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「コインチェックIEO」第3弾を解説
2021年7月に、国内大手暗号資産（仮想通貨）取引所コインチェックが先陣を切ってIEO（イニシャル・エクスチェンジ・オファリング）を実施して以来、他の交換業者も含め多数のプロジェクトのIEOが実施されました。
IEOをめぐっては、他の取引所では上場前後のオペレーションの不備や価格形成などの点で課題が指摘されるケースもある中、コインチェックのIEOは投資家から概ね高評価を得ています。
そんな同取引所が実施するIEO第3弾は、「ブリリアンクリプトトークン（BRIL）」。東証プライム市場に上場する株式会社コロプラの100%子会社である株式会社Brilliantcryptoが開発するNFT（非代替性トークン）ゲーム『Brilliantcrypto』で活用される仮想通貨です。
本記事では、「コインチェックIEO」の概要、第3弾BRILのIEO詳細とBRILおよびNFTゲーム『Brilliantcrypto』の概要を解説します。
以下は、国内取引所のIEO銘柄を実施予定のものを含め網羅した記事です。併せてご覧ください。
- ブリリアンクリプトトークン（BRIL）上場予定のコインチェックIEOとは
- ブリリアンクリプトトークン（BRIL）のIEO詳細
- ブリリアンクリプトトークン（BRIL）とは
- ブリリアンクリプトトークン（BRIL）活用のNFTゲーム『Brilliantcrypto』とは
- 4-1 AIとメタバースの導入
- 4-2 3種類のゲーム内通貨
- 4-3 宝石NFTとつるはしNFTの特徴
- 4-4 ロードマップ
- 4-5 世界初のNFT宝石への投資ファンド設立
- ブリリアンクリプトトークン（BRIL）まとめ
目次
1.ブリリアンクリプトトークン（BRIL）上場予定のコインチェックIEOとは
「コインチェックIEO」は、コインチェックが企業やプロジェクトによる仮想通貨を活用した資金調達やコミュニティ形成を支援するためのプラットフォーム。同社が発行体の事業内容や資金調達の用途および発行されたトークンの審査・販売を行います。
IEOに参加した投資家はトークンを取得でき、取得したトークンはコインチェックの取引所サービスで売買や様々なサービスで活用できます。また、コインチェックIEOでは、最小注文数量が低めに設定されているため、リスクを抑えて少額から参加できます。
2021年7月に開始した同サービスでは第1弾プロジェクトに「パレットトークン（PLT）」が、第2弾プロジェクトに「フィナンシェトークン（FNCT）」が選定されました。PLTとFNCTのIEO結果やプロジェクト概要については以下の記事をご覧ください。
関連記事：コインチェックIEO第1弾「パレットトークン（PLT）」とは｜NFT特化型チェーンの将来性
関連記事：コインチェックIEO第2弾「フィナンシェトークン（FNCT）」とは｜次世代クラファンの仮想通貨
1-1 コインチェックIEOの実績
以下は、コインチェックIEOのこれまでの実績です。いずれも購入申し込み受付開始からわずかの間に目標調達額を達成し、公募価格を上回る価格をつけています。
ただし、FNCTに関しては上場直後は急騰しましたが、間もなく反落して公募価格を大きく割る期間が続きました。
1-2 ブリリアンクリプトトークン（BRIL）発行体のBrilliantcryptoとは
ブリリアンクリプトトークン（BRIL）を発行するBrilliantcrypto株式会社は、東証プライム市場に上場する株式会社コロプラの100％子会社。仮想通貨・ブロックチェーン開発を行う会社として、2022年11月に設立されました。
親会社のコロプラはオンラインゲームの開発企業で、これまでに『白猫プロジェクト』『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』などのヒット作を多数輩出。また、『白猫GOLF』を約170ヶ国に配信するなど海外展開にも積極的に取り組んでいます。
同社は2024年3月、韓国ロッテグループのCALIVERSE社とメタバース経済圏共同創出を目指す提携を発表。CALIVERSE社はロッテ情報通信の子会社であり、ハイクオリティメタバース「CALIVERSE」を開発する企業です。
また、Brilliantcrypto社はIEOに先立ち、ゲームから生み出される宝石NFTに、最大100万ドル（約1.5億円）の投資を行うファンドの設立予定を発表しています。ゲームのリリース初期から投資を行うとしていることから、BRILや宝石NFTの価値向上が期待されます。
2.ブリリアンクリプトトークン（BRIL）のIEO詳細
BRILの総発行数10億枚のうち、7％の7千万枚がIEOで販売されます。
販売価格は21.6円で最小申込単位は250 BRIL（5400円）、申し込み上限は2000口（10800000円）、手数料は8％です。詳細は以下の通り。
また、今回のIEOでは抽選方式が変更され、購入申し込み金額に関わらず、申し込み者全員に1口が必ず配布されます。
ただし、IEO購入申し込み者がIEOの販売総数である28万口を超えるかどうかで以下の対応に分かれます。
過去2回のコインチェックIEOでは申し込みをしても1口も当選しない人もいたため、一部で不満の声が上がっていたことから、より公平に多くの小口投資家の参加を促すシステムが採用されました。
BRILのIEOの抽選申し込みに参加するには、コインチェックで口座開設する必要があります。
2-1 開始後13分で目標調達額の15億円を達成
コインチェックは2024年5月27日にBRILの抽選購入申し込みを開始したところ、開始からわずか13分で調達目標金額の15億1200万円を突破したことを発表しました。これは、国内で実施されたIEOによる資金調達では過去最大金額です。
2023年後半から仮想通貨市場の地合いが好転したことや、同取引所が抽選申し込み開始初日の申込者を対象としたBRILのプレゼントキャンペーンを打ち出していたことも申し込みを後押ししたと考えられますが、過去2回のコインチェックIEOの実績がもたらす期待が最大の要因というべきでしょう。
今後のBRILのIEOスケジュールは以下の通りです。
BRILの上場は取引所サービス（板取引）と販売所サービスの両方で行われます。
前者は6月17日11:30から板寄せ方式により注文受付を開始し、正午から板寄せを行いザラバへ移行。最小注文数量は1BRIL以上かつ500円相当額。
後者は正午以降、取引所に十分な流動性があることを確認でき次第、取引が開始されます。最小注文数量は500円相当額。
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3.ブリリアンクリプトトークン（BRIL）とは
先述の通り、ブリリアンクリプトトークン（BRIL）はコロプラ子会社のBrilliantcryptoが開発するNFTゲーム『Brilliantcrypto』で活用される仮想通貨です。ポリゴン（MATIC）チェーン上で発行されます。
同タイトルは、デジタル世界で宝石の獲得を目指す持続可能性を追求したマイニングゲーム。獲得した宝石はNFT化し、ゲーム外のメタバースに持ち込めるようになるといいます。ゲームのPC版プレリリースは2024年6月17日を予定。
BRILは、以下のような用途で活用されます。また、ゲーム内で鉱山を採掘することによりBRILを獲得することもできます。
- ゲーム内マーケットプレイスでの宝石NFTの購入
- ゲーム内マーケットプレイスでの宝石を採掘に必要なつるはしNFTの購入
- つるはしの回復
- つるはしのレベルアップ
ただし、設定で選択した国の取引所でBRILの取扱いが開始されるまではゲーム内にBRILは登場せず、代わりにBRILポイントという仮想通貨とは異なる電子データが使用されます。
BRILはコインチェックによるIEOを経て、6月17日に同取引所で取扱い開始予定。IEOの申し込みやコインチェックでの売買を行うには、口座開設が必要です。また、コインチェックのみならず世界中の取引所への上場を目指す方針です。
4.ブリリアンクリプトトークン（BRIL）活用のNFTゲーム『Brilliantcrypto』とは
コロプラ子会社のBrilliantcrypto社は、2024年6月17日にPC版NFTゲーム『Brilliantcrypto』のプレリリースを予定しています。プレリリースに先立ち実施されたクローズドβテストでは、「無心でプレイできる」「中毒性がある」など評価する声も上がっています。
同タイトルは、ゲーム内の鉱山からNFTのつるはしを使い宝石やBRILの採掘を目指すという内容。ゲームプレイによって獲得したNFT宝石やBRILをゲーム内NFTマーケットプレイスやBRILを取扱う取引所で売却することで、ユーザーは収益を得ることができます。
同作は、以下の6つの要素で成り立っています。
- 発掘：鉱山を掘り進み、宝石を発掘
- 探検：採掘を通して、神秘的な世界を堪能
- 探索ツール：探知機・ライト・爆弾など様々なツールを駆使して探索
- 輝石：採掘後にトークンと交換できるアイテム
- NFT宝石：採掘で獲得できるデジタル世界の宝石
- NFTつるはし：宝石や輝石を採掘するアイテム
ビットコインのマイニング（採掘）を行う合意形成アルゴリズム「Proof-of-Work」から着想を得た「Proof-of-Gaming」をコンセプトとし、デジタル世界で価値を持つ本物の宝石を生み出す持続可能な「Play-to-Earn（遊んで稼ぐ）」ゲームを目指しています。
同プロジェクトは、ゲーム内の宝石NFTに最大100万ドル（約1.5億円）規模で投資するファンドの設立予定を発表したほか、グローバル展開を目指し名門サッカークラブ「パリ・サンジェルマン」とスポンサー契約を締結するなどマーケティングにも余念がありません。
以下、ゲームの特徴、エコシステムやロードマップなどについて詳しく解説します。
4-1 AIとメタバースの導入
同タイトルでは、AIを導入し自動でユーザーの不正検知を行うほか、運用の一部を任せることでプロジェクトの意思決定の一部をAIが行うようにし非中央集権的なゲーム運用の実現を目指すとしています。
また、コロプラが多額の投資家をしてきたメタバースの活用を前提として開発されており、いずれは多数のメタバース空間上に宝石のNFTを持ち出せるようにし経済圏の拡張を図ろうとしています。
先述のメタバースを提供するCALIVERSE社との提携は、そのための布石と言えるでしょう。
4-2 3種類のゲーム内通貨
ゲーム内通貨は、「ブリリアンクリプトトークン（BRIL）」「BRILポイント」「ポリゴン（MATIC）」の3種類です。
4-2-1 BRIL
BRILは、採掘で獲得できる輝石から変換されるゲームプレイ中に使用することができるユーティリティトークン。ゲームプレイを通して獲得するか、取引所で購入することができます。
用途は以下の通り。ただし、設定で選択した国の取引所でBRILの取り扱いが始まるまではゲーム内にBRILは登場しません。
- つるはしのレベルアップ
- つるはしの回復
- ゲーム内マーケットプレイスでの宝石NFTの購入
- ゲーム内マーケットプレイスでのつるはしNFTの購入
4-2-2 BRILポイント
BRILポイントは、採掘で獲得できる輝石から変換されるゲームプレイ中に使用することができるゲーム内通貨で、仮想通貨とは異なる電子データという扱いです。
ゲームプレイ報酬として獲得ができます。用途は以下の通り。ただし、設定で選択した国の取引所にてBRILの取り扱いが開始されるとBRILポイントはBRILへ変換されます。
- つるはしのレベルアップ
- つるはしの回復
- ゲーム内マーケットプレイスでのつるはしNFTの購入
4-2-3 MATIC
同作はMATICでもゲームプレイを進めることができます。MATICの用途は、設定で選択した国の取引所におけるBRILの取り扱い開始前後で変わります。
取扱い開始前の用途は以下の通り。
- つるはしのレベルアップ
- つるはしの回復
- ゲーム内マーケットプレイスでの宝石NFTの購入
- ゲーム内マーケットプレイスでのつるはしNFTの購入
取扱い開始後の用途は以下の通り。
- ゲーム内マーケットプレイスでの宝石NFTの購入
- ゲーム内マーケットプレイスでのつるはしNFTの購入
4-3 宝石NFTとつるはしNFTの特徴
ここでは、ゲーム内で登場する宝石NFTとつるはしNFTについてそれぞれ解説します。
4-3-1 宝石NFT
宝石NFTは、ゲーム内の鉱山で発掘できるデジタル世界の宝石です。
「ダイヤモンド」「レッドスピネル」「アクアマリン」の3種類があり、それぞれの宝石はカラット数、美しさのグレードやトーンが異なります。宝石の品質を表すグレードは以下の3種類です。
- GEM Quality：最高品質の宝石
- Jewelry Quality：高品質ながら「GEM Quality」の基準には満たない宝石
- Accessory Quality：一定水準のトーンと美しさを持つが、高品質には分類されない宝石
宝石の大きさを表すカラット数は獲得した時点ではわからず、ゲーム内の鑑定士に依頼して鑑定してもらう必要があります（最大24時間かかる可能性）。採掘した宝石NFTは、ゲーム内NFTマーケットプレイスでBRILやMATICとトレードすることで収益を得ることができます。
今後は、宝石カッティング工房をオープンし宝石NFTをNFTジュエリーに加工できる機能が実装される予定です。
また、最終的には複数のメタバース空間内に宝石NFTを持ち出せるようにすることを目指しており、そこで装飾品や結婚指輪としての需要が生まれるといいます。
4-3-2 つるはしNFT
つるはしNFTは、宝石や輝石を採掘するためのアイテム。ゲーム内でアクセスできるNFTマーケットプレイスで運営やユーザーから購入することができます。つるはしNFTの購入には、BRIL・BRILポイント・MATICを使用できます。
MATICで購入したつるはしはNFT化してゲーム外にエクスポートできますが、それ以外で購入したつるはしはゲーム外にエクスポートできません。
つるはしには「耐久」「速度」「幸運」という3つのパラメータがあり、不足していると採掘効率が減少します。また、つるはしにはレベルがあり、レベルが上がるほど採掘効率が上がります。なお、BRILを消費することで、各パラメータを回復やレベルアップさせることができます。
つるはしNFTに関しては、「スカラー制度」という他のユーザーに貸し出すことで採掘作業を委託し、宝石NFTやBRILの報酬を得られる制度も設けられています。
コインチェックは2024年5月29日に、このつるはしNFTのINO（イニシャル・NFT・オファリング：NFTの一次販売）の実施予定です。INOでの販売価格は定価の2割引で、240 MATIC相当のETH（執筆時点で約27000円）。BRILのIEO申込者には、先着購入枠が設けられます。
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INOも実施！
つるはしNFT 5/29購入枠申し込み開始✨⛏️✨
\＼Coincheck INOにてブロックチェーンゲーム『Brilliantcrypto @Brypto_JP 』内で使用する「 #つるはしNFT 」INOの実施決定🔥🔥
☑️暗号資産ブリリアンクリプトトークン（ $BRIL… pic.twitter.com/Zwa9PveBAo
— Coincheck(コインチェック) (@coincheckjp) May 22, 2024
IEOの抽選購入申し込みやつるはしNFTのINOに参加するには、コインチェックで口座開設を行う必要があります。
4-4 ロードマップ
プロジェクトのロードマップは以下の通り。
宝石NFTのカッティング工房のオープン、宝石NFTをNFTジュエリーに加工できるサービス、メタバースへの宝石NFTの持ち込み機能の実装などが予定されています。
4-5 世界初のNFT宝石への投資ファンド設立
Brilliantcrypto社は2024年5月、BRILのIEO実施に先立ち、同作で使用されるNFT宝石への投資に特化したファンド「Digital Gemstone Fund 1（以下、デジタル宝石ファンド）」の設立予定を発表しました。ファンドの設立は同年6月中を予定しています。
デジタル宝石ファンドは、デジタル世界での活用が見込まれるNFT宝石にファンド最大総額100万ドル（約1.5億円）規模で投資するとしており、日本を代表するマルチファミリーオフィスの株式会社PrivateBANKがファンドの出資者として参画します。
同ファンドはゲームのローンチ初期からNFT宝石に投資を行うことで、NFTの価値とリターンの最大化を図るとしていることから、NFTやBRILの価値向上に寄与する可能性があります。
5.ブリリアンクリプトトークン（BRIL）まとめ
ここまで、コインチェックIEOの概要、第3弾ブリリアンクリプトトークン（BLIL）のIEO詳細、NFTゲーム『Brilliantcrypto』の特徴などを解説しました。
以下、重要ポイントを記載しました。
- 2021年7月に提供開始されたコインチェックIEOでは、PLT・FNCTのIEOが実施されており、BRILは3度目
- IEOの抽選申し込みに参加するには、コインチェックでの口座開設が必要
- 第3弾対象プロジェクト「ブリリアンクリプトトークン（BRIL）」は、申込み受付開始後わずか13分で目標金額の15億円を達成
- BRILは、東証プライム上場コロプラの子会社が開発するNFTゲーム『Brilliantcrypto』で活用される仮想通貨
- ゲーム内の宝石NFTやつるはしNFTの購入などの用途があり、ゲームプレイを通じて獲得することもできる
- 『Brilliantcrypto』は、つるはしNFTを使い鉱山を採掘し宝石NFTやBRILを発掘することで収益が得られるNFTゲーム
- 持続可能性の追求やAI・メタバースの導入といった特徴があり、パリ・サンジェルマンとの提携やファンドの設立などマーケティングに注力
参考：ホワイトペーパー
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒｜元業界関係者で現coindog編集長🐶｜2020年から仮想通貨投資を開始｜大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立｜趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り