ソニーグループ、ブロックチェーン開発へ
ソニーグループのソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(旧ソネット株式会社 以下、SNC)は12日、渡辺創太氏が代表を務めるStartale Labs Pte. Ltd.と独自ブロックチェーンの共同開発を目的とした新会社設立について合弁契約を締結したと発表した。
歴史的な1日。Sony Network Communicationsと合弁会社を設立しSonyのブロックチェーンをSonyと共同開発します。CoinbaseのBaseが盛り上がる中でSonyチェーンはそれを超え世界トッププロジェクトになりうる可能性があります。
詳細は徐々に公開していきます。時代を創りに行くので応援お願いします! pic.twitter.com/T1GHJv4JCQ
— 渡辺創太 @Startale Labs (@Sota_Web3) September 12, 2023
両社は9月中に「Sony Network Communications Labs Pte. Ltd.」という名称の合弁会社の設立を予定し、「Web3キラーユースケースの創出に向けて、Web3時代を支えるグローバルインフラ」となるブロックチェーンの開発を目指す。
ソニーグループが展開するゲーム&ネットワークサービス・音楽・映画・金融など多岐にわたる事業とSNCを通じて連携し、多様な産業領域で新たな付加価値の提供に取り組むとした。
SNCは、高速光回線サービス「NURO 光」などの通信事業、IoT事業、AI事業などを展開するソニーグループのインターネットサービス事業者。Startale Labs Pte. Ltd.は、渡辺氏をCEOとして1月に設立されたマルチチェーン対応のアプリケーションやインフラを開発するWeb3テック企業。web3企業の交流・協業の促進を図る国内企業コンソーシアムであるアスター財団から独立した形だ。
なお、SNCとStartale Labs Pte. Ltd.は、6月に資本提携を発表し、Startale Labs Pte. Ltd.はSNCから350万ドル(約5億円)の第三者割当増資によるシードラウンドの資金調達を実施していた。
ソニーグループのWeb3関連の取り組み
ソニーグループは今回の発表に先立ち、Web3関連の取り組みを進めてきた。
2021年7月には、家庭用ゲーム「プレイステーション」のハードウェアおよびソフトウェア開発などを行う株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントがNFT(非代替性トークン)やブロックチェーン技術に関する特許を世界知的所有権機関(WIPO)に出願していた。
NFT技術によりゲーム内資産を追跡する仕組みについて特許の取得を試みており、プレイステーションの利用者が、ゲーム内で生成したアイテムを含むデジタル資産をブロックチェーン上で購入・販売できるような仕組みを検討していることが分かった。
2022年8月には、ソニー・ミュージックエンタテインメントがNFTに関わる商標登録を米国特許商標庁(USPTO)に申請。ライブの画像、動画、音声などをNFT化して真贋をNFTで証明するサービスについての申請だった。
2023年3月には、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが「ゲーム・プラットフォーム間でデジタル資産を送信し利用するNFTの枠組み」について世界知的所有権機関(WIPO)に特許を申請している。前述の2021年7月に行った特許申請が却下されたことを受け、再度内容を更新して申請した形だ。
その他、web3企業およびプロジェクトへの出資、NFTの販売など数々の布石を打ってきた。
参考:公式発表