仮想通貨YAYのホワイトペーパー
メタバースを取り入れたSNS「Yay!」を提供する株式会社ナナメウエは8日、独自暗号資産(仮想通貨)「YAY」のホワイトペーパーを公表した。
Yay!は、2020年1月にローンチされ、現在では800万人以上のユーザー数を誇るサービス。
運営のナナメウエは、2022年8月に仮想通貨取引所を運営するbitFlyer社とIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)実施に向けた契約を締結。ナナメウエが「Yay!」内で利用可能な「YAY」トークンの発行を、bitFlyerは「YAY」トークンの受託販売をそれぞれ目指すと発表している。
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仮想通貨YAYを含めた4種類のトークン
ナナメウエはホワイトペーパーにて、今後利用者の役割に合わせてサービス内外にトークンを活用した持続可能な経済圏(トークノミクス)を構築すると述べている。
Yayのプラットフォームには、以下の4つのトークンを設けるとした。YAYとEMPLEはFT(ファンジブルトークン)、Yay! GenesisとYay! PalはNFT(非代替性トークン)として発行される。
- YAY : ガバナンストークン、イーサリアムで発行、発行上限100億枚
- EMPLE:ユーティリティトークン、Arbitrumで発行、発行上限なし
- Yay! Genesis(以下、Genesis):Yay! Palをミントする権利をもつNFT、イーサリアムで発行、発行上限5000枚
- Yay! Pal(以下、Pal):Play-to-EarnのためのNFT、Arbitrumで発行、発行上限なし
ガバナンストークン「YAY」は、Yay!エコシステムに関する重大な意思決定権に関与できる権利が付与される。 利用者はEMPLを引き出す際に、市場価格でYAYに交換することで出金できる。
YAYはステーキングもできるほか、Palの購入数やGenesis保有者のPalミント数等の条件を満たすことで、YAYを報酬として受け取ることができる。
ユーティリティトークン「EMPLE」は、コミュニティ貢献に対する対価として新規発行され、Palのバトルの結果に応じて配布される。市場価格レートでYAYに交換することでサービス外に出金できる。
NFTの「Genesis」は、保有することでPalをプールに供給する、あるいはマーケットプレイスで売却することができるようになる。 Palをプールに供給した場合は一定のYAYを120日間にわたり受け取ることができ、Palをマーケットプレイスで売却する場合は即座に売却益を得ることができる。
「Pal」は、デジタルペットをモチーフとしたNFTで、保有した状態でコミュニティに貢献することでバトルに参加できるようになる。バトル後、EMPLとLocked EMPLを報酬として受け取れる。
Palには寿命があり、レアリティによってその長さが異なる。寿命を迎えるとコミュニティ貢献による報酬は受け取れなくなるが、その後も特別なユーティリティが用意されている。
GameFiを持続可能にする仕組み
同社はホワイトペーパーにて、NFTゲームの経済圏が崩壊するシナリオとして以下の5つを挙げた。
- NFTの供給過多による価格崩壊
- ユーティリティトークンが売り一辺倒になることによる資本効率の悪化
- 外部収益が無く、運営者がトークノミクスから手数料を徴収する
- サービスの利用者がおらず、トークンのみが独り歩きしている
- 外部トレーダーの流動性の軽視
上記のシナリオを避けるために、以下のような設計を施し、持続可能なトークノミクスを創出すると説明している。
- Palに対して寿命を設けることにより、新規の利用者だけではなく、既存の利用者に対してもPalの需要を作ることができる
- 適切なサービス内のユーティリティ消費設計と、出金時のYAYへの変換ストラクチャにより、ユーティリティトークンに売り圧が発生しえない
- 広告や有料会員機能により外部収益が存在し、ユーザーが増えれば増えるほど増大していく。さらにトレジャリーのETHは出金時のYAYの購入に使われるなど、コミュニティへの還元に全量利用される
- インセンティブ無すでも熱量の高い多数の利用者が日々サービスを利用している
- 利用者が報酬を引き出すたびに買い圧力を常に生み出す設計になっており、サービスの体験と流動性が一体となっているためトレーダーが扱いやすい
トークンアロケーション
YAYはトークンセール時に全量が発行され、以下のような割合で分配される。
今後はYay!を起点に、他のコミュニティを巻き込み、ゲームやDeFi(分散型金融)などとシームレスな連携を深めていくことで共にメタバースを形成していくとも述べた。
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参考:ホワイトペーパー
参考:Yay!公式サイト