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業界横断で仮想通貨ETF解禁に向け提言
仮想通貨の自動損益計算ツール「クリプタクト」などを提供する株式会社pafinは25日、暗号資産(仮想通貨)ETF国内解禁のための環境整備を求める提言書を公開したことを発表した。
提言書は、国内仮想通貨交換業者、証券会社、信託銀行など13社と法律事務所、税理士法人が共同で取りまとめたもので、あずさ監査法人が事務局を務めた。
これまで、仮想通貨ETFに関する考え方は企業や業界ごとに異なり統一的な見解はなかったが、今回各業界の有志が集まり提言書公開に至った。内容は大きく分けて3点あり、ETFに組み入れる銘柄をビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に絞って議論すべきとの提言も盛り込まれた。
提言公開の背景に、ビットコインなど一部の仮想通貨はパフォーマンスなどの面で中長期的な資産形成に資する資産としての性質を示しており、国内でも現物保有が広がりと保有期間の長期化傾向がみられることなどがある。
なお、提言内容は、国内仮想通貨ETF勉強会参加メンバーの総意であり、各メンバーの個別の意見全体や業界としての意見を表すものではないと付け加えた。
提言の3つの柱
提言には、以下の3つの柱がある。
- 仮想通貨ETFの組織を可能とする諸制度の整備を進めるべき
- 仮想通貨ETFおよび仮想通貨の現物取引について申告分離課税とすべき
- 仮想通貨ETFの組成に関わる議論の対象としてビットコイン・イーサリアムを優先すべき
日本でETFにおいて運用可能な資産は投信法(投資信託及び投資法人に関する法律)で定められている。現行法では、組成する投資信託の資金で投資できる「特定資産」に仮想通貨は含まれないため、特定資産の範囲の見直しを求めた。
また、仮想通貨ETF解禁には、仮想通貨をめぐる現行の税制も重石となっている。日本では仮想通貨取引によって発生した利益は、雑所得として扱われ、最大55%の総合課税が適用される。一方、有価証券であるETFは申告分離課税で税率は一律20%とされる。
仮に仮想通貨ETFが承認された場合、仮想通貨の現物保有から税金で有利な仮想通貨ETFへの流出の懸念がある。交換業者にとっては痛手となるため、現物取引についてもETFと同じ申告分離課税の対象とすべきとの提言が盛り込まれた。
ETFに組み入れる銘柄についても言及された。現在米国を始め各国で取引される仮想通貨ETFの中には様々な銘柄が組み込まれているが、中長期的な資産形成に資するかという観点から、国内での組成においては投資対象としての適格性が高いと考えられる仮想通貨、具体的にはビットコインとイーサリアムを優先すべきと提言した。
来年の仮想通貨ETF国内解禁の可能性はほぼゼロか
国内仮想通貨メディア「CoinDesk JAPAN」が業界関係者に行ったインタビュー内容として報じた内容によれば、国内で仮想通貨ETFが2025年までに解禁される見通しは絶望的だ。
先述の投信法で定められる特定資産の見直しに関して、金融庁長官の井藤英樹氏や鈴木俊一財務大臣は、仮想通貨を特定資産に組み入れることについて、制度の趣旨に沿っているかという観点で慎重な姿勢を示している。
また、仮想通貨をめぐる税制改正の要望も業界が長年行ってきているが未だ実現の見通しが立たない。関係者は上記の2つの障害の存在が、国内解禁を強力に阻んでいるとの考えを示した。
一方、ブルームバーグが報じた金融庁の関係者の証言によれば、同庁は仮想通貨規制を見直し、金融商品取引法の対象とすべきかを議論する可能性がある。制度変更が行われれば、仮想通貨の税率引き下げの機運が高まり、仮想通貨ETF承認の道が開かれる。
また、国内の一部企業は国内解禁を見据え動き出している。
bitFlyerを擁するbitFlyer Holdingsは7月にFTX Japanを買収。FTX Japanを「Custodiem」に商号変更したうえで仮想通貨の保管・管理を行うためのカストディ事業参入を表明。SBI VCトレードを擁するSBIホールディングスも同月に米資産運用大手フランクリン・テンプルトンと共同でデジタル資産を取扱う運用会社の設立予定を発表した。
参考:株式会社pafin
参考:日本経済新聞
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り