スクエニ、年頭所感で新BCGに言及

株式会社スクウェア・エニックス(以下、スクエニ)を傘下に持つ株式会社スクウェア・エニックスホールディングスの代表取締役社長 松田洋祐氏は1日、年頭所感を発表した。

グループ全体の開発および経営体制の方針について語る中で、新たに複数のブロックチェーンゲームを発表予定であることを明かした。

語られた内容は

松田氏は、2022年は中期事業計画において策定した3つの重点投資領域の中でも特にブロックチェーンエンタテインメントに注力して投資・事業開発を進めてきたと説明。グループとして現在複数のブロックチェーンゲームを開発中であり、2023年中にさらに多くのタイトルを発表すべく準備していると明かした。

同氏は昨今のブロックチェーンゲームを取り巻く状況について「ゲームユーザーよりも投機筋ユーザー主導の市場、いわば『ブロックチェーンやNFTでのマネタイズありき』で作られたコンテンツが主導した状況」と表現したうえで、自律的分散型というコンセプトのもと、ユーザーにどのような新しい体験や新しい面白さを届けられるかができるかが極めて重要との考えを示した。

また、国内外の有望なブロックチェーン企業への出資および資金調達を継続して行う方針も併せて明かした。

規制整備の必要性

松田氏は規制整備の必要性にも言及。「Web3.0」がバズワードとして人口に膾炙した1年であったと振り返る一方、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した急激なインフレなどマクロ経済の変動、FTX破綻など市場環境に深刻な影響を及ぼす出来事が相次ぎ、ブロックチェーン業界全体に影を落としたと憂いている。

このような状況を受けて各国で規制強化が顕在化し、日本でも22年6月に閣議決定された『デジタル社会の実現に向けた重点計画』の中で「ブロックチェーン技術を基盤とするNFTの利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備」が盛り込まれたほか、デジタル庁が「Web3.0研究会」を立ち上げるなど、政府として後押しする動きが活発化している現状に触れた。

さらに、「一昨年のNFTやメタバースに対する熱気、狂乱から一転、昨年のブロックチェーン関連業界はボラティリティが非常に激しい年となった」と述べ、ルールが整備されることにより投機筋による過熱した市場環境を脱し、ブロックチェーンエンタテインメントの成長に繋がるなどとし規制整備に期待を示した。

スクエニのブロックチェーン関連動向

スクエニは、『ドラゴンクエストモンスターズ』や『ファイナルファンタジー』シリーズなど多くの人気ゲームを輩出した企業。NFT(非代替性トークン)を含めたブロックチェーン開発および投資にも力を入れている。

2020年に『The Sandbox』の開発などで知られる大手ブロックチェーン開発企業アニモカブランズに出資していたことが報じられたほか、2022年にはブロックチェーン開発を行うdoublejump.tokyo株式会社と共同でNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」をLINEブロックチェーン上で開発し提供し完売するなど好評を博した。

最近の動きでは、22年11月にNFTプロジェクト「SYMBIOGENESIS(シンビオジェネシス)」を全世界に向け発表。「多数のキャラクター(NFTコレクティブルアート)が共生する独立した世界のなかでプレイヤー同士の戦略的行動と物語の考察を楽しむ、新しいエンタテインメントコンテンツ」と説明された。

同年12月には国内ブロックチェーン開発企業gumiとの資本業務提携を発表し、ブロックチェーンゲーム開発などで提携する方針を示した。

参考:年頭所感

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