Web3.0の活用について質問

自民党の平将明議員は1日、衆議院予算委員会にて日本の課題解決におけるWeb3の活用について「日本はWeb3.0で世界の先頭に立つチャンスにある」とし、岸田文雄首相に見解をただした。

平議員はデジタル社会推進本部のWeb3プロジェクトチーム(旧:NFT政策検討プロジェクトチーム)座長を務める。過去にも国会で関係大臣に暗号資産(仮想通貨)の課税問題に切り込んだり、Web3.0関連税制に関する緊急提言を発表したりなどWeb3.0をめぐる規制の整備および普及に取り組んでいる。

「Web3.0技術で日本の価値の最大化を」

平議員は、冒頭でWeb2.0とWeb3.0の違いについて説明する。

Web2.0の構造は、GAFAを代表とするアプリケーションなどプラットフォーの運営側に収益の大部分が入り、プロトコルやコンテンツを提供する個人には収益があまり行きわたらないと説明。対するWeb3.0は、アプリケーション(OpenSeaなど)の運営は収益が比較的少ない一方、ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)を中心とするブロックチェーンのプロトコルやコンテンツ・IPがマネタイズしやすいと述べる。

続き、平氏は「ずっと持っている問題意識」として漫画・アニメ・ポップカルチャーなど日本のコンテンツや地方の価値が国際価格と比較して安すぎると指摘。ブロックチェーンやNFTなどWeb3技術を活用することにより、「この価値をグローバル化・最大化し日本のポテンシャルを最大化することができる」「Web3.0の活用が日本の勝ち筋であるため、その環境を整えることが肝要」と主張した。

さらに、同氏はステーブルコインやDAO(自律分散型組織)にも言及。日本は法律を作ったことによりステーブルコイン規制が世界で最も進んでおり、「今取り組んでいる円と価格が連動したステーブルコインは世界中で使えるようになると思う」とし、これによりDAOを組織も作れるようになるためDAOをきちんと使えるように議員立法で法制化しようとしていると明かしたうえで、次のように強調した。

日本はWeb3.0で世界の先頭に立つチャンスにある。地方創生、クールジャパン政策にWeb3.0を活用できる。

ふるさと納税とNFTを組み合わせて人を呼び込む、地域の価値を最大化する、グローバルに転売してもクリエイターやサービス提供者にフィーが入ってくる仕組み(転売屋が儲かる仕組みではなく、まじめにやっている人に還元される仕組み)ができる。

こういうことを考えるとブロックチェーンやNFTなどWeb3.0の技術が日本の様々な課題を解決しうる。

平議員はこのように岸田首相にWeb3.0を活用した地方創生について見解をただした。

岸田首相

Web3技術を活用することにより様々な可能性が期待できる。

例えばDAOについては、同じ社会課題に関心を持つ人々が新しいコミュニティを創生できるのではないかと。NFTについてはクリエイターの収益を多元化、ローヤリティの高いファンの維持・取り組みが可能になる。これをクールジャパンや地方創生に活用する、強力なツールにできる可能性が高い。

デジタル庁においてもWeb3研究会で議論を行っており、昨年まとめた報告書では、新しい技術であるがゆえに既存の制度との適合性への懸念などから自治体や事業者が技術活用を躊躇する場合があることから相談窓口設置の必要性が指摘されている。

まずは相談窓口の設置を行うことにより、技術活用に向けた課題の集約を進めることが大事とされており、党においてもこの議論を踏まえつつ、政府としてこの分野をクールジャパンや地方創生にいかしていくためにどのような支援をしていくべきかを考えていかなければならないと認識している。

答弁内容を受け、平議員は「ぜひ国家戦略としてWeb3に取り組んでいただきたい。新しい技術が出てくるとレギュレーションのデザインや税制の整備を迅速にしなければいけない」と要請した。

関連記事:岸田首相、地方創生に向け仮想通貨税制見直しやメタバース活用に言及


参考:衆議院インターネット審議中継

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