FTX Japan買収についてコメント

暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックの親会社マネックスグループの松本大社長は16日、FTX Japanの買収に言及した。ブルームバーグが報じた。

さらに同氏は、コインチェックの米ナスダックへの上場計画についてもその目的などを語った。

FTX Japanの買収に関心

ブルームバーグの取材に松本氏は「(FTX Japanの買収について)一般論として興味がある」と回答。同氏は仮想通貨やブロックチェーンが資産運用だけでなくマーケティング領域にも関わってくるものであるとし「そのときに日本での少ない選択肢の一つになるのは重要なこと。競争相手が減ることはいいことだ」と語った。また、FTX Japan売却に伴う入札についてはコメントを控えた。

世界最大手仮想通貨取引所の一角であるFTXは、2022年11月に姉妹企業アラメダ・リサーチの債務超過リスクが顕在化したことを皮切りに出勤依頼が殺到するなど取り付け騒ぎに発展、同月中に破産申請を行った。同年12月には米デラウェア州の破産裁判所がFTX Japanを含むFTX傘下の4事業について売却を承認。今年2月1日に予備入札が締め切られ、3月21日に競売が開催されるという。

FTXは8日に売却を計画する4つの事業について、約117の事業体が入札に関心を示していると発表。FTX Japanの入札には約41の事業体が関心を持っている明かした。

コインチェックの上場計画について

マネックスグループは2018年に仮想通貨の巨額流出事件が起こったコインチェックを買収している。

また、マネックスグループは2022年3月、コインチェックの持株会社としてオランダに新設するコインチェックグループ(CCG)が、ナスダック上場の特別買収目的会社(SPAC)のサンダーブリッジキャピタルパートナーズ4(Thunder Bridge Capital Partners IV)と合併し、米ナスダック市場への上場を目指すことを発表していた。

2022年中の上場を目指していたが、同年10月の段階に現在も手続きが進行中であると報告している。

松本氏は、FTX破綻後に世界中で大手仮想通貨取引所などが人員削減や撤退が相次ぐ中においてもコインチェックの上場への影響はないとした。「コインチェックの足元の業績は芳しくないが、基本はかなりの利益を上げられる会社」と説明。上場の目的は「資金調達のためではなく、グローバルな人材獲得や買収を行うため」とし、マネックスグループが仮想通貨・ブロックチェーン関連のビジネスを推進する中で「最も重要な戦略」と強調した。

なお、マネックスグループは4日、執行体制変更を発表。6月下旬に予定する株主総会の終了後に松本氏がCEOを退き会長に就任し、清明祐子・共同最高経営責任者(CEO)が社長CEOに昇格する。

関連記事:コインチェックとは|「アプリダウンロード数最多」初心者に最適な理由

参考:ブルームバーグ

参考:マネックスグループ

関連記事

関連記事はありません。