博報堂とJAL、体験型NFTを提供
株式会社博報堂、日本航空株式会社(以下、JAL)および株式会社リードエッジコンサルティングは9日、国内外の購入者を地域の関係人口に変える体験型NFT「KOKYO NFT」の検証を行うため、三重県鳥羽市および鹿児島県奄美市で実証実験を2月から行うことを発表した。
NFT(非代替性トークン)の開発などはリードエッジコンサルティングが、NFTの製作・販売は4M株式会社が担う。
リードエッジコンサルティングは、NFT領域のコンサルティングや技術開発支援などNFT関連事業を手掛け、NFTマーケットプレイス「LEADEDGE」などを提供する企業。
博報堂は22年6月に業界団体のジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)に加入している。同年12月にはアスターネットワーク(ASTR)を開発するStake Technologiesの渡辺創太CEOと合弁会社「博報堂キースリー」の設立を発表。Web3ハッカソンを運営し、新たなサービス開発を推進する意向を表明していた。
「KOKYO NFT」で地域創生
各社は「KOKYO NFT」について、「地域ならではのモノやコトのNFT(=体験型NFT)を展開し、インバウンドを中心とする訪問者が、旅の前後において地域との関係性を長期継続できる仕組みを構築しながら、関係人口を増やし新たな地域づくりを目指す」プロジェクトであると説明。
三重県鳥羽市の体験型NFTは、鳥羽国際ホテルでの結婚30周年を祝う「真珠婚式」の挙式と宿泊が体験できる権利が得られる。三重県鳥羽市は、世界で初めて真珠の養殖に成功した町として知られる。そのほか、海女小屋はちまんかまどでの「真珠婚コース」料理と海女との交流体験などの権利が得られる。
鹿児島県奄美市の体験型NFTは、「奄美黒糖焼酎の樽の共同オーナーになり、その樽をソニックエイジングで3年間かけて熟成させるための音楽を選べる」体験が得られる。オリジナルボトルになり受け取るまでの3年間、毎年夏と冬に開催する奄美でイベントにて、試飲や音楽ライブ、製造工程の一部への参加が楽しめるという。
「ソニックエイジング」とは、西平酒造が黒糖焼酎を製造する際、樽にスピーカーをつけて蒸留するという新たな取り組みのこと。黒糖焼酎に様々なジャンルの音楽を聞かせると味や色のつき方、香りも変わると言われている。
2つのNFTの価格は以下の通り。(1ETH=¥200,000の場合)
- プレセール(2月28日~):¥950,000/4.75ETH
- パブリックセール(3月2日~):¥1,000,000/5ETH
- プレセール(2月28日~):¥110,000/0.55ETH
- パブリックセール(3月2日~):¥120,000/0.6ETH
■三重県鳥羽市の体験型NFT
■鹿児島県奄美市の体験型NFT
「KOKYO NFT」の共通特典として、保有者限定で公式Discordコミュニティに参加可能。体験は4月から提供開始予定で、今後も「KOKYO NFT」の提供に参画する地方自体を募集するとした。
背景
今回の取り組みのは背景について、各社は以下のように説明した。
地域における人口減少や高齢化は依然として深刻な社会課題となっている中、広告事業を超えた新規事業開発を目指す博報堂「ミライの事業室」と、ESG戦略において社会課題を解決しサステナブルな人流の創出を目指すJALは観光を活性化し関係人口を増やしていく「体験型NFT」について協議してきました。
また、リードエッジコンサルティングはNFTの社会実装を目標に、これまでさまざまなリアル/デジタルを融合したプロジェクトやプロダクトの開発を行ってまいりました。そうした取り組みの知見をもとに、今回の実証実験においてはNFT発行技術の支援ならびにPR支援、コミュニティ運営支援を行います。
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参考:公式発表
参考:公式サイト