展に貢献する目的で、NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエと共同でブロックチェーン国際共同研究プロジェクト「金融セクターにおけるプログラム化(トークン化)の進展と Regtech/Suptech への活用可能性に関する研究」を行っている。
これは、通貨がステーブルコインなどプログラム可能なものに変換されていく潮流を踏まえ、ブロックチェーン技術の「Regtech/Suptech」への活用に関して金融庁がクニエに対し、調査研究を委託するものだ。
参考:金融庁
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り