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ステーブルコイン「JPYC(信託型)」の発行目指す

三菱UFJ信託銀行株式会社、Progmat, Inc.、JPYC株式会社は28日、ステーブルコイン(以下、SC)の発行・管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」を活用し、改正資金決済法に準拠したSC「JPYC(信託型)」の発行に向けた共同検討開始を発表した。2024年夏ごろの発行を目指す。

また、共同検討を通じて、「Progmat Coin」基盤を介して発行される様々な国内外のSCの相互交換を可能にし、Web3の広範な普及に寄与することを目指すとも説明した。

なお、日本国内でSC(電子決済手段)を業として取り扱うためには、2023年6月施行の改正資金決済法で新設された「電子決済手段等取引業」のライセンスを仲介者が取得することが前提となる。そのため、現在JPYC社は資金移動業および電子決済手段等取引業のライセンス登録に向けた取り組みを進めているという。

国内外ステーブルコインの相互交換を実現へ

JPYC社が取扱うイーサリアム(ETH)など複数のパブリックブロックチェーン上で発行・流通する日本円SC「JPYC」は、2021年1月に発行開始され、2023年11月には累計発行額が23億円を突破している。

現行のJPYCは、資金決済法上の「前払式支払手段」として位置づけられており、送金金額の制限や原則として金銭の払い戻しができないなどの制約があるが、3社が発行を目指すSC「JPYC(信託型)」は、送金金額の制約がなくなるほか、金銭による払い戻しも可能となる。

出典:プレスリリース

さらに、JPYC社が改正資金決済法上の電子決済手段等取引業のライセンスを取得しProgmatと連携することで、「Progmat Coin」を介して発行される様々な国産SCやUSDCなど海外SCを取り扱う仲介業者として、国産SC同士や海外SCとの相互交換を可能にし、国内のSC利用者が国内外の様々なSCを円滑に利用できるようになるという。

出典:プレスリリース

ステーブルコイン「JPYC」のスキーム

改正資金決済法上のSC(電子決済手段)は、「銀行預金型」「資金移動型」「信託型」の3類型が想定されている。

3社が発行を目指すSC「JPYC(信託型)」は信託型での組成を前提としているが、JPYC社は資金移動型SCとしての「JPYC(資金移動型)」の発行も検討していると説明した。

「JPYC(信託型)」の具体的なスキームは以下の通り。

  • 電子決済手段類型:3号電子決済手段(特定信託受益権)
  • 発行依頼者(委託者):株式会社JPYC
  • 発行者(受託者):三菱UFJ信託銀行
  • 裏付資産(預金)運用先:任意の金融機関
  • 取扱仲介者:JPYC株式会社
  • 裏付通貨種類:円貨建てステーブルコイン
  • ステーブルコイン名称:JPYC(JPY Coin)
  • 接続ブロックチェーン:イーサリアムのほか、複数チェーンへの拡張を想定

国内事業者による相次ぐステーブルコイン参入

今回の発表に先駆け、すでに様々な国内事業者がProgmat Coinを活用したステーブルコイン発行の検討を表明している。

9月には暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するバイナンスジャパンが三菱UFJ信託銀行とともに、円貨建てと外貨建ての双方を対象としたステーブルコイン(名称未定)発行の検討に入ったことを発表。2024年中の発行を目指すとした。

関連記事:バイナンスジャパン、三菱UFJ信託銀行と新たなステーブルコイン発行へ

11月にはブロックチェーン事業を手掛ける株式会社Gincoが三菱UFJ信託銀行株式会社らとともに円貨建ての「XJPY」および米ドル建ての「XUSD」の2銘柄のステーブルコインを発行予定と発表。2024年夏ごろの発行を目指す。

この取り組みには最大手の仮想通貨流動性プロバイダーであるCumberland Global Limited、ビットバンク株式会社、株式会社メルコインも参画する。

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関連記事:三菱UFJ信託銀行・ビットバンクら、ステーブルコイン「XJPY・XUSD」発行へ

なお、11月27日には大手金融SBIホールディングス株式会社がステーブルコインUSDCの発行元であるCircle Internet Financialと包括的業務提携に向けた基本合意書締結を発表。日本国内におけるステーブルコインUSDCの流通などに取り組む方針を表明し、SBI VCトレードにて、当局の承認を前提としたUSDCの取扱いを行う予定とした。

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関連記事:SBI、米Circle社と協業へ ステーブルコインUSDCの上場目指す


参考:公式発表

参考:齊藤達哉氏note

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